古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第六章 鯨方一条・その三十三

2011年09月18日 08時15分34秒 | 古文書の初歩

 

第十四ページ(上の写真の三行目から)

解読

仕合ニ奉存候不奉顧恐も此段幾重ニも

奉願上候乍恐連印内存書付奉差上候

以上

読み方

仕合わせに存じ奉り候。恐れをも顧(かえり)み奉らず、この段幾重にも

願い上げ奉り候。恐れながら連印内存書き付け差し上げ奉り候。

以上

解説 「仕合ニ」・・・幸せに。 「不奉顧恐」・・・下から返って「恐れをも顧み奉らず」。 「顧」・・・かえりみる。 「恐も」・・・おそれをも。 「此段」・・・この段。 「幾重ニも」・・・いくえにも。 四行目一番上の字は読めませんが、「奉」で願い上げ奉り候。 「乍恐」・・・恐れながら。 「連印」・・・印章を並べて捺印する。 「内存」・・・私どもの考え。思っている事。 「書付」・・・「存」の下の「之」のような「土」のような崩し字は、「書」です。ここに出ている「書」は極端なくずし方と言えます。 「書付」の右下に、「奉」が有り、次は「差し上げ」で、最後に付け足したような「候」が有ります。

文意 大変恐れ多い事もかえりみず、庄屋についての陳情の件、幾重にもお願い申し上げます。恐れながら、村々役員署名捺印の上、一同の考えている事を文書にして、差し上げ奉ります。