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つながり読書87 「サラバ!」 西加奈子

2016-07-09 15:27:04 | ヨムヨム ネタバレチュウイ!!!


又吉直樹が「火花」を書く前に読んだのが「サラバ!」というつながり。

直木賞受賞作品。


まず・・・手元に置いときたい、と思う本である。

うまく表現できないが、私の心から何かを求めて生えている手を

ぎゅっと握ってもらった感じがした。


全体的にその色、におい、温度、表情が見えてくる場面が多い。


エジプトの家、歩の母の美しさ、父の変な落ち着き、奇妙な姉、その姉に「ご神木」

というあだ名をつけてしまうその年ごろの女の子の意地悪さ、姉の部屋の壁に彫られた

巻き貝、ヤコブの瞳の美しさ、姉と母の関係復活に対するいら立ち・・・


そして「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ」という

姉の言葉。


歩がおかしいだろ?だれがどーみたっておかしいだろ?とおそらく

思っていたであろう姉に言われた、この言葉が、彼の心に引っかかってうずうず

するのが想像できる。


そしてヤコブとの再会。

子供だった彼らが何か特別なものでつながれていた感覚、を

歩は喪失したように感じたのだと思う。

「信じる」という言葉の意味、実体みたいなものをつかみかけて物語は終わる。


ああ早く手元に置きたい。

なめるようにもう一度読みたい。















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