
昨日は舟橋慶一さん主宰「伝承の会:アントニオ猪木さんご退院記念特別講演会」に行ってきました。
猪木さん実弟猪木啓介さん、福留崇広さん、原悦生さんお三方の語るアントニオ猪木、実に濃密な講演会でした。
その講演会の質問コーナーで、私は福留さんにはブラジルで行われたストロング小林☓イワン・ゴメス戦について質問しまして、次に猪木啓介さんには1973年11月5日新宿伊勢丹前で起きたタイガー・ジェットシンの猪木襲撃事件について質問しました。 何故なら稀代の最凶ヒールにして“インドの狂える猛虎”タイガー・ジェットシン誕生の瞬間こそがこの新宿伊勢丹襲撃事件なわけで、その運命の現場に居合わせ、またその全てを目撃した猪木啓介さんこそが貴重な生き証人だからです。
乱闘は本当にシンが美津子さんを平手打ちした事が発端だったのか?猪木はその場でシンにどのような襲撃を受けたのか?
私の執拗な質問に啓介さんが明かした襲撃事件の真実とは?いまアントニオ猪木実弟が明かす伝説の新宿伊勢丹襲撃事件の全貌!それでは猪木啓介さんと私の一問一答をどうぞ!
龍熱「先ほど啓介さんがお話されていたタイガー・ジェットシンの新宿伊勢丹襲撃事件ですが、当然ながらその場にはマスコミのカメラは一切なかったわけです。最初の発端はどんなだったんですか?」
啓介「あの日は僕の○☓(聴き取れず)祝いでアントニオ(実兄アントニオ猪木。啓介さんは猪木さんをこう呼んでました)と倍賞(美津子。アントニオ猪木夫人)と3人で伊勢丹で買い物をして、正面入口から出てきたんです。僕は両手に荷物抱えてましてね。で、3人で道路を歩き出したら向こうからデカい外人が3人こっちに向かって来るのが見えたんです」
龍熱「タイガー・ジェットシン、ビル・ホワイト、ジャック・ルージョー(エディ ・オーガー説もあり)の3人ですね」
啓介「はい、シンと他に外人が2人。そしたらいきなりシンがアントニオに襲いかかって来て!いや僕はもう唖然としちゃって!」
龍熱「一説には、この時にシンが美津子夫人を平手打ちして、それに猪木さんが怒って乱闘が始まったと言われていますが?」
啓介「いや、それはなかったですね」
龍熱「あ、では平手打ちは無かったんですね。その場でシンは猪木さんにどんな暴行を働いたんですか?」
啓介「シンはアントニオを車のボンネットに叩き着けてから、ガードレールに叩き着けてました。そうしたらアントニオが頭から血を流して。もうボンネットもガードレールもベコッと凹んでましたよ!」
龍熱「な、なるほど(汗)。それは時間にしてそれこそ1分ぐらいですか?」
啓介「そんなもんだと思います。後になって、何でお前は兄貴が襲われてるのに助けないんだ!とか言われたけど、僕は両手は荷物持って塞がれてたし、もし僕がそこに入っていったら、シンに殺されるんじゃないかってくらい凄まじい光景でしたよ」
龍熱「分かりました。ありがとうございました!」
この新宿伊勢丹襲撃事件に関しては、後にミスター高橋が著書で「私がシンに犯行を指示した。私も運転手と近くで車で待機していた」などと書いていたが、では高橋は何故その場にいた啓介さんの名前を一切出さないのか?高橋が乗ってたと称する車から啓介さんが見えないはずがなかったと思うのだが。
私はそんなアバウトな高橋本より、目の前で起きた事をそのまま私に話して下さった啓介さんの証言を信じる。啓介さんはシンが猪木さんを襲撃する様をその時に感じた計り知れない恐怖と戸惑いと共に、文字通りありのままを私に話して下さった。その現場の目撃者である啓介さんの証言こそが絶対の真実なのだ。
未だにこの新宿伊勢丹襲撃事件を「あれはヤラセだから」などと訳知り顔で話すマニア連中がいる。だが私にとってそんな声は雑音でしかないし、ミスター高橋本も単なる参考文献に過ぎない。何故ならタイガー・ジェットシンにとって白昼堂々、無数の一般人がいる中でアントニオ猪木を襲撃する行動自体がプロレスラーであるシンにとって重大なリスクを伴う、まさにレスラー人生最大の賭けであった事に間違いないからだ。そう、この日、タイガー・ジェットシンにとって新宿伊勢丹前は、鮮血に塗れたリングその物だったのである。
最後になりましたが、今回このような昭和プロレス最大のミステリーの深層に迫る機会を作って下さった舟橋慶一さん、坂田剛さんに感謝します。そして何より私の執拗な問いかけに対して、最後まで真摯に答えて下さった猪木啓介さんに深く感謝します。ありがとうございました。
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