三昧日記

小心者川筋男の後悔日誌

尾張時計をニコイチ

2021-02-07 09:08:59 | 日記
知人から振り子時計を2台いただきました。2台は同一仕様です。文
字盤には OWARITOKEI と表示されています。尾張時計でしょう。
1台は奇麗な外観でもう1台は風防枠が壊れています。また,いずれ
も振り子とねじ巻きがありません。

綺麗な方を壁にかけ,他の柱時計から振り子を拝借して動かしてみま
した。(家が狭いので玄関口での作業です。)

コチコチという音がしません。また,ほどなく振り子も静止してしま
いました。
さっそく修理開始。
この時計の風防は上に開くのですね。(通常は右開きです。)

なるほど,この方法だと蝶番に変な力が加わらないので傷みにくいの
でしょう。ただし,ねじを巻いたり,時刻を合わせたりするとき片手
で風防を支えていなければならず,操作性にやや難点があります。
2本の指針と文字盤をはずしました。

右側のゼンマイが切れています。左側のゼンマイは逆転防止のツメ
(と言うのでしょうか?)が外れています。だから巻いてもすぐ戻っ
てしまい,巻けません。
ムーブメントをよく見ると歯車が1つ大きく変形しています。

上の写真でお分かりいただけると思います。
ここに来て,なぜ2台ともねじ巻きと振り子がないのか合点がいきま
した。前の持ち主あるいは修理人はあまりにも損傷が大きいので修理
を断念したのでしょう。そして,再利用できる振り子とねじまきを取
ったのだと思います。つまり,いただいた時計は「ごみ」でした。

もう1台も左のゼンマイの逆転防止のツメが外れていました。しかし,
右側のゼンマイは健全。このほかにはムーブメントには傷みは見られ
ません。ツメのほうはラジオペンチで整形してハメ戻しました。何と
か使えそうです。

そこで,ニコイチ。2個で1個を作り上げます。
ムーブメントを移植して,振り子は自作。

実はこの振り子,ご覧のとおりメダルです。先年リサイクルショップ
で見つけ,振り子に使えそうだと思って買っておいたものです。よう
やく日の目をみました。
数日かけて振り子の長さを調節しました。
もうよかろうということで文字盤を取り付け。

快い音を奏でて元気よく働いています。

尾張時計というのは明治時代に創業され,現在は尾張精機という社名
で存続しているようです。ただし,時計は1960年代の初め頃にやめた
とのこと。
愛知県あたりは昔時計産業が盛んだったようですね。上の写真の右側
に掛かっている柱時計は愛知時計製です。これは60日稼働という優れ
ものです。ゼンマイ式掛け時計の最終形ではないでしょうか?

また時計が増えてしまった。
以上