川つながりのように思えるタイトルで選んだものの、内容は川とは無関係。
「流れる」の捉え方はそれぞれだと思うが、自分ではどうにもできない流れの中で
人と人がぶつかり合いながら生きてる様を描きたかったのかな、と私は思う。
もう少し突っ込めば、そのぶつかり合いが玄人と素人の世界でどんなに違うものか、
という視点を持っている。
こういうのをウィットに富んだ文章というのだろうか。
推測を重ねたのちにフッと笑えたりして、読みごたえあり。
芸姑の世界を鋭く見つめる家政婦、梨花が主人公。
彼女の素性は明らかにされていないが、
私は家政婦以前にこんな女性、あまり仲良くなりたくない。
玄人でもなけりゃ、普通の奥さんでもない、と
物語中で梨花が値踏みされてる場面があるが、それは彼女の持つ
賢さ、冷やっとするようなところがそう思わせるのだと妙に納得。
再読したらまた新しい発見ができそうな気がする。