本日で糖尿病性腎症の参耆地黄湯加減治療の最終講座とします。
( )内に随時私のコメントや印象を入れます。
それでは医案に進みましょう。
患者:劉某 71歳 女性
初診年月日:2005年4月22日
主訴:多飲、多尿15年
病歴:
糖尿病歴15年、陳旧性脳梗塞(脳梗塞後遺症)、現在インスリン治療中。空腹時血糖7.30mmol/L(131mg/dL)。血圧高、視物不清、言語不利。3月31日尿検査:尿蛋白2+、尿WBC15~20個/HP、扁平上皮細胞1~2個/HP。
初診時所見:
精神状態は健常人のようである。面色少華、表情自然、形体及びその他皆正常。言語不利、血圧高、視物不清。舌紅少苔、脈証細数。空腹時血糖7.30mmol/L。
4月13日検尿:尿蛋白3+、尿WBC10~15個/HP、扁平上皮細胞3~5個/HP。
弁証論治:
糖尿病が慢性化長期化すると肺脾腎の機能失調が生じ、久病は瘀血、痰濁、湿濁等病理産物を形成し、本病の病理転変となる。気虚により血液運行、推動が無力になれば血瘀となり、津液が耗消し布化が不能になると痰となり、痰と瘀が交阻するのが本病の変証である。この時、心、脳、腎、血管、網膜病変などを合併して、血圧升高、面色少華、視物不清、言語不利を見る。治療は益気補腎、活血祛瘀、清化痰濁が宜しい。
(以上のような理屈が簡単な中医学理論です。一般人は無視しても宜しいです。)
中医弁証:消渇(陰虚内熱)
西医診断:糖尿病性腎症
治法:益気補腎、活血化瘀
方薬:参耆地黄湯加減:
熟地黄25g 山茱萸20g 山薬20g 茯苓15g 牡丹皮15g 澤瀉15g 黄耆30g(益気) 太子参(益気生津)20g 水蛭(すいてつ ヒル 破血逐瘀)10g 桃仁15g 丹参15g 枸杞子20g 五味子((斂肺滋腎、生津斂汗、渋精止瀉、寧心安神、斂陰消蛋白)15g 玉竹(滋陰潤肺、生津養胃)15g 赤芍(清熱涼血、祛瘀止痛)15g 酸棗仁(養心安神 斂陰止汗)20g 遠志(おんじ 寧心安神、祛痰開竅)15g
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