古文書に親しむ

古文書の初歩の学習

第六章 鯨方一条・その二十二

2011年09月07日 09時59分34秒 | 古文書の初歩

 

 

 

鯨方一条第十ページはじめから

解読

   乍恐内存奉願上口上

口熊野古座浦鯨方得漁之度々

同浦商人共不正之入札除銀積置

読み方

   恐れながら内存(ないぞん)願い上げ奉る口上

口熊野古座浦鯨方、得漁(とくりょう)の度々

同浦商人ども、不正の入札、除銀(じょぎん)積み置き

解説 「乍恐」・・・下から返って「恐れながら」と読む。 「内存」・・・お考え。ご一考。大庄屋の処分につき、お考え(再考)お願い出来ないかと言う、下の者からの嘆願書。 「口上」・・・口上書。口頭で言う内容を文書にしたもの。 「口熊野」・・・紀伊半島南部、江戸時代における、周参見組・江田組・古座組・三尾川組・四番組の五つの組を言う。古座浦は、古座組の中の一浦で大庄屋の居る浦。 「鯨方」・・・鯨漁を職業とする漁師集団。古座鯨方は和歌山藩の官営鯨漁であった。 「得漁」・・・漁を得た時。鯨を捕獲した漁が有った時。「漁」の異体字は、田の下が「大」となっています。 「除銀積置」・・・銀(お金)を脇に除けて蓄えて置く事。