勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

五月のバラ

2011-05-01 02:31:17 | Weblog

 時は五月、風香る季節である。「五月 この僕が帰る まばゆい 五月」と歌う「五月のバラ」という歌がある。ここでは尾崎紀世彦さんの歌を紹介するが、多くの歌い手さんが歌っている、別れを歌った切ない歌である。

 
 わが家のベランダの「ナニワノイバラ」が、大きく育っていくつもの花を咲かせた。窓辺を飾るこのバラは硬い棘が多く、時々不用意な僕の手を刺す。


 うつくしい花には棘がある。うつくしい自然も牙を剥く時がある。そして、どんなに時が流れ過ぎても忘れられないことがある。愛する人を失い、住む家は壊れ、生活のすべてを奪われて、むせび泣き、忍び泣き、すすり泣き、号泣し、慟哭し、人はどれほど涙を流したことだろう。


忘れないで 忘れないで
時は流れ過ぎても
むせび泣いて むせび泣いて
別れる君と僕のために

 人の心に、百万本のバラが咲き、バラが咲いたと喜んで、バラ色の人生が訪れ、酒とバラの日々にはならずとも、庭の片隅に咲く野ばらのように、君は薔薇より美しいといわれる日が来ることを、五月のバラに託そう。東北地方にまばゆい五月が訪れることを祈りながら。