古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第七章 異国舩騒動・その一

2011年09月24日 10時15分00秒 | 古文書の初歩

異国舩騒動第一ページ【表紙】

解読

寛政二年戌八月

戌八月十四日古座組水崎沖ニ異形之

舩相見へ候との儀ニ付、御状来状留

           尾鷲組

            大庄屋元

読み方

寛政二年戌(いぬ)八月

戌八月十四日、古座組水崎(みさき)沖に異形の

船相見え候との儀に付き、御状・来状留(とめ)

           尾鷲組

             大庄屋元

解説 寛政二年は、一七九0年で今から二二一年前になります。 古座組水崎沖・・・水崎は(みさき)と読み、現在の潮岬の事をこのように書きました。但しこの文書は、尾鷲組のもので、遠く離れた口熊野地方の事はあまり理解出来ていなくて、「水崎」は実際は古座組の西隣の「江田組」に属しています。 「異形之」・・・変わった形の。「異」の異体字は、己の下に大と書きます。 「舩」・・・船の異体字。 「御状」は分かりますが、その下の「来状」はちょっと読めません。 一番下の字は「留」で記録・控え。 「尾鷲組」・・・江戸時代は、尾鷲地区までが紀州藩の領地でした。和歌山(若山)との距離が遠い為、有る程度独立の権限が与えられていたとの事です。