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勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

あの暑い夏の日

2006-08-06 23:39:08 | Weblog
 日本が戦争に巻き込まれる危険性があると感じている人が急増している。
内閣府の調査によると、'94年は19.2%だったのに今年2月は45.0%だった。

 60ヵ国できいた世界価値観調査2000では、「もし戦争が起きたら国のために戦うか」の設問に、「はい」と答えた率は日本が最低。下から2番目のドイツの半分以下だった。(朝日新聞から)


 1945年、終戦の年、僕は2歳を迎えていた。東京を去り、父の実家の埼玉で終戦を迎えたが、姉達は学童疎開をしたり、東京に残った姉もいたが、空襲の夜、東京の空が真っ赤に燃えるのを見た母は、就業していて一人東京に残した姉を心配し、「何かあったら一生恨むから」と父に言ったそうだ。

 2歳の僕は、広島や長崎に原爆が落とされたのも、8月15日の玉音放送も知る由もない。
戦後のもののない時代に、裕福ではないが自然の中で育った僕は、少年の頃の思い出は今も心に残る。


左から、弟の金髪、末の弟、僕、姪

 春風になびく麦の穂。夏の蝉時雨、蚊帳の中に放った蛍の光、口を真っ赤にして食べた桑の実。秋の空に群れる赤とんぼ、西の空を茜色に染める夕焼け。父に叱られて、降りしきる雪の中を泣きながら裸足で歩いた冬の日。
どれもが懐かしく思い出される。
昔を語り、懐かしむことは年寄りの証拠でもあろうか。


 文明の発達は日進月歩、年寄りがついていくには追いつかないほどの進歩である。しかし太古の昔から争いごとは絶えない。今もどこかで戦争が行われている。文明は驚くほどの進歩を遂げるのに、人間の心は何故に進歩がないのだろうか。


 敗戦で不戦を誓った日本、「国のために戦うか」の問いに「はい」と答えた率が最低という結果を「情けない」という必要はないと思う。
と朝日新聞は結んでいる。
2006.08.06