古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第十章 地震津浪乃記・その三

2012年01月30日 09時14分03秒 | 古文書の初歩

 

 

 

 

地震津浪の記第一ページ(上の写真の三行目四行目)

解読    驚きて外へにげ出す程の事也。されども当辺ハ家宅

       其外破損無し。皆無事なり。三輪崎、新宮辺より下モ筋ハ

読み方  驚きて外へ逃げ出す程の事なり。されども当辺は家宅

      其の外破損無し。皆無事なり。三輪崎、新宮辺『あたり』より下も筋は

解説  「驚き天」・・・「天」は変体仮名で「て」。 「尓げ出春」・・・「尓」は変体仮名の「に」、「春」は変体仮名の「す」。逃げ出す。 「事」の次は「也」の崩し字です。形で覚える。 「さ連ども」・・・「連」は「れ」の変体仮名。 「無事奈り」・・・「奈」は変体仮名の「な」。 三輪崎は新宮市の南に位置し、現在は新宮市三輪崎となっています。  「下モ筋」・・・京都へ向かう方角が上り、上ミ筋で、江戸方面は下りで、下モ筋と言います。古文書では送り仮名は附しませんが、「上」「下」など送り仮名で読み方が異なる場合はこの様に送り仮名を附けます。新宮から下も筋とは、現在の三重県方面を指します。 この文書の特徴は、変体仮名が特に多い事です。変体仮名の勉強に最適の教材と言えます。