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香港功夫映画と共に

黄金の70年代香港クンフー映画⑥ 少林雙雄友情開花!「嵐を呼ぶドラゴン」

2018-11-25 12:06:28 | 作品レビュー

“暴力導演”張徹が台湾に邵氏公司傘下の形で立ち上げた長弓電影公司作品にして“少林英雄傅四部作”の第1弾「嵐を呼ぶドラゴン」(74)日本劇場公開時ポスターです。

1974年にワーナーブラザーズの配給で日本公開された本作で、私たち日本人は初めて邵氏産のクンフー映画に触れる事となりました。
と言いながら・・この「嵐を〜」はハッキリ言って張徹作品の中でもそのクンフー映画としてのボルテージはかなり低い作品なんですね。
例えば同じ“少林英雄傅”系列の中でも「洪家拳vs詠春拳」(74)の息を呑むような緊張感と比べたらこの「嵐を呼ぶ〜」はかなりユルユルと言わざるを得ません。
それでも劇中で方世玉を爽やかに演じる傅聲と、洪熙官を颯爽と演じる陳観泰という2大邵氏武打星の圧倒的な存在感が本作の名前を今も日本の香港クンフー映画の歴史に深く刻み込んでいる要因でしょう。
ちなみに陳観泰はその後に邵氏のドン邵逸夫と契約問題等で揉めに揉めて邵氏公司を離脱し、自らの独立プロダクションを設立すると猴拳映画の大傑作「鉄猴子」(77)を撮るなど奮闘するも、結局は再び古巣の邵氏公司に出戻り、張徹の新ユニット“五毒”主演作品「残酷復讐拳」(78)で悪役を充てがわれた果てに、恩師である大聖劈掛門派の大家陳秀中からは“ある理由”で破門されるなど散々な“嵐を呼ぶ人生”が待っていたのでした。

Shaw Bros film Fu Sheng and Chen Kwan Tai in Heroes Two Japanese theatrical poster.

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