超級龍熱

香港功夫映画と共に

キネマ旬報社刊「中華電影データブック完全保存版」本日発売!

2010-01-26 00:28:32 | ニュース
さて、本日26日にキネマ旬報社さんから発売の「中華電影データブック完全保存版」がいよいよ店頭に並びます。
私も昨年執筆者の1人として約半年間に渡って執筆&校正作業に携わった本書ですが、思えば昨年香港パートの監修者である水田菜穂さんから依頼された今回の「~データブック」で私が担当する人物&作品のリストに目を通した際、その人物欄にブルース・リーことリーさんの名前があった事が本当に嬉しかったのと同時に、まさに身が引き締まるような思いでした。勿論私も今回の「~データブック」の「人物&スタッフ」では、ドニー兄貴こと甄子丹、王羽、茅瑛、元彪、劉家良、袁和平などに加えて、「作品」ではリーさん主演全5作、『片腕必殺剣』全シリーズや『大酔侠』などの邵氏公司作品、ジャッキーの初期作品群、そして『ワンチャイ』トリロジーや『方世玉』シリーズなど李連杰主演作といった様々な作品を担当させて頂きましたが、それでも私にとってリーさんの生涯を書き記すという事はやはり特別な事でした。
ただそうは言いながらも、私もこれまで各方面でそれこそ様々な形でリーさんの生涯を書き連ねて来た中で、毎回ある箇所に来るとどうしても自分の筆の勢いが鈍ると言うか、気持ちがダウンする箇所があるんです。
それがリーさんの生涯の最後の「リーは1973年7月20日に32歳で急逝・・」と書かなければならない箇所なんです。
私はこの部分だけは何度書いていても、僅か32歳という若さでこの世を去らなければならなかったリーさんの気持ちを思うと、本当に残念で、悲しくて、悔しい思いで一杯になってしまうんです。
今回のデータブックでもそれは同じで、私は前半は快調にリーさんの生涯を書きながら、その後半部分の「・・・脳浮腫により急逝。享年32歳・・」と書いた所でやはり一度筆を止めてしまいました。
でもその直後、ふと私は以前に拙著「龍熱大全」の中で自分が書いたある一文を思い出したんです。それが同書のエピローグ「新世紀救世主伝説~“闘神の翼”に触れた男たち」の後半部分で、リーさんの32年の生涯を私が“花の生涯”と書いた一文でした。“花の生涯”。そう、確かに32歳の生涯は余りにも短すぎるしリーさん自身も本当に無念だったと思います。
でもだからこそ、今回そのリーさんの生涯を沢山の読者の皆さんに書き記し伝える立場を頂いた私が悲しく沈んだ気持ちでいては駄目なんです。それこそリーさんの激動の人生を締めくくるフィナーレの部分を、文字通り“花”のように華やかに、美しく、綺麗に纏めてあげたい!そしてそれは正しく、偽りのない、それこそこの文章を読んだ誰もが共感し納得出来るような文章でなければならない、との厳粛な思いでした。
こうした強い思いで私が書き上げたのが今回の「~データブック」のリーさんの生涯に関する“ラスト5行”です。それは一般の映画ファンの方から見ると普通の事を普通に書いた文章と感じるかも知れません。でもこの“ラスト5行”を私と同じリー信者の方々、あるいは香港クンフー映画ファンの方々が読んで下さった時に、この“ラスト5行”で私、龍熱がどうしても訴えたかった事、書き記したかった事を理解し共感して頂けるとしたら、これほど嬉しい事はありません。
私自身、香港功夫映画評論家として、これまでも、そして今後も自分自身が“魂を込めた”文章を書くという機会はそうそうある事ではありません。ですが今回の「中華電影データブック完全保存版」における“李小龍”の項目は、まさに“魂を込めて”書かせて頂きました。

最後になりましたが、今回この「~データブック」に私が参加&執筆する機会を下さった香港パート監修者の水田菜穂さんに感謝致します。ありがとうございました。
またキネマ旬報社出版編集部の松本志代里さんに感謝致します。松本さんは昨年末に私が校正作業の追い込みなどで厳しい状況となった時にも、実に誠実に対応して頂き、本当に助かりました。ありがとうございました。
アジア映画のそれぞれのジャンルのエキスパートが結集して作り上げた「中華電影データブック完全保存版」、奇しくもその表紙も編集部&執筆陣の熱きモチベーションを表すかのような燃えるような赤色が目印です(拍手!)。
是非とも皆さんにもこの機会に一読して頂きたいと思います。

コメント (8)
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