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腎病と水腫論 漢方薬 3 「水気交阻には新方流気行水方」(腎病漢方治療410報)

2014-07-08 00:15:00 | 漢方市民講座

 

連続テレビ番組「三国志」も終わりました。経過中に感じたことは「なぜ各国がそれぞれ文武百官を要したか?」という疑問です。結論は、異文化、異言語、異民族の三国であったなら、文書外交、謀略宣伝、諜報活動などに異国の言語に通じる文官がどうしても必要であったのではないかということです。それぞれの国が、少なからず、他民族の外人部隊をかかえていたわけですから、自国でも意思の疎通すら困難ではなかったか。魏が滅び、宋が興り、外来民族による国家の興亡が繰り返され、「漢民族」などは一体何処に消えたのかとすら思い始めています。漢文は表意文字として残りましたが、現代の中華人民共和国で漢文の表意を理解できる人々は殆どいないでしょう。<o:p></o:p>

 

「黄帝内経」に曰く「上焦如霧、中焦如?、下焦如?」。「素問 霊蘭秘典」曰く、「三焦者决?之官、水道出焉」などを医学の根拠理論として中医が引用するのは、大いに無理があります。「上焦は霧のようであり、中焦は泡立つアブクのようであり、下焦は用水路の溝のごとくであり、三焦は下水道につながり水道は終わる」の如き引用からは、解釈の問題であり、医学的根拠にはほど遠い感じがします。(出目民族の異なるそれぞれの中医が以上の「漢文」を引用して)、三焦は人体の水液昇降出入の通道であり、もし三焦の気化効能が受阻され常を失えば、水道不暢で水液停蓄が生じ、脾胃不和により運化を失い、他には三焦気滞不通が生じ、(したがって)脘腹張満、四肢腫、気不下行、ゲップ(?气)や脇肋の張痛を併発し、小便不利、大便不通などの症候が出現する。(と中医は説明するのが常のようです)<o:p></o:p>

 

中医は一般に有識者としてみなされるようですが、それは「漢文」の表意を理解できるからであり、その数が限られているという意味です。(断言は出来ませんが、ほぼ間違いないことでしょう)<o:p></o:p>

 

尊敬する張琪氏にしても、恐らくは(漢民族ではなく)満州族の出であろうかと思います。<o:p></o:p>

 

本稿に入ります。具体的に日本語の口語調で解説します。<o:p></o:p>

 

慢性糸球体腎炎およびネフローゼ症候群を示す腎病で、お腹が腹水のために腫れ、腹部は張れていっぱいになった感じがして、手足は浮腫んで腫れあがり、わき腹には張ったような痛みがあり、小便の量が少なく、口や咽が渇き、嘔吐や嘔気で食べられない、顔は浮腫んで、大便は秘結して出ない、体は浮腫んで腫れ、皮膚の色は青っぽい、舌の苔は厚く白くべったりとしていて、やや黄色のこともある。脈象は沈滑であるが有力である。<o:p></o:p>

 

かかる症候の場合に、気滞水蓄の病と弁証し、水気同病、気滞即ち水積、水積即ち気鬱、気と水が互結して、三焦の運行を傷害する、故に上記の症候が現れる(と中医は考えます)。<o:p></o:p>

 

方用: 新方流気飲:効能:疏鬱利水(気滞を改善し利尿する):干晒参15g 白朮20g 茯苓20g 甘草10g 半夏15g 陳皮15g 公丁香10g 広木香7g 枳実15g 川厚朴15g 檳榔15g 香附子15g 草果仁10g 青皮15g 大黄10g 肉桂7g<o:p></o:p>

 

本方は木香流気飲を基礎にしているものです。人参から陳皮までは六君子湯;健脾胃除痰湿に作用し脾の運化を改善し;丁香 肉桂 草果仁は温振脾陽に、枳実 厚朴 檳榔 香附子 青皮 木香は疏鬱理気にて三焦の気化を通利させ、大黄は清瀉胃熱して湿濁を降ろします。甘遂(苦甘/寒 峻下逐水)を酢で炮制しやや黄色になったものを5~7gを加味すると、腹水の消失、大便の通利、小便の量の増加に有利に働くことがあります。<o:p></o:p>

 

具体的な治療例については以下の記事をご参照ください。<o:p></o:p>

 

ネフローゼ症候群:http://blog.goo.ne.jp/doctorkojin/d/20140126<o:p></o:p>

 

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2014年7月8日(火)<o:p></o:p>

 


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