クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

マンガは世界にどう広がっているか04

2007年12月15日 | マンガ
日本で唯一の国際交流専門誌『をちこち(遠近)』の、№19(10・11月号)から「マンガは文化の相互理解をもたらす」という夏目房之介氏と山田奨治氏の対談を紹介してきた。前回(03)では、日本は、「一億総中流」といわれるように、巨大な中間層があったからこそ、マスとしてのマンガ市場が出来、そこにいろいろな表現が芽生えてきたのではないかという指摘を紹介した。

日本の社会は、階層性のきわめて少ない、巨大が中間層が中心をなす社会だ。そのような社会そのものの価値観が、マンガの中に自ずと反映されており、それが日本のマンガが受け入れられるひとつの背景になっているかも知れない。

外国からやって来てある程度、日本の社会を知った人々が驚くのは、日本では貧富の格差がそれほど大きくなく、人々がほとんど同じような暮らしを営んでいるということだという。日本以外の国々では貧富の差が非常に激しく、金持ちの暮らす場所と貧困者が暮らす場所は明確に分かれている場合が多い。

しかも、両者の環境はまったく異なっているという。富裕層が暮らす市街は清潔で治安もよい。逆に貧しい人々が暮らす街は不潔で、治安も悪いことが多い。日本にも、山の手と下町の呼び方はある。私も東京の下町に暮らしている。しかし、だから自分が下層だとコンプレクッスに陥ることはない。下町に住んでいる富裕層もたくさんいる。しかも、どちらに住んでいようと、安心して住める。下町の方がより危険だと感じたことは、もちろん私もない。

外国人がもっと驚くのは、山の手の人間が下町に、下町の人間が山の手に自由に往来できることだという。そんなことを指摘されると逆に日本人の私たちが驚いてしまう。日本以外の国々では、必ずしもそうではないらしい。

ある外国人はいう。「日本では、金持ちも庶民も同じ商店街で買い物をし、気軽に言葉を交し合っている。そこには、欧米のような階級社会はないのだと知った。それは‥‥‥、まさにユートピアの一つの形であると感じた。」

日本が格差社会になりつつあるというが、上流社会と下層社会が画然と区別され、そこに普通の交流すらない、などということはない。世界のほとんどの格差社会とは、やはり違うのである。

マンガは、そうした巨大な「中間層」に消費され、そのような普通の日本人の意識や希望や挫折や喜びや悲しみを反映している。日本人には意識しにくいが、マンガには、外部から見た日本の社会の魅力が、自ずと反映している。だからこそ、それはクールと感じられ、好感ももって受け入れられるのだろう。

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