たそがれ時のつれづれに

人生のたそがれ時を迎えて折々の記を・・思うままに

東日本大震一周年追悼式

2012年03月12日 | 日記

大震災記念日、政府の追悼式典が正午に行われるのかと、わざわざ庭の雑草引きを中断してテレビをつけたが、一向に報道もせず予告もなかったので新聞とネットを調べたが見当たらない。

今日はどうしてやらないのかと疑問に思いながら外へ出、草引きを続け、1時半過ぎにネットを見たらようやく、震災発生時間の2時46分に両陛下を迎え、国立劇場を会場に追悼式を行うと出ていた。

NHKくらいは昼のニュースで予告し、その時刻全国民に黙祷を捧げるよう呼びかけるくらいした方が良いと感じた。
今度の震災と原発災害はそれくらいに日本の国を危機に陥れたと思うのは私一人の感想だろうか。フランスは原発国であるが、ル・モンド紙は「フクシマは人類に文化的ショックを与えた」と評論したと新聞で読んだ。

地震は天災で、「手加減を知らぬ自然の恐ろしさ」 と朝日川柳にあったが、原発はやはり、国も電力会社、学会も傲慢と横着に過ぎたのではなかろうか。
女川原発は建設当時の東北電力副社長が過去の地震に学び高台に建設を主導され、今回も安全であった事実が報道された。

この謙虚さが東京電力にあったらと、思わずにいられない。2月28日の新聞、民間事故調は「東電 組織的な怠慢」「規制 ガラパゴス化」と結論している。東北人は国土が厳しく自然に逆らわない習性が東京人に比べ高いのかもしれない。

過日我が家の電気メーターを法に定める交換に下請け社員が来て作業した。「原発はもう駄目でしょう。電力会社は縦社会ですから下が上に意見なんて言えない会社です。地域の付き合いで反原発の集会に参加しただけで首になった人がいたのですから・・地域の付き合いさえも犠牲にさせたのが原発です」と言った。

ゴルフ場で会った知人の元電力会社OB氏も、「中部電力は原発依存度が少なくて、むしろ幸いだった。原発はもう駄目です。私も中電株を数千株持っているが、2千数百円した株価が瞬く間に値下がりして、数百万円の損害です。中には万という株式を持っているOBもいる。こからは天然ガスの火力だね」。

反原発の旗手となった小出裕章京大助教授は書いていた。原発はいったん核反応を始めたら電力需給に関係なく発電しつづける。火力は稼動させたり止めたり自在なので夜は休止させ、原発の余剰電力を夜間ポンプで上流に水を汲み上げ、揚水発電というやたら高コストの発電をやっている。火力発電能力の全部を使い切ってはいないのだと。

追悼式典は形どおりで、その時刻を我が家のテレビはぴったり表示し、コタツに入ったまま式典に合せ1分間の黙祷をした。