The Rest Room of ISO Management
ISO休戦
予防処置のツール
予防処置は 是正処置より難しい、と書きました。また、是正処置ができる能力が備わっていることが 予防処置が可能となるための前提であるとも述べました。
さて その難しい“予防処置のツール”としては何が有効か。私はFMEAが有効だと思うのです。
これこそ 潜在する危険を 意識的に 明示し、対処せざるを得なくなる気にさせてくれる有効なツールです。
FMEAはFailure Mode Effect Analysisの略ですが、この世のものは 全て完璧なものはありません。実際にFMEAを作ってみれば分かることだと思うのですが、どんなに対策を打っても故障や失敗(Failure Mode)を根絶することはできずに いくつかの項目は残るはずです。但し、それでも 新たに企画した製品のリリースや 新プロセスの稼動はしなければなりません。ですから 一定の基準を設けて 危険度を低下させてから 運用させることになります。この基準の設定は それぞれの組織のノウハウに属する問題だと考えます。リスクをどう評価するかの問題です。
ここまでは、一般的には試作・試行の段階のことなので、設計・開発のプロセスに関わる課題となってしまいます。
ですが、既に世に問うている製品であっても、あるいは 既に運用しているプロセスであっても 課題を残している場合があります。或いは 見落としていて 当面問題なくても 何かのきっかけで大きくトラブルになる要因となるものも 後で気付く場合が あると思います。
従って、予防処置は常に必要な訳で、それがFMEAのリストを見れば どれから手を着けなければならないか 対策の必要なものが 一目瞭然となっているはずのものです。いわゆる目で見て分かる管理ですね。
このFMEAは 環境マネジメントシステム構築の際の “著しい環境側面”の抽出にも有効であると考えています。
“著しい環境側面”の抽出こそ、予防処置活動に近い 作業です。
このFMEAのリストは ある一定のタイミングを見計らって 継続的な見直し、改訂を積み重ねていけば 自ずと 危険度の低い、より安全な製品やプロセスができるはずです。つまり より使い勝手のよい製品になったり、より稼働率の高いプロセスへの改善に繋がって行くものと思うのです。これは 継続的改善への一つのプロセスです。
“ある一定のタイミング”というのは 不幸にして事件・事故があった場合の是正処置後、あるいは事前の予防処置活動完了後、それ以外の定期的な見直しなどです。定期的な見直しが必要なのは 小さな現場的改善(小さな良いこと)や 思わぬ現象の影響が 実施されたまま 公式の記録にならず、見過ごされている場合が 往々にしてあると考えるからです。
FTAはFault Tree Analysisの略で、“故障の木解析手法”とも訳されているようです。これは、個々のFailure Modeの上下(因果)関係を見るためのツールで、例えば 故障率の明らかな複数の部品から構成されるデバイスの故障可能性を計算する時に 有効です。ですから “なぜなぜ解析”の時の 解析手法と非常に近似しています。逆に “なぜなぜ解析” を使えばFTAは 容易になると思われます。多くの場合は 設計で 上下(因果)関係は 既知のものかも知れませんが、事象を扱う場合には 非常に有効であると思います。また構造上の流れや上下関係を見るのにブロック線図も使われます。
FMEAのリスト作成には 関係者のブレーン・ストーミングからFailure Modeを抽出する作業から始めるのが一般的です。非常にハンドメイドな印象です。つまり、この関係者・参加者の知識、経験、観察力、勘が重要です。もし関係者の能力が低ければ Failure Modeの抽出は上手く行きません。全くと言っていいほど機能しない場合もあります。FMEAというかブレーンストーミングはそれに参加する人の能力、特に観察力に係っています。
こういう意味で この現場担当者の常日頃の教育・訓練は 大切です。特に 上司のOJTは重要です。
素朴なハンドメイドでない方法としてはタグチメソッドの一つ、 MTシステムを使う方法があると言われています。車の衝突安全システムの開発に採用されているらしく、これもテーマから少し外れるようですが、予防的活動の一種と言えます。また工場での 異常状態の検出を事前に察知するシステムとして実際に運用している事例もあるらしいのです。あるいは未だ研究中と思われますが米国国防省の委託で9・11のテロ予防のシステムをMTシステムで開発しているとの噂も聞いたことがあります。航空機の 普段と異なる動きを把握して事前にテロを防ぐというもののようです。
まぁ、ここまで来ると手法が開発段階ですので非常に難しい課題です。この手法自体、品質マネジメントシステムに乗るのかなぁという 変な心配まで出てきますが・・・・。
さて その難しい“予防処置のツール”としては何が有効か。私はFMEAが有効だと思うのです。
これこそ 潜在する危険を 意識的に 明示し、対処せざるを得なくなる気にさせてくれる有効なツールです。
FMEAはFailure Mode Effect Analysisの略ですが、この世のものは 全て完璧なものはありません。実際にFMEAを作ってみれば分かることだと思うのですが、どんなに対策を打っても故障や失敗(Failure Mode)を根絶することはできずに いくつかの項目は残るはずです。但し、それでも 新たに企画した製品のリリースや 新プロセスの稼動はしなければなりません。ですから 一定の基準を設けて 危険度を低下させてから 運用させることになります。この基準の設定は それぞれの組織のノウハウに属する問題だと考えます。リスクをどう評価するかの問題です。
ここまでは、一般的には試作・試行の段階のことなので、設計・開発のプロセスに関わる課題となってしまいます。
ですが、既に世に問うている製品であっても、あるいは 既に運用しているプロセスであっても 課題を残している場合があります。或いは 見落としていて 当面問題なくても 何かのきっかけで大きくトラブルになる要因となるものも 後で気付く場合が あると思います。
従って、予防処置は常に必要な訳で、それがFMEAのリストを見れば どれから手を着けなければならないか 対策の必要なものが 一目瞭然となっているはずのものです。いわゆる目で見て分かる管理ですね。
このFMEAは 環境マネジメントシステム構築の際の “著しい環境側面”の抽出にも有効であると考えています。
“著しい環境側面”の抽出こそ、予防処置活動に近い 作業です。
このFMEAのリストは ある一定のタイミングを見計らって 継続的な見直し、改訂を積み重ねていけば 自ずと 危険度の低い、より安全な製品やプロセスができるはずです。つまり より使い勝手のよい製品になったり、より稼働率の高いプロセスへの改善に繋がって行くものと思うのです。これは 継続的改善への一つのプロセスです。
“ある一定のタイミング”というのは 不幸にして事件・事故があった場合の是正処置後、あるいは事前の予防処置活動完了後、それ以外の定期的な見直しなどです。定期的な見直しが必要なのは 小さな現場的改善(小さな良いこと)や 思わぬ現象の影響が 実施されたまま 公式の記録にならず、見過ごされている場合が 往々にしてあると考えるからです。
FTAはFault Tree Analysisの略で、“故障の木解析手法”とも訳されているようです。これは、個々のFailure Modeの上下(因果)関係を見るためのツールで、例えば 故障率の明らかな複数の部品から構成されるデバイスの故障可能性を計算する時に 有効です。ですから “なぜなぜ解析”の時の 解析手法と非常に近似しています。逆に “なぜなぜ解析” を使えばFTAは 容易になると思われます。多くの場合は 設計で 上下(因果)関係は 既知のものかも知れませんが、事象を扱う場合には 非常に有効であると思います。また構造上の流れや上下関係を見るのにブロック線図も使われます。
FMEAのリスト作成には 関係者のブレーン・ストーミングからFailure Modeを抽出する作業から始めるのが一般的です。非常にハンドメイドな印象です。つまり、この関係者・参加者の知識、経験、観察力、勘が重要です。もし関係者の能力が低ければ Failure Modeの抽出は上手く行きません。全くと言っていいほど機能しない場合もあります。FMEAというかブレーンストーミングはそれに参加する人の能力、特に観察力に係っています。
こういう意味で この現場担当者の常日頃の教育・訓練は 大切です。特に 上司のOJTは重要です。
素朴なハンドメイドでない方法としてはタグチメソッドの一つ、 MTシステムを使う方法があると言われています。車の衝突安全システムの開発に採用されているらしく、これもテーマから少し外れるようですが、予防的活動の一種と言えます。また工場での 異常状態の検出を事前に察知するシステムとして実際に運用している事例もあるらしいのです。あるいは未だ研究中と思われますが米国国防省の委託で9・11のテロ予防のシステムをMTシステムで開発しているとの噂も聞いたことがあります。航空機の 普段と異なる動きを把握して事前にテロを防ぐというもののようです。
まぁ、ここまで来ると手法が開発段階ですので非常に難しい課題です。この手法自体、品質マネジメントシステムに乗るのかなぁという 変な心配まで出てきますが・・・・。
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