超級龍熱

香港功夫映画と共に

“地獄から来た女ドラゴン” の決死戦再び!嘉凌特別客串『追命人』

2010-01-17 12:27:45 | 作品レビュー
さて、先日チラッと触れました張曾澤導演、白鷹&梁修身主演『追命人』(79)なんですが、やっぱり気になって今週観てしまいました。ただ私の所有しているVHS(北京語&PAL仕様)が無字幕だった事もあって殆ど物語展開が把握出来なかったのが辛かったんですが(涙)、キャスト的には白鷹、嘉凌(拍手!)に加えて、後半では羅烈、岳華(1人だけ辮髪)など大物武打星が次々と顔を見せるのが嬉しかったですね。
あと個人的には張鵬の豪快な開脚から繰り出すそれは素晴らしい連続廻し蹴りにもひたすら感嘆してしまったんですが、この張鵬も日本では全く知られていないし、評価もされない人だよねえ(トホホ!)。
で、この『追命人』で私が最も印象に残ったのが映画の中盤で父親(葛香亭)を無残にも悪ボスに殺された娘の嘉凌がたった1人で悪ボスのアジトに乗り込んでいき、そこで嘉凌を待ち構えていた十数人の手下相手に文字通りの壮絶な報仇決戦に挑んでいくシーンなんです!!ここで「おお?この嘉凌の決死の闘いのシチュエーション、何処かで観たような?」と思ったそこの貴方!貴方は相当の“龍熱者”です!
そう、この『追命人』における嘉凌唯一にして最高の見せ場こそ、嘉凌生涯の代表作であるあの『地獄から来た女ドラゴン』(72)の怒涛の報仇決行シーンのモロ再現と言っても良い大乱戦シーンなんですね。
いきなり憤怒の表情で悪ボスのアジトに飛び込んで来た嘉凌は屋敷の奥に怨敵である悪ボスの姿を見つけると、両脇から飛びかかって来た手下を連続廻し蹴りで蹴散らし、一気に空中に「いやあああ!」と大回転ジャンプ!そのまま目の前にいた手下に開脚飛び蹴り!ここから嘉凌が自分に襲いかかる無数の手下たちをバッタ!バッタ!と打ち倒していくんですが、その闘いの合間にも絶えず嘉凌の矢のような視線は悪ボスに向けられている!(その姿はまさに馬素貞だ!)
ところがその嘉凌の一瞬の隙を突き、地面に倒れたと見せかけた手下(何と絡み時代の程天賜!)の短刀が真下から嘉凌の腹部を貫く!「あうう!?」思わず激痛に美しい顔を歪める嘉凌!さらに残忍な悪ボスの手下は2本の短刀を次々と嘉凌の脇腹に突き刺す!「ああ・・ぐううう!」瀕死の状態となり口から血反吐を吐きながらもヨロヨロと悪ボスに近寄った嘉凌は「グエッへへへ!」と憎々しげに勝ち誇った笑みを浮かべる悪ボスの足元に倒れると、その場で最後の力を振り絞り・・何と悪ボスの足首に「ガブブゥゥ!」と噛み付く!(こりゃ凄いわ・・)
「ぎゃああ!こ、この野郎!?」激痛に怒り狂った悪ボスは拳銃を取り出すと嘉凌の胸目掛けて「ガガーン!」と銃弾を浴びせる!トドメの銃弾を胸に浴びた嘉凌はそれでも悪ボスに射るような視線を向けますが、最後には「ぐぐ・・ぐうああああぁぁ!」と断末魔の喘ぎ声を挙げながらその場に崩れ落ちると「カッ!」と目を見開いたまま絶命!嗚呼、“地獄から来た女ドラゴン”ここに壮絶に散る・・!

“女李小龍”の異名で呼ばれた嘉凌は、あのアンジェラ・マオこと茅瑛と共に70年代を代表する女武打星として一時代を築いた人でした。その女ドラゴンと呼ぶには余りにも艶やかな美貌と共に嘉凌の残した数々の主演作品は永遠です。
数年前に女ドラゴンをフィーチャーした某ドキュメンタリーに収録された近況インタビューで昔と全く変わらない美しさを見せてくれた嘉凌ですが、是非国内でも伝説の傑作『地獄から来た女ドラゴン』を初めとする嘉凌主演作品のDVD化を熱望したいですね。で、嘉凌&馬素貞と来たら、やっぱり最後はこれで決めなきゃいかんでしょう?“我要報仇ォォォ!報仇ォォォ!”
コメント (2)
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