愛丸のサッカー観戦記

日本代表から欧州・南米などなど
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ブラジル-北朝鮮(W杯 グループG)

2010-06-16 10:00:26 | 各国代表戦
観戦日 6/16(水)       

愛丸’s チェック
優勝候補の一角、セレソン・ブラジレイラの初戦。
相手は、未知の北朝鮮。
完全に格下相手で、ここは勝って当たり前と思われてるところに意外と落とし穴があるかも。
この初戦にピークをもってきてるわけもなく、相手を舐めてかかるようなことがあれば、北朝鮮に守りきられるってケースも。
ただ、それはドゥンガが許さないだろう。
前回大会のカルテット・マジオだったら、それも考えられたが・・・。
とにかく、ドイツ以外で強豪と呼ばれてるチームがスカッと勝ててないので、ここはセレソン・ブラジレイラに一発かましてもらいたい。
北朝鮮は、どれだけの時間このブラジルの攻撃に耐えることができるか。
5人のDF陣が人にもボールにも激しくいければ、この守れる時間は長くなるはず。
体力には自信があるだろうし、将軍様のためにも・・・。

ブラジルは、そうとう苦しんだ。
完全に格下の北朝鮮に、なんと前半無得点。
あの激しい当たりと、人海戦術による守備で、バイタルエリアまでは進入できても、そこから前に進めない。
これまでブラジルにあるまじきリアクションサッカーでここまで結果を残してきたドゥンガ・セレソンだが、相手にここまで引かれては、なかなか崩しきれない。
ブラジルを相手にするチームは、まずは守備を重視するんだろうが、これまでやってきた南米のチームは、どこか攻撃的な面も見せる。
その隙をついての見事なカウンターからこれまでは得点を重ねてきた。
それが、DFラインが5人もいて、中盤も3枚がほぼ守備一辺倒のチームなんかと対戦したことがないはず。
サイドチェンジをしようが、ドリブルで仕掛けようが、ワン・ツーでの突破を図ろうが、どれも、効果的な攻めにはならなかった。
前半を0-0で終えたときは、多少なりとも焦りは出たはず。
この沈みかけた雰囲気を打開してくれたのが、世界最高峰の右のラテラウ、マイコンがやってくれた。
右から猛スピードでスルーに反応し、角度のない位置からGKのポジショニングを見てニアを抜くスーパーゴール。
あのスピードで入ってきて、どの段階でシュートを選択したのか。
GKはクロスの対応で、ニアを空けてるのを確認してスルーに反応したのか、それとも、あの深い位置での一瞬の判断でシュートに切り替えたのか。
それにしても、すごいゴールだった。
この1点で、セレソン・ブラジレイラはそうとう楽に戦えるように。
追加点も、こっちのサイドを攻略し、ホビーニョが中に入ってきてのスルー。
これにエラーノが反応して、落ち着いてゴール。
この2点目でセレソン・ブラジレイラの勝利は決まった。
ここから右の前にD・アウベスを投入し、カカを下げてニウマール、中盤で運動量の落ちたF・メロに代えてラミレスときっちり守備的な交代を敢行。
これぞ、ドゥンガ采配。
相手がどこであれ、守りに入るときは徹底的に守る。
ただ、守備的にいったのはいいんだが、肝心の選手たちが、どこか気を抜いた部分があったのか、なんと北朝鮮から失点してしまった。
試合は決まってたからいいが、この失点にはドゥンガはそうとうご立腹だろう。
これで一段と、気が引き締まるのでは?
あれだけ引かれたチームを相手に、なかなか崩せなかったが、ここってところで点が取れるブラジルはやっぱり強い。
これからホビーニョもカカもL・ファビアーノもコンディションは上がってくるだろうし、そうなると、もっと魅力的なセレソン・ブラジレイラが見られるかも。
というか、そうなってもらいたい。
北朝鮮は、ブラジル相手に前半を0-0で折り返せたのはそうとう自信になるはず。
自分たちのやってきたあの超守備的布陣が間違いではなかったことがわかっただろう。
その守備でも左サイドでの崩しからの2失点だし、弱点もわかったわけで、今後、ここをうまく修正できれば。
それとGK。
あのマイコンのシュートをちょっとでも予測できてれば、あそこまでニアは空けなかったはず。
ここに世界とのレベルの差が。
あまり見せ場はなかったが、チョン・テセのフィジカルにはルッシオ、フアンも手を焼く部分はあったし、このふたりに対して仕掛ける部分もみられた。
頼りはこの男しかしないから、なんとか踏ん張ってくれれば、あの得点シーンみたいなことが生まれる。
残りの2試合、ブラジルよりは格が下がるチームだし、舐めてかかってくる可能性も大だし、北朝鮮がサプライズを起こしてもなんら不思議はない。

スコア 2-1

<得点者> 
ブラジル   マイコン、エラーノ
北朝鮮    チ・ユンナム    
~愛丸's MVP~
マイコン(前半から積極的に攻撃参加。攻撃陣がどれだけ攻めても取れなかった先制点をこの世界一の右のラレラウが豪快に決めてみせた。今後もこんなシーンが見られるかも)

コートジボワール-ポルトガル(W杯 グループG)

2010-06-16 08:26:16 | 各国代表戦
観戦日 6/16(水)       

愛丸’s チェック
死のグループと呼ばれる、グループGの戦いが始まった。
この一戦、制した方がブラジルとともにこのグループを突破できる可能性が高くなる。
できれば、この一戦が初戦じゃなかった方がよかった。
ただ、これはクジで決まったことだし、今からどうのこうの言えない。
コートジボワールは、11日前にドログバが右手を骨折。
エースがスタメンを張れない状況で試合をしていかないといけない。
ただ、プレーができないレベルではなく、ここってところでは出場するだろう。
ポルトガルは良くも悪くもC・ロナウドのチーム。
代表ではどうもいつもの力を発揮できれないが、ここでやれてこの男が本物かどうかがわかる。
真のスーパースターになれるかどうか・・・。

両チームとも、まずは負けないサッカーを選択。
この考えは、間違いない。
ブラジルに勝利するのは難しいし、このライバルにも負けたくない。
それなら、しっかり守ってってサッカーになるはず。
これが初戦ではなく、試合を重ねて、勝ち点の計算をしながらの試合だったら、もっと両チームの戦い方は変わった。
ただ、何度も言うが、これが両チームにとっての初戦。
W杯という戦いにもまだ慣れてないし、コンディションもそこまで上がってないだろう。
こんな中、前半は、ほんとに見せ場の少ない試合に。
コートジボワールはFKからティエネが惜しいシーンを作っただけで、これ以外は、なかなかチャンスは生まれなかった。
ポルトガルがボールを持つと、2ラインがスペースを消し、トップの選手たちも自陣に引いて守備をする。
エリクソンのサッカーが、短い間に浸透してた。
ただ、これでは点を与えないが、取ることもできない。
ドログバが使えないって状況だから、まずは守備を固めることは間違いではないが、これをいつまでも続けるわけには・・・。
エブエを3センターハーフの右で起用してる段階で、守備から入ることはわかってたし、ゾコラをCBで起用したのも、経験を買ってのもの。
後半、いつかもっと前に出るかと思ったが、最後まで守備意識の高いまま推移した。
後半の20分、ドログバが驚異的な回復力でピッチに投入されたが、これでそう簡単に局面が変わることもない。
ドログバはまだ本調子にないし、ここで、ドログバをおとりにして、もっと周りの選手がフィニッシュに絡むようなプレーが見たかった。
カルー、ジェルビーニョと残してもらいたい選手を引っ込め、ディンダンは最後までピッチに残した。
疲労の問題もあるんだろうが、この試合に限っては明らかにジェルビーニョの方が切れてた。
エリクソンのいいところも見られたが、悪い部分もちらほら。
おそらく、ブラジル相手にもこの戦い方だろうし、じゃあ、北朝鮮相手にはもっと攻撃的にいけるかと言われると、試してもない攻撃的布陣が機能するかどうか。
組織力を手に入れたコートジボワールは怖い存在ではあるが、それで、あの攻撃性が失われるようでは意味がない。
ポルトガルもケイロスがちょっと消極的な作戦を取り、スコアレスドロー。
シマオンを先発させず、ダニーを先発させたことは驚いたが、左SBは、ここまで攻撃の起点にもなれてたドゥダを使わず、コエントランを先発。
中盤のデコ、Rメイレレスもいつものプレーではなかったし、まずはこちらも守備意識を高めてのプレーに終始。
負けたくない気持ちが強くなるのもわかるが、ここで勝ち点3が取れれば、今後がかなり楽になる。
W杯の初戦だからかもしれんが、どのチームもリスクを犯して攻めるシーンが少なすぎる。
これだけ攻撃的なポルトガルでさえ、こんな展開になるんだから・・・。
期待のC・ロナウドは前半にミドルがポストに当たるシーンを作りだしたが、これ以外は見せ場なし。
チームの重心があれだけ低いと、いいボールも入ってこないし、コートジボワールもあれだけ引いてると、スペースもできない。
こういう場面で仕事をして真のスーパースターなんだろうが、現代サッカーであれだけ組織だって守られると、個人の力ではなかなか突破できない。
後半は、やっと両チーム攻撃的に振舞うシーンも見られたが、時間が進むにつれ、また守備的になり、コートジボワールの最後のCKもキープで終了。
もっとこの試合で攻撃的にやれればよかったってどちらかのチームが思うはず。

スコア 0-0

<得点者> 
 なし    
~愛丸's MVP~
ゾコラ(普段はやらないCBだが、ポルトガル相手にしっかりその仕事をこなした。相手CKを何度もニアでブロックできてたし、一番で守備で貢献した選手か)

ニュージーランド-スロバキア(W杯 グループF)

2010-06-16 00:56:43 | 各国代表戦
観戦日 6/15(火)       

愛丸’s チェック
この南アW杯の開幕戦のカードの中で、一番注目度の低い試合かも。
ニュージーランドはおそらく、今大会の出場チームの中で、一番のレベルの低いチーム。
フィジカルにものを言わせて、なんとか高さで勝負するサッカー。
どのポジションもレベルは高くなく、チームとしての戦術も時代遅れ。
このサッカーで、どこまで食い込んでいけるか。
スロバキアは、なんとかして、このグループを突破したいところ。
それができるだけのポテンシャルは秘めてるチーム。
ハムシクがナポリでのようなFWにも誓いプレーができるようだと、得点も期待できるし、サイドの活きのいい若手が躍動するようだと、イタリアもパラグアイものんびり構えてるわけにはいかない。
スロバキアがどんなサッカーを見せてくれるか楽しみ。

ニュージーランドは、やっぱりこの試合でも勝つことができないかと思われたATの終了間際、これまでほとんど見ることのできなかったDF陣の攻撃参加で同点に追いついた。
このゴールがチームにどれだけの影響を及ぼすか。
一番勝ち点が取れるであろうチームとの対戦で、ここを逃すと3戦全敗もって思ってただろうし、なんとかしてそれを食い止めることができた。
このゴールはニュージーランドにとって、歴史的なゴールだろうし、W杯で初の勝ち点をゲット。
このリードのヘディングまでのサッカーはまるで時代遅れな感じで、どこにも魅力を感じなかったが、こうやって結果が出せれば、それはそれでいい。
パワープレーをやりたいんだろうが、うまく前線にボールが供給できてないし、これに徹するというサッカーでもない。
前線の選手のテクニックに関しては、誰もが並以下だし、突出した選手が見当たらない。
それならやっぱりあのフィジカルを活かすしか手はないんだが・・・。
アンカーでひとり気を吐いたエリオットには多少の可能性が感じられた。
レジスタ的な役割で、守備もしながら、しっかりボールも展開する。
ここからの大きい展開で、いけるかもってシーンはあるにはあったが、ここからが繋がらない。
なら、エリオットからラストパスを出してもいいかも。
縦へのロングボールでも、相手にとったら嫌なもの。
ニュージーランドは、ポジションチェンジなんか一切行わず、自分の与えられたポジションで、ただひたすらにその仕事を全うするサッカー。
昔ながらの3-5-2で、現代のサッカーからは程遠いものだが、でも、こうやって勝ち点が奪えるってのがサッカーの不思議なところ。
それでも、点を取れたシーンは、ああやってSBが攻撃に参加して生まれたもので、これで、もうちょっとサッカーの質が変わってくるかも。
このグループで台風の目になる予感のしてたスロバキアは、あのニュージーランドに最後の最後に追いつかれ、勝ち点3を取り損なってしまった。
サッカーの質から何から全てに置いて相手を圧倒してたが、取れた点が1点だとう、こういう結果になってしまう。
ほんと、もうワンプレー我慢すれば、勝ち点3はすぐ目の前だったのに、多少の油断もあったのかも。
オフサイドを取りにいったようにも見えたが、それが中途半端で、今まで攻撃に参加してなかった選手が顔を出したもんだから、多少慌てたか。
こういうシーンを見てるとスロバキアもまだまだ。
イタリア、パラグアイがドローだっただけに、ここで勝ち点3を取ってれば、今後を優位に運べたはず。
スロバキアではやっぱりハムシクに注目してたんだが、前半はしっかりマークされ高い位置でなかなかプレーできず、下がってボールをもらうシーンが多かった。
もっと高い位置でプレーしないと、この男のよさは出てこない。
後半、マークが薄くなって、前線に顔を出すようになってからはよさは多少出せてたが、まだやれる選手。
フィニッシュにもうちょっと絡んでもらいたかった。
スロバキアで目立ったのが、ヴァイス。
シティでのプレーを何度か見たことがあったが、この代表でのプレーの方が活き活きとプレーできてる。
高い個人能力があるのはわかってたが、まさかここまでやれるとは思わなかった。
ストフの方に目がいきがちなんだが、そのストフは途中出場。
このふたりが両サイドで輝くようだったら、ほんとにスロバキアは台風の目になれる。
この試合でのヴァイスのプレーには目を見張るものがあったし、うまく前線と絡めれば、おもしろい存在に。

スコア 1-1

<得点者> 
ニュージーランド  リード
スロバキア     ヴィッテク    
~愛丸's MVP~
ヴァイス(中盤でかなり自由が与えられてた印象が。それだけのポテンシャルを秘めてる。かなり高い技術を持ってるし、ハムシクと絡んだときはかなりおもしろい攻撃を披露)