蒲生の海岸公園はどうなっているだろう。
閖上大橋は通行止めなので、4号線まで戻る。
海岸公園には野球場とテニスコートがあり、よく利用させてもらっていた。
4号線から蒲生へ曲がる。
海から4km地点で既に漂流物がある。
海から3km地点には船。
ここは漁港ではないので、船の漂流物はあまり多くない。
車検証とか貴重品は持ち出せたのだろうか。
たまり水の油が陽光を反射している。
押し寄せたのはきれいな海水ではなく、油と瓦礫まみれの汚水だ。
転がる樽には何が入っていたのか。
津波が通った跡は、どこも似たような風景になってしまう。
海水に浸かった車はエンジンをかけると炎上する危険がある。
無残になぎ倒されたフェンス。通過した水の勢いを想像すると恐ろしい。
海岸公園に来た。
ここはゴミ集積場ではなく、野球場だ。
長男が小学生の時、ここまで来て野球の試合をした、
いつも風が強く、フライを取るのが難しい球場だった。
今は海砂、瓦礫が堆積して、とても野球どころではない。
テニスコートだった場所。今その痕跡は何もない。
コートのサーフェスも剥がされてしまった。
遠くに残雪の蔵王を望む。
変形したフェンスだけが、かろうじてテニスコートだったことを訴えている。
(続く)