三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

無線機の冷却ファンの騒音を低減すること

2024-04-18 10:50:28 | 日記
IC-706MKIIGSという無線機があります。IC-706MK2GSとも表記されます。II(=2)の文字の取り扱いに難点があるからです。
この無線機は 1.8MHz から 430MHz までのアマチュアバンドをすべてカバーし,筐体が小さいのでなかなか重宝します。ただし,小さいがために熱がこもり,これがために冷却ファンが内蔵されています。そのファンが回転するとものすごくうるさいのです。その騒音が嫌になって一度手放したことがあります。


このたびファンの騒音を消すためにファンの電源コネクタを引き抜いて使っていました。すると,単に無線機の電源を入れただけの状態で長時間放置すると送信できなくなりました。送信ボタンを押すと全体がシャットダウンしてしまうのです。これは内部が過熱状態になったため保護回路が働いたに違いありません。

そこで,ファンそのものを撤去しました。こうすると内部に空間ができて通気・冷却に効果があると期待されたからです。
それでも筐体の天板を触ったらかなり熱くなります。放射温度計で測ったら36℃でした。そのときの室温が23℃だったので温度上昇分は
36-23=13〔℃〕
となります。これは筐体の外側の温度ですので当然内部はもっと高いはずです。

そこで,つぎの一手としてファンを元に戻して印加電圧を落としてやろうと考えました。電圧を下げて回転数を落とし,それによって風切り音の低減をはかるものです。その代わり常時回転させます。経験ではわずかな風さえ通れば温度上昇は格段に減ります。
事前の実験では定格電圧13.8V(?)に対して約半分の6V程度まで下げれば騒音はかなり減ることがわかりました。回路としては簡単に直列に抵抗を挿入します。インターネットで調べたらその抵抗値は200Ωがよいとのことでしたが,わたしが実験すると200Ωでは回転しませんでした。

問題は電源をどこから取るか?です。下の写真にファン周辺の初期状態を示します。

写真中央左側の大きな楕円で囲んだところがファンです。その右上(下向き矢印)にファンの電源コネクタがあります。
で,電源をどこから取るかですが,インターネットの情報では写真中央右側の上向き矢印の先にあるコイル(L613)の裸巻き線から+(13.8V)が得られるとのこと。わたしなりに周辺を物色しましたが,このコイルが一番いいようです。
では,ーは? プリント基板上の銅箔を眺めましたが,なかなか適当なランドが見つかりません。そこで思いついたのがプリント基板の固定ねじ。上の写真の左向き矢印の先です。これにしました。

さて,具体的にどうやってつなぐか?できるだけ原型は壊したくない。つまり,いつでも初期状態に戻せるようにしておくのです。中継コネクタが一番いいのですが,肝心のコネクタの手持ちがありません。
そこで思いついたのはファンから出ているリード線のコネクタ付近の被覆を少しだけはがしてそこではんだ付けするのです。ー側はM3用圧着端子に100Ω1Wの抵抗器をつないで,その反対側にファンからのー側リード線をはんだ付けしました。

うまく行きました。

右向き矢印の先端に+極(コイル)が,上向き矢印の先端に100Ωの抵抗器が見えます。また,右端には使われなくなったコネクタ(円の中)が宙に浮いています。

組み戻して電源を投入し,2時間以上経過したときの筐体の天板の温度は27℃でした。そのときの周囲温度(室温)は20度でしたので温度上昇分は
27-20=7〔℃〕
です。効果は歴然としています。
気になる騒音ですが,期待したレベルよりやや高い感じです。それでも初期状態のヴオーという騒音に比べたら大きな違いがあります。取り敢えずこれでガマンガマン。
以上