古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第九章 将軍家茂公の串本上陸・その二十七

2012年01月10日 09時13分22秒 | 古文書の初歩

 

家茂公第十ページ(上の写真の署名欄と宛名欄)

解読            橋爪 周輔

       子正月廿五日

         村上助右衛門様

         松嶋杢之助様

読み方           橋爪 しゅうすけ

       ね正月二十五日

         村上すけえもん様

         松嶋もく之助様

解説   「橋爪周輔」は古座組大庄屋です。 「子」・・・十二支の一つ「ね」。「子」はネズミ。十二支は、『子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥』すなわち、ね・うし・とら・う・たつ・み・うま・ひつじ・さる・とり・いぬ・い、と読みます。現代と違って、時代のテンポがゆっくりしていますから、十二年に一度まわって来る十二支だけでも、年は分かったのです。更に精度を高めるには、『甲乙丙丁戊己庚辛壬癸』の十干と十二支を組み合わせて、六十年に一度まわって来る年の表し方、たとえば甲子・辛亥・戊申などの表示も使われます。本文の場合は『甲子』と表示する方がより正確になります。文久四年=改元して元治元年、一八六四年の事でした。 「村上助右衛門」と「松嶋杢之助」は何れも周参見代官所の代官の名前です。