
自らの身を犠牲にしてビッグタイガーとブラックタイガーを倒した大門大吾は、瀕死の重症を負い入院を余儀なくされた。タイガーマスクは意識のない状態の大門を見舞うと、キングタイガーとの決戦に挑むため車に乗り込み、帰り際自分を見送るケン高岡にこう言い残すのだった。
タイガー「ケン、もし今日の試合で俺が死んだら、お前が虎のマスクを被ってくれ」
ケン「タイガーさん・・!」
そして迎えたタイガーマスクvsキングタイガーの覆面世界タイトルマッチ。超満員の館内、先に入場したタイガーに続き、片耳が欠けた虎のマスクを被りワンショルダーの胸に“虎の穴”のエンブレムを型どったキングタイガーが悠然と入場して来た!キングタイガーはユックリとリングに上がると、異様なまでの貫禄と威圧感と共にタイガーに歩み寄り、唸るように語りかける。
キングタイガー「タイガーマスクよ、このキングタイガーの挑戦を受けた以上、この試合がルール無用、時間無制限のデスマッチである事に異論はないな?」
タイガー「ああ、勿論だ!」
キングタイガー「ほう?いい度胸だ。グッハハハ!」
さらにキングタイガーはリング下に飛び降りると、マイクを掴み館内の観客にこう言い放つ。
キングタイガー「観客の諸君!心臓の弱い奴は今の内にお帰り願おうか!何故なら数刻後にこのリングはタイガーマスクの流す血で血の海となり、そこでタイガーは溺れ死ぬ事になるだろう!グッハハハ!さあ鳴らしてくれ!タイガーマスクの死のゴングを!」
ゴングが鳴る!キングタイガーはいきなりハイアングルボディスラムでタイガーを場外マットに叩きつけ、上がって来たタイガーの腕をアームロックに捉える。そしてタイガーの両腕をロープに挟み込むと、連続のフライングヘッドパッドを叩き込む!
キングタイガーの怒濤の反則攻撃に防戦一方のタイガーを見兼ねたジャイアント馬場がエプロンに上がると
馬場「キング!卑怯だぞ!止めんか!」
キング「何だと?馬場!貴様は引っ込んでろ!」
と“世界の馬場”を格下扱いし蹴り飛ばす!その隙にロープを外したタイガーはフライングヘッドシザースでキングタイガーを捉えると、そのままグイグイと締め上げる!
キングタイガー「くそ!ビッグタイガーとブラックタイガーの仇は必ず取る!俺が負ければボスまで引っ張り出す事になる!俺は絶対に負けられんのだ!」
タイガー「ボスだと?何の事だ!」
キングタイガーはタイガーの顔面に反則のトウキックを叩き込みヘッドシザースから脱出すると、タイガーを場外に投げ飛ばし、本部席の木製の机で何度もタイガーを殴打!最後には机は真っ二つに割れ、それはまるで鋭利な剣山のようにリング下に不気味に横たわる・・!
リングに戻った両者は激しく闘うが、キングタイガーは強烈なストマッククロー!さらにはタイガーの顔面を鷲掴みにするアイアンクロー!この荒技でタイガーのマスクが見る見る血に染まり、やがてはダラダラとマットに鮮血が流れ落ち、キングタイガーの試合前の予告通り、リング上はタイガーマスクの流す血で血の海となる!まさに決死戦である。
キングタイガー「苦しめ!裏切り者よ!苦しめー!」
タイガー「く、くそ!くたばってたまるか!」
キングタイガーの凄まじい握力によるアイアンクローで意識朦朧となりながらも、タイガーは最後の力を振り絞りキングタイガーの顎を掴むチンロック!
キングタイガー「ぐぐ・・ぐあああ!」
馬場「タイガー!そのチンロックを離すなー!」
ヌルリ!しかしタイガー自らが流した血でキングタイガーの顎を締め上げていたチンロックが滑る!“虎の穴”最後のレスラーは再び自由となり、残忍な笑みを浮かべるとタイガーの顔面にまたも情け容赦ないアイアンクロー!!グシャ!メキメキィ!!
タイガー「ぐああああ!」
キングタイガー「終わりだ!死ねぇ!」
馬場「ああっ?タイガー!タイガー!」
その頃、病院では大門大吾が懸命に死神と闘っていた。大門に寄り添うケン高岡が必死に大門に声をかけ励ますが、傍らの医師の表情は曇るのみだった。
高岡「大門さん!いまタイガーさんがキングタイガーと闘っています!きっと・・タイガーさんはキングタイガーに勝ちます!だから・・だから大門さん!頑張って!」
再びタイガーマスクvsキングタイガーの決戦場。アイアンクローでグロッキーとなり血の海に横たわるタイガーを横目にキングタイガーはコーナーのトップロープに上がると、タイガー目掛けて飛び降りる!
キングタイガー「ぬおああああ!」
タイガー「今だ!タアァァァァ!」
タイガーはキングタイガーを受け止め、その両手を掴むと高々とキングタイガーを空中に蹴り上げる!そう、必殺のウルトラタイガーブリーカー炸裂!!タイガーは何度もキングタイガーを空中に蹴り上げると、起き上がり、フィニッシュのバックブリーカーの態勢に入ったその時!!!
キングタイガー「フン!無駄な事だ!ドリャァ!」
タイガー「はっ!?」
キングタイガーは落下する寸前に空中で身体を反転させ、タイガーの頭上への落下から逃れるとリングのエプロンに着地!そうなのだ!幻のレスラー最後の1人はウルトラタイガーブリーカーを既に研究済みだったのである!!しかし!!
キングタイガーが着地したエプロンにはタイガーが流した大量の鮮血が血溜まりとなっており、その血で足を滑らせたキングタイガーは、そのまま場外に横たわる剣山状の机に真っ逆さまに落下する!!
キングタイガー「し、しまった!うおおぁぁ!?」
グサッ!グサッ!
キングタイガー「ぎゃあああああああぁぁ!!」
タイガー「!」
まさに最後の最後で自分の狂気の攻撃で流れ出たタイガーマスクの鮮血に文字通り足を掬われたキングタイガーはそのままリング下に崩れ落ちる!!
そう、タイガーマスクは遂に幻のレスラーであるビッグタイガー、ブラックタイガー、そしてキングタイガーを倒したのである!!
しかしその頃、大門大吾が入院中の病院ではケン高岡の必死の想いも届かず、大門が静かに息を引き取っていた。ケン高岡は流れる涙を拭う事なく病院のロビーのテレビで観客の歓声に応えるタイガーを見つめるのだった・・。
高岡「嗚呼、このタイガーさんの勝利を一目大門さんに見せてあげたかった・・!」
タイガー「大門!見ていてくれたか?俺はキングタイガーに勝ったぞ!だからお前も早く・・はっ?」
タイガーの眼下に背中に机が突き刺さったまま絶滅寸前のキングタイガーがエプロンにしがみつきながらタイガーを睨みつける姿が目に入った!
キングタイガー「タ、タイガーよ・・この俺を倒したところで“虎の穴”は滅びはせんぞ!ま、まだ“虎の穴”にはこの俺以上のレスラーがいるのだ!」
タイガー「何だって!?」
キングタイガー「そのお方が必ず貴様を倒しにやって来る・・必ずな!グァ・・グアァ!」
タイガーはキングタイガーがユックリとリング下に崩れ落ち息絶えるのを見届けると、再び戦友の大門大吾に向かって熱く語りかけるのだった。
タイガー「まだ“虎の穴”にはキングタイガー以上のレスラーがいるのか。大門、まだ俺たちの闘いは終わってはいないぞ。だから大門、早く良くなってまた一緒に闘おう!」
幻のレスラーこと3人タイガー最後の1人であるキングタイガー。彼こそ技、力、そして冷酷非情かつ残忍な反則攻撃と、3つ全てを兼ね備えたまさに最強のレスラーである。
そしてこのキングタイガーこそが梶原一騎先生のオリジナル原作漫画に登場するミラクル3その物なのである。(ただアニメ版では真のミラクル3はこの後“虎の穴”の支配者の仮の姿として登場する)
試合は文字通りタイガーマスクvsキングタイガーによる壮絶にして凄惨な“猛虎激突!”となり、最後は一瞬の隙から足を滑らせたキングタイガーが奇跡的に自滅し、瀕死のタイガーが何とか勝利を勝ち取る。
しかしキングタイガーが残した“ボス”とは果たして誰なのか!?タイガーマスク、運命の最終決戦の時が迫る・・!!
King of Blood Ring.King Tiger from Tiger Mask.
こんばんわ!
だって、何から何まで忠実に再現しても面白くないでしょう?
少しはアレンジしますよ。私は昔からそうやって来ました。
それを「フィクションの世界に遊ぶ」と言います。
それが気に食わないなら当ブログではなくアニメを観て下さい。