クールジャパン★Cool Japan

今、日本のポップカルチャーが世界でどのように受け入られ影響を広げているのか。WEB等で探ってその最新情報を紹介。

クールジャパンの文明史的な意味(1)

2009年07月05日 | 現代に生きる縄文
このクールジャパン★cool Japan というブログを始めたは、マンガ、アニメといった日本のサブカルチャーが、私自身考えるよりはるかに広く深く、海外に浸透し始めていることに、興味を持ち、また日本人としての「自尊心」がくすぐられたからだ。

しかしこのブログを続けていく中で、いろいろな本に刺激されて、クールジャパンという現象を探るうちに、そこには当初考えていたよりもはるかに重要な意味があると認識するようになった。大げさな言葉を使えば、そこには「文明史的な意味」すらあるのかも知れない。

サミュエル・ハンチントンは『文明の衝突と21世紀の日本 (集英社新書)』の中で、文化と文明という視点から見れば日本は孤立しているとしている。それは次のような理由からである。

①西欧文明、中華文明、イスラム文明など八つの主要文明のなか、日本文明だけが一国のみでなりたつ独立の文明だからである。他のすべての文明には複数の国がが含まれる。

②日本は、最初に近代化に成功した重要な非西欧の国家でありながら、西欧化しなかった国だからである。

だから日本が孤立しているとは必ずしも言えないと思うが、今考えたいのは②の方である。サミュエル・ハンチントンは、日本が西欧化しなかったために失わなかった中味にまでは言及していない。しかし、日本が失わなかったものにこそ大切な意味があり、そこに日本が発信するポップカルチャーを世界がクールと受けとめことの、重要な秘密があるかもしれない。

そう感じるようになったのは、以前にも紹介した呉善花の『日本の曖昧力 (PHP新書)』や『縄文思想が世界を変える―呉善花が見た日本のミステリアスな力 (麗沢「知の泉」シリーズ)』などによる。とくに前者は、縄文的なソフトアニミズムが日本文化の背景にあり、それが日本発のポップカルチャーの魅力となって世界に広がっていると明確に主張している。

ところで、最近読んだ町田宗鳳の『人類は「宗教」に勝てるか―一神教文明の終焉 (NHKブックス)』は、縄文文化もそうであったような「多神教的コスモロジー」の復活に、一神教文明行きづまりを打破する重要な意味があるかも知れないと主張する。(続く)
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