古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十章 地震・津浪乃記・その二

2012年01月29日 09時16分28秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

地震津浪乃記第一ページ(上の写真の一行目から二行目)

解読    地震津浪の略記

    嘉永七甲寅年六月十四日夜地震、能寐入たるものも

読み方   地震・津浪の略記

    嘉永七甲寅『きのえとら』年六月十四日夜地震、能く寝入りたるものも

解説  「津浪」の「津」の崩しが難しいです。 「略」の旁も難解ですが、文意で何とか読めます。 嘉永七年は一八五四年。この年の十一月に改元して、安政となります。現在では安政の大地震と呼んでいます。 「十四日夜」・・・「夜」が難しいです。形で覚える字です。 「能」・・・能く『よく』。 「寐入」・・・漢和辞典によると、ねいる・まどろむの時はこの「寐」を使い、床につく・やすむの時は「寝」を使うとあります。現在はほとんど区別なく「寝」を使っています。 「堂るも乃毛」・・・「堂」は「た」の変体仮名、「乃」は「の」の変体仮名、「毛」は「も」の変体仮名です。「たるものも」と読みます。 古文書も書く人によって、やさしいのも、難しいのも色々有る事がこの文書で分かります。