古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第六章 鯨方一条・その二十九

2011年09月14日 10時04分15秒 | 古文書の初歩

 

 

 

鯨方一条第十二ページ(上の写真の五行目から)

解読

且同人厚行届御世話被成下候ニ付ケ成ニ

取続罷在候得共在々内手不案内之御

方ニ而者小前末々迄も難儀可仕与奉存候且□□

読み方

且つ、同人厚く行き届き、お世話成し下され候に付き、かなりに

取り続き罷り在り候えども、在々内手不案内の御

方にては、小前末々迄も難儀仕るべきと存じ奉り候。且つ□□

解説 「且」・・・一番上の字は「且つ」です。 「厚行届」・・・厚く行き届き。「行」の崩し方に注意。 「被成下候」・・・お世話の次はケに見えますが「「被」の崩しです。「下」の点は「候」です。その下「付」の上の点は「ニ」です。 「ケ成ニ」・・・かなりに。 「取続」・・・取り続き、何とか生活出来ている様子。 「罷在」・・・罷りは在りの強調語。 「候得共」・・・上から伸びてきた線のような字が候で、「そうらえども」と読みます。 「在々内手」・・・村々の内情。 「御方ニ而者」・・・お方にては。 「小前末々迄も」・・・平百姓の末端までも。 「可仕与」・・・仕るべきと。「与」は変体仮名で「と」。 「奉存候」・・・「奉」は読めませんが、文相の流れから、「存じ奉り候」となります。 且つの下は読めません。