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ひろさちや・著“空海入門”を読んで

これまで、空海に関する本は、面白半分で読んだ島田裕巳著“空海と最澄はどっちが偉いのか?―日本仏教史7つの謎を解く”をはじめいろいろ読んできた。だが、残念ながら“空海”、特にその“密教”についての理解はさっぱりのままなのだ。ここらで、決定版を読んでみようと、或いは読み落としも含めてもう一度“ひろさちや”氏の著作で確認するべくこの本を読んでみた。この本の内容に非常に近いのは同じ著者の“空海と密教”(黄金文庫)である。目次・章立てもよく似通っている。 だが、私にはこの本の“第6章 鎌倉仏教の高僧たちは、なぜ最澄の門下から生まれたか”に書かれていることが、著者の独創であり、私の日本仏教への理解を決定的にした。これは“ひろさちや”氏による見事な整理だといってよい。座禅も、念仏も「南無妙法蓮華経」も『歎異抄』も現代に活きている。空海の否、弘法大師の“三密”はこういうかたちで現代に活きているのだ。何だか、日本仏教の本質が解き明かされたような気がした。だから本書は“ひろさちや”氏による“空海入門”決定版であると言えるのではないだろうか。 . . . 本文を読む
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