古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第九章 将軍家茂公の串本上陸・その二十三

2012年01月06日 10時13分00秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

一日休ませて頂きました。

家茂公第九ページ(上の写真の一~二ページ)

解読    談置之品有之由ニ而委細村役人共江

      申聞有之儀ニ付、此度御下ケ銀之儀者

読み方  談じ置きの品、これ有る由にて、委細村役人共へ

     申し聞かせこれ有る儀に付き、この度お下げ銀の儀は

解説   「談じ置きの品」・・・話して置いた事情。 「品」は品物ではなくて、事情・状態の事。 「有之由ニ而」・・・これ有る由にて。話して置いた事情が有るので。「有之」も難しいですが、次行にも出ています。 「委細村役人共江」・・・詳細は村の役人達へ。 


第九章 将軍家茂公の串本上陸・その二十二

2012年01月04日 09時52分23秒 | 古文書の初歩

 

 

家茂公第八ページ(上の写真の五行目六行目)

解読    付而者右御入用向之儀者、御前御詰役

      田中亀五郎殿より郡方元〆瀧万之丞江

読み方  付いては、右御入用向きの儀は、御前お詰め役

     田中亀五郎殿より郡方元締め・瀧万次郎へ

解説  「付而者」・・・ついては。「而」は「て」と読みます。 「者」は変体仮名「は」。 「右御入用向之儀」・・・公方様蓮生寺で一休みするために必要なものについては。 「御前御詰役」・・・公方様の近くへお詰めする役人。「御前」は読み取り困難、その次の「御詰役」も読み取り困難です。 「亀五郎殿」・・・「亀」はこの様な崩しになります。 「殿」もよく出る字です。形で覚えましょう。 「より」・・・合成字。 「郡方元〆」・・・地元役人の元締め・責任者。「〆」は締めの意、略字です。 「江」は「へ」。  写真は不鮮明で、且つ教材が難しいので、理解困難な箇所も多々有りますが、辛抱して慣れて下さい。いつか豁然と見えてくる日を信じて。


 


第九章 将軍家茂公の串本上陸・その二十一

2012年01月03日 09時36分22秒 | 古文書の初歩

 

 

家茂公第八ページ(上の写真の三行目四行目)

解読    被仰付何蓮も手宛仕候始末、委細

      出在之在方役人中取扱候筋ニ有之

読み方   『宿割』仰せ付けられ、何れも手宛て仕り候始末、委細

      出在の在方役人じゅう取り扱い候筋にこれ有り

解説  「被仰付」・・・仰せ付けられ。 「何連も」・・・何れも。「連」は「れ」の変体仮名です。 「手宛」・・・手配。用意。 「始末」・・・しまつ。顛末。事の成り行き。 「出在」・・・村から出た。狩り出された。 「在方役人中」・・・村の役人連中。つまり庄屋・肝煎りなど。


第九章 将軍家茂公の串本上陸・その二十

2012年01月02日 09時43分39秒 | 古文書の初歩

 

 

新年おめでとう御座います。今年も宜しくお願い申し上げます。閲覧して戴いている皆様のご健勝を祈り上げます。今年も頑張りましょう。このブログは前日に作成しているため、私の都合では今日が平成二十四年一月一日になります。

家茂公第八ページ(上の写真の一行目~二行目)

解読    松平圭三郎殿、御徒目付渡辺周次郎殿

      其外御小人目付中、上陸之上夫々御宿割

読み方   松平圭三郎殿、御徒『おかち』目付『めつけ』渡辺周次郎殿

  其外御小人『おこびと』目付中『めつけじゅう』、上陸のうえそれぞれお宿割り

解説    「圭三郎」の「圭」は金へんですが、我がパソコンでは金扁の「圭」は出ませんので悪しからずご了解下さい。 「御徒目付」・・・目付の下の職位で、警護などの役をする役人。かちめつけ。つまり渡辺周次郎は御目付松平氏の指揮下に入ります。 「小人目付」・・・「こびとめつけ」。目付の指揮下に入り、探偵等の役割をした役人。この場合は目付出張時の随行役。 つまり殿様の上洛に際し、先行して宿割りなど庶務的な仕事をした役人が「目付」と言われる役職です。御目付松平圭三郎ー御徒目付渡辺周次郎ー御小人目付一同が先行して上陸宿割り等庶務的な仕事をした。


第九章 将軍家茂公の串本上陸・その十九

2012年01月01日 10時50分29秒 | 古文書の初歩

 

 

家茂公第七ページ(上の写真の最後の二行)

解読    御小休被為遊候節、御入用筋ニ而最初

      順動丸御舩御乗組御目付

読み方  ご小休遊ばせられ候節、御入用筋にて、最初

       順動丸御舩お乗り組みお目付

解説  (蓮生寺にて)「御小休」・・・一休み。 「被為遊」・・・遊ばせられ。 「御入用筋」・・・蓮生寺で一休みなされた際に要した費用。 「最初」・・・「最」は異体字で、ウかんむりに「取」と書いています。これも形で覚える崩しです。 「順動丸」・・・幕府の軍艦の名前。公方様の乗った軍艦の先駆け船として、先に入港しました。 「御目付」・・・先乗りの幕府役人で、本来は監察官のような役目の武士ですが、この場合は先乗りの庶務役の仕事をした人だと思われます。