■アニメ「武装錬金」---第17話「夜が明けたら」
「武藤カズキを、再殺せよ」---そんな「錬金戦団」の非常な命令の下、かつては共に戦う仲間であった、キャプテンブラボーの手によってトドメを刺された後に、海へと放り投げられたカズキ。
追って飛び込んだ斗貴子と、彼女を思って身を投じた剛太の足元で、斗貴子の叫びも虚しく、カズキは深い海の底へと沈んで行く---と言った所で幕を引いた前話に続き、今話の内容は原作におけるコミックス6巻収録・第52話「再殺完了」の一部+第53話「夜が明けたら」~7巻収録・第57話「逃避行開始(ランナウェイスタート)」までを描いているのですが、原作と比べると構成(流れ)が大きく変化してしまっている様で。
主だった変更点を挙げてみると、まず細かい所では、海の底に沈んだカズキを、斗貴子さんの為に(もう助からないと思っているから、そして後述の理由から)止む無く引き上げたのは剛太ではなく、斗貴子さん自身だった点。
この辺り、沈むカズキが無意識に”エネルギードレイン”を行った事実を前倒しして、人工呼吸云々を含む、一連の場面の尺を詰めた関係上、カズキを助ける為に、己の生命力を差し出そうとする斗貴子さんを止める剛太、その行動との一貫性を持たせる為なのかもしれませんが、前話のラストで崖から飛び込む際、キャプテンブラボーの蹴りを喰らい、相当のダメージがあるはずの脚で平然と泳いでいたのは、いくら核鉄の治癒力+カズキの為に必死とは言え、流石に矛盾があるのではないかと思われ;
シーンの取捨選択自体は仕方が無いですし、剛太の役を斗貴子さんが担うのも良いとしても、こうした辻褄の合わない事態だけは、出来る限り回避して欲しい所ですわ…。
これに続く、大きな変更点としてはふたつ。
ひとつはブラボーと、初登場となる戦士長・火渡の会話シーンに、本来はその場に絡んで来るはずの戦士・千歳が存在していない点。
彼女は、”キャプテンブラボー”こと防人衛(サキモリマモル)と火渡赤馬(ヒワタリセキマ)のふたりを繋ぐ”とある過去”を共有する存在であり、この場面で火渡の「(カズキを)なんで海に棄てた?」という問いに対して、ブラボーの本心を代弁する役割を持っていただけに、そんな千歳の不在は、ブラボーの本心を(あくまで原作未読者限定で)視聴者に読ませない為のアレンジなのか、或いはただ単に尺の都合で切られただけなのか。
大きな変更点のふたつ目は、剛太と火渡が接触した一連のシーンに関して。
原作では元々、このシーン自体はカズキと斗貴子さんが旅館の玄関にて、連れ立って海水浴に来ていた仲間達に別れを告げた場面に続いて、おそらくは剛太が海岸から姿を消した後の出来事として描かれていたものですけど、火渡との戦闘中に海に落下してから、「戦輪(チャクラム)の武装錬金『モーターギア』(シリアルナンバー:LⅤ<55>)」を足裏に装着した”マリンダイバーモード”にて海中を進んだ後に、旅立ったカズキたちと偶然に出会うまでのタイムスケールを、より分かり易く伝える為か、シーンの順序を逆転させるという構成の変更が見られた点。
原作のままの流れ(順番)では、確かに、炎上する車から上がる煙を”望遠鏡にて”視認しているとは言え、相当の距離があるはずなのに、シーンを連続させると近傍の様に錯覚させる恐れもありますし、これは巧い構成のアレンジとして評価出来るポイント。
しかし、それに対して、本来は火渡以下---二号・毒島、三号・戦部、四号・円山、五号・根来、六号・犬飼までの再殺部隊が顔を揃える(一号は千歳ですが、原作でも現場には不在)場面で、現れたのが戦部と根来の2人のみという、何とも寂しい状況になってしまったのは、一体どういう事かとスタッフを小一時間問い詰めたく(爆
特に、根来に出番(役割)を奪われてしまった毒島は、同じく出番は無かったものの、いずれカズキ達を強襲する犬飼や円山とは異なり、今後も(原作通りならば)戦闘に参加する機会が無いだけに、初登場が先延ばしされた千歳同様に、見せ場をひとつ失っただけで存在感の度合いが格段に下がってしまうと思うのですけれど。
毒島自身のサプライズが描かれる「アフター」自体が映像化されるかどうかも分からないですし、このアレンジ含めた、今話における構成の変更が今後、上手い方向に転がってくれる事を祈るばかりです;
ちなみに次回は、本来ならば犬飼・円山の奇襲となるはずが、早くも「パピヨン vs. 戦部」戦が描かれる様子で、場所と順番を変えた事が、一体どんな影響を及ぼすのか…早くも大きな不安と、僅かな期待が入り混じっている状況ですわ;
ところで、前話のエンドカードにて---「次回も腹黒ですが、何か?」(by 桜花)と予告された通り、今話内では原作とも同じく、桜花の”腹黒さを垣間見せた”パピヨンの駆け引きが存在していた訳ですが、今話のエンドカードではなんと---、
「次回は出番あり!!」(by秋水)
という、またしても予告めいたキャッチがw
しかも本来ならば、かなり先々の展開まで出番が無いはずの秋水が、なんと次回に登場するとの事で…流石に再殺部隊に参加しているとかの超展開は無いでしょうし、本隊に帰還したブラボーが、其処で”錬金の戦士”として修練を積む秋水と顔を会わせるといった、無難な内容にはなりそうですけど、其処で千歳も登場する可能性が高い…かな?
次回はこれについても、描き方によっては、色々と物議を呼びそうな気がしますよ;
ともあれ、構成面で色々と気になった今話ですけど---、
パピヨンのあの”変態仮面 蝶・素敵な水着”を、そのまま再現した事には、最大限の拍手を送りますw
◆武装錬金ドットコム>武装錬金RADIO #8配信開始
全8回に渡って放送されて来た「武装錬金RADIO」も、今回で一旦の最終回。
とは言え、まだ何らかの展開もある様子ですし、その内に場所を変えて「ぶそれんらじお」復活の日が来るかも?
◆劇伴(CD)の武装錬金:「武装錬金 ORIGINAL SOUNDTRACK」<作曲:田中公平>
資金的な都合で、DVD1巻の購入は見送りましたが、このサントラだけはしっかりと確保完了。
アニメ本編もそうですが、「ぶそれんらじお」内でのBGMとしての印象も強く、曲によってはパーソナリティ御二人のタイトルコールが連想されてしまうものもw
楽曲の出来に関しては、最早語るまでもなく高いクオリティで、暫くはヘビーローテーションで聴き続ける事になりそうですけど、ブックレットに掲載されている田中御大へのインタビューを読むに、製作現場の熱意がそのまま、楽曲製作にも良い影響を及ぼしたと言うのを見て、本当に「武装錬金」というアニメは恵まれた、そして愛されている作品だからこそ、こうして評価される作品になっているのかなと、今更ながらに思った次第w
…そして願わくば、その愛が、最後まで歪まずに持続される事を切に望みます。
「武藤カズキを、再殺せよ」---そんな「錬金戦団」の非常な命令の下、かつては共に戦う仲間であった、キャプテンブラボーの手によってトドメを刺された後に、海へと放り投げられたカズキ。
追って飛び込んだ斗貴子と、彼女を思って身を投じた剛太の足元で、斗貴子の叫びも虚しく、カズキは深い海の底へと沈んで行く---と言った所で幕を引いた前話に続き、今話の内容は原作におけるコミックス6巻収録・第52話「再殺完了」の一部+第53話「夜が明けたら」~7巻収録・第57話「逃避行開始(ランナウェイスタート)」までを描いているのですが、原作と比べると構成(流れ)が大きく変化してしまっている様で。
主だった変更点を挙げてみると、まず細かい所では、海の底に沈んだカズキを、斗貴子さんの為に(もう助からないと思っているから、そして後述の理由から)止む無く引き上げたのは剛太ではなく、斗貴子さん自身だった点。
この辺り、沈むカズキが無意識に”エネルギードレイン”を行った事実を前倒しして、人工呼吸云々を含む、一連の場面の尺を詰めた関係上、カズキを助ける為に、己の生命力を差し出そうとする斗貴子さんを止める剛太、その行動との一貫性を持たせる為なのかもしれませんが、前話のラストで崖から飛び込む際、キャプテンブラボーの蹴りを喰らい、相当のダメージがあるはずの脚で平然と泳いでいたのは、いくら核鉄の治癒力+カズキの為に必死とは言え、流石に矛盾があるのではないかと思われ;
シーンの取捨選択自体は仕方が無いですし、剛太の役を斗貴子さんが担うのも良いとしても、こうした辻褄の合わない事態だけは、出来る限り回避して欲しい所ですわ…。
これに続く、大きな変更点としてはふたつ。
ひとつはブラボーと、初登場となる戦士長・火渡の会話シーンに、本来はその場に絡んで来るはずの戦士・千歳が存在していない点。
彼女は、”キャプテンブラボー”こと防人衛(サキモリマモル)と火渡赤馬(ヒワタリセキマ)のふたりを繋ぐ”とある過去”を共有する存在であり、この場面で火渡の「(カズキを)なんで海に棄てた?」という問いに対して、ブラボーの本心を代弁する役割を持っていただけに、そんな千歳の不在は、ブラボーの本心を(あくまで原作未読者限定で)視聴者に読ませない為のアレンジなのか、或いはただ単に尺の都合で切られただけなのか。
大きな変更点のふたつ目は、剛太と火渡が接触した一連のシーンに関して。
原作では元々、このシーン自体はカズキと斗貴子さんが旅館の玄関にて、連れ立って海水浴に来ていた仲間達に別れを告げた場面に続いて、おそらくは剛太が海岸から姿を消した後の出来事として描かれていたものですけど、火渡との戦闘中に海に落下してから、「戦輪(チャクラム)の武装錬金『モーターギア』(シリアルナンバー:LⅤ<55>)」を足裏に装着した”マリンダイバーモード”にて海中を進んだ後に、旅立ったカズキたちと偶然に出会うまでのタイムスケールを、より分かり易く伝える為か、シーンの順序を逆転させるという構成の変更が見られた点。
原作のままの流れ(順番)では、確かに、炎上する車から上がる煙を”望遠鏡にて”視認しているとは言え、相当の距離があるはずなのに、シーンを連続させると近傍の様に錯覚させる恐れもありますし、これは巧い構成のアレンジとして評価出来るポイント。
しかし、それに対して、本来は火渡以下---二号・毒島、三号・戦部、四号・円山、五号・根来、六号・犬飼までの再殺部隊が顔を揃える(一号は千歳ですが、原作でも現場には不在)場面で、現れたのが戦部と根来の2人のみという、何とも寂しい状況になってしまったのは、一体どういう事かとスタッフを小一時間問い詰めたく(爆
特に、根来に出番(役割)を奪われてしまった毒島は、同じく出番は無かったものの、いずれカズキ達を強襲する犬飼や円山とは異なり、今後も(原作通りならば)戦闘に参加する機会が無いだけに、初登場が先延ばしされた千歳同様に、見せ場をひとつ失っただけで存在感の度合いが格段に下がってしまうと思うのですけれど。
毒島自身のサプライズが描かれる「アフター」自体が映像化されるかどうかも分からないですし、このアレンジ含めた、今話における構成の変更が今後、上手い方向に転がってくれる事を祈るばかりです;
ちなみに次回は、本来ならば犬飼・円山の奇襲となるはずが、早くも「パピヨン vs. 戦部」戦が描かれる様子で、場所と順番を変えた事が、一体どんな影響を及ぼすのか…早くも大きな不安と、僅かな期待が入り混じっている状況ですわ;
ところで、前話のエンドカードにて---「次回も腹黒ですが、何か?」(by 桜花)と予告された通り、今話内では原作とも同じく、桜花の”腹黒さを垣間見せた”パピヨンの駆け引きが存在していた訳ですが、今話のエンドカードではなんと---、
「次回は出番あり!!」(by秋水)
という、またしても予告めいたキャッチがw
しかも本来ならば、かなり先々の展開まで出番が無いはずの秋水が、なんと次回に登場するとの事で…流石に再殺部隊に参加しているとかの超展開は無いでしょうし、本隊に帰還したブラボーが、其処で”錬金の戦士”として修練を積む秋水と顔を会わせるといった、無難な内容にはなりそうですけど、其処で千歳も登場する可能性が高い…かな?
次回はこれについても、描き方によっては、色々と物議を呼びそうな気がしますよ;
ともあれ、構成面で色々と気になった今話ですけど---、
パピヨンのあの”
◆武装錬金ドットコム>武装錬金RADIO #8配信開始
全8回に渡って放送されて来た「武装錬金RADIO」も、今回で一旦の最終回。
とは言え、まだ何らかの展開もある様子ですし、その内に場所を変えて「ぶそれんらじお」復活の日が来るかも?
◆劇伴(CD)の武装錬金:「武装錬金 ORIGINAL SOUNDTRACK」<作曲:田中公平>
資金的な都合で、DVD1巻の購入は見送りましたが、このサントラだけはしっかりと確保完了。
アニメ本編もそうですが、「ぶそれんらじお」内でのBGMとしての印象も強く、曲によってはパーソナリティ御二人のタイトルコールが連想されてしまうものもw
楽曲の出来に関しては、最早語るまでもなく高いクオリティで、暫くはヘビーローテーションで聴き続ける事になりそうですけど、ブックレットに掲載されている田中御大へのインタビューを読むに、製作現場の熱意がそのまま、楽曲製作にも良い影響を及ぼしたと言うのを見て、本当に「武装錬金」というアニメは恵まれた、そして愛されている作品だからこそ、こうして評価される作品になっているのかなと、今更ながらに思った次第w
…そして願わくば、その愛が、最後まで歪まずに持続される事を切に望みます。