超級龍熱

香港功夫映画と共に

龍熱者よ、溢れ出る涙を決して拭う事なかれ・・!梁小龍&陳観泰主演『打擂台』!

2010-07-11 14:15:59 | 作品レビュー
さて、やっと観れました!郭子健&鄭思傑聯合導演、梁小龍、陳観泰、黄又南主演『打擂台』(10)です。
不動産会社に勤める気弱な青年梁景祥(黄又南)は、ある日暴漢に襲われたところを中年男の阿淳(梁小龍!)に助けられます。一見浮浪者然とし、右足にギブスを着けた阿淳の無敵の連続蹴りに衝撃を受けた景祥は茶楼で兄貴分の阿成(陳観泰!)と共に働く阿淳に弟子入りを請いますが、この阿淳には既に30年近く昏睡状態で寝たきりの恩師にして伝説の武道家である羅新(泰迪羅賓)がいたのでした。
そしてその日から景祥は彼自身が真の男として、さらに真の英雄として、今だかつて経験した事のない熱き闘いの日々に身を投じていく事となるのでした・・!
オープニングで流れる明らかに『ドラゴン怒りの鉄拳』をイメージしたテーマ曲(作詞は黎小田!)とクラシカルかつノスタルジック感覚溢れるクレジット・タイトル、羅新が阿淳や阿成と共にカラオケ店で「万里長城永不倒(言わずと知れた伝説の電視劇『大侠霍元甲』主題歌!)」を熱唱するシーンに象徴される時にコミカルながら実に心温まる師弟愛、武術指導を担当する元徳が手がけるワイヤーワークなどを一切排除し、徹底した拳脚アクションのみで展開される陳観泰vs羅莽のまさに火花散る拳技ファイトや、ラストの阿淳vs最強格闘家(演じるは李海濤!)の怒涛のキック合戦などなど、もうこれら全てが70年代香港クンフー映画を愛する人間にとっては涙無しでは観れない感動必至のシーンとして構成されています。
特にこの『打擂台』最大のクライマックスである梁小龍vs李海濤の一騎討ちでは、李海濤の猛攻に思わず片膝を着き、そのまま“心が折れそう”になった梁小龍こと阿淳の背中に、駆けつけた兄弟子阿成の厳しくも情愛に満ちた叱咤が叩き着けられる場面で映画は最高潮を迎えます・・!
「阿淳!羅新師父の言葉を思い出せ!“負けたくないなら闘うな!但し、闘うと決めたなら勝て!勝つんだ!”」
兄弟子の言葉から亡き恩師の教えを思い出した阿淳はユックリと立ち上がると、右足に着けたギブスを静かに外し、それを傍らに投げ捨てると、その場で「タッタ!タッタッタ!」と厳かに、そして華麗にステップを踏み出します!
(そうです!このステップ・ワ-クこそあの『ドラゴンへの道』でリーさんがチャック・ノリス相手に見せた“ドラゴン・ステップ”へのオマージュです!!!)
そしてその梁小龍が見せる“ドラゴン・ステップ”のリズムに波長を合わせるが如く、再び『ドラゴン怒りの鉄拳』のメインテーマを彷彿とさせる本作『打擂台』のテーマ曲が流れ出します!!(もうここで映画を観ている私は溢れ出る涙を拭うのも忘れて、ひたすら画面に向かって大拍手!)阿淳は軽快にステップを踏みながら、失いかけていた「羅新門」の誇りと熱く燃え上がるような闘志を再び甦らせると、自分の息子のような年齢の李海濤相手に猛然と闘いを挑んでいきます・・!
この梁小龍vs李海濤の決着シーンの詳細に関しては、敢えてここでは触れませんが、それは月並みかつお決まりの“ハッピー・エンディング”的な闘いの決着ではなく、何とも切なくて哀愁漂う素晴らしい闘いの締めくくりとなっている点に私は大いに感嘆を受けました。
製作にアンディ・ラウこと劉徳華が名を連ね、他の出演陣も陳恵敏や邵音音などこれまた懐かしい面子が顔を揃えた本作『打擂台』。改めて、この『打擂台』は梁小龍や陳観泰といった“LEGENDS”による“LEGENDS”のための心優しく、それでいて“人生と真正面から向き合う勇気”をくれる映画でした。
そう、この映画を観ずして70年代香港クンフー映画を語る事なかれ!最後に本作『打擂台』の映像を快く提供頂いた家有喜事さんに厚く感謝致します。ありがとうございました。
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8 コメント

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これぞ本物! (家有喜事)
2010-07-12 22:12:01
あれからまた見直しましたが、何度見てもやはり本物はいい!!!
ブルース・リャンとチェン・カンタイの動きは往年に比べればやはり落ちますが、それでも十分感動できる動きでした!
こんな作品がまだまだ増えて欲しいと思います!!!
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その通り! (龍熱)
2010-07-13 00:21:50
家有喜事さん、

こんばんわ!
実は私も今日になっても何度も見直して
しまっているんですよ(苦笑)。
この映画は本当に私たち龍熱者の琴線に
ビンビン!と来る映画ですよねー!
香港映画界にはまだこのようなナイスな
映画を撮ってくれる人がいるんだ、と判
っただけでも本当に感激でした♪
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打擂台! (烈々)
2010-07-14 07:08:30
「打擂台」、本当に功夫への愛情がこもった作品みたいですね。泰迪羅寶が師父とは…(;^_^Aすごく見たくなりました。陳観泰は「殺人犯」でも健在ぶりを見せてくれたし、うれしいです。しかも今回は功夫もので、めちゃアツイ内容みたいなので、なおのこと。それと傳聲の命日の記事、しんみりしました。最近、傳聲の遺作のDVDを見て、しみじみ彼の事故がなければ、どんなふうに年を重ねていったんだろうと思っていたところでした。
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打擂台! (龍熱)
2010-07-15 00:18:30
烈々さん、

こんばんわ!
『打擂台』は良かったですねー!
本文では触れていませんが、中盤
で男性ボーカルの主題歌に乗って
陳観泰や梁小龍らオジサンたちが
海岸を懸命に走ったりする特訓シ
ーンもまた泣けるんですよぉ!
傳聲がもし今も健在だったなら
成龍の今のポジションも間違いな
く違った形になったと思います。
本当に惜しい武打星を亡くしてし
まったと思います。
返信する
真功夫、真英雄!! (kazu)
2010-08-19 10:49:13
龍熱さま

ようやく観賞しました!
70年代テイストのオープニングといい、良い所で流れるテーマ曲といい《熱さ全開》ですね、龍熱者たちにとっては。

内容もノスタルジック&センチメンタルでクンフー映画ファンならずともいろんな層に観てもらいたい傑作だと感じました。

ラストの梁小龍のファイトには私も涙なみだでした!
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打擂台 (龍熱)
2010-08-20 00:14:59
kazuさん、

こんばんわ!
仰るように『打擂台』は本当に私たちに
とっては嬉しいティストの映画ですよね。
この映画を観て、私も久々に70年代香港
&台湾クンフー映画を観直してみようか?
と思いましたし、現在行っている特集の
次にでも何か企画してみようかと思って
います♪
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2導演が来日! (nancix)
2010-10-08 13:12:21
郭子健と鄭思傑が東京国際映画祭で来日決定ですよ!ぜひぜひインタビューを!熱き語りを!
10/23 13:30 『ギャランツ』Q&A
デレク・クォック(監督/脚本)、クレメント・チェン(監督/脚本)http://bit.ly/d6x54k
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情報多謝です! (龍熱)
2010-10-08 17:31:49
nancixさん、

こんばんわ!
おお、2導演来日決定ですかー!
それは凄いです。何時も情報あり
がとうございます。出来たら私も
色々とお訊きしてみたいですね♪
これは当日はマスト・ゴーです!
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