福島日報あぶくま抄 8月22日

2011年08月24日 | 風の旅人日乗
福島県の新聞、『福島日報』8月22日ウエブ版から。

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「フクシマ、フクシマ」の連呼は応援ではなかった。
19日にベルギーで行われたサッカー一部リーグの試合で、
リールスに所属する日本人ゴールキーパー川島永嗣選手に、
相手チームの応援席から向けられた心ない挑発だった。

 川島選手は県民に代わって怒り、泣いてくれた。
「他のことは許せるが『フクシマ』と言うのは、
冗談にできることではない」と。
自身のブログで振り返り、
試合後にベルギー人のチームメートから
「同じベルギー人として本当に申し訳なく思う」
と声を掛けられたエピソードも紹介している。

 欧州のサッカーファンの行儀悪さは有名だ。
集団になると心の歯止めが利かなくなるのだろう。
だが、こうした中傷の奥底に
「日本は原発事故をいつまでも収束できず、
世界に被害をまき散らしている」
という海外のいら立ちまで想像しては
神経質過ぎるだろうか。

 日本が適切な情報を海外に提供しなかったり、
通報もなく汚染水を海に垂れ流したりしたことに、
世界の目は厳しかった。
福島は紛れもない被害者だ。
しかし気を落ち着けて考えることも必要だ。
心ならずも加害者になってはいないか…。
さらに別の不幸を招かないために。

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我々日本人は、被害者であり加害者である、という視点を、
なぜ日本の政治家は持てないのか。
今は、小さなクラスの学級委員長になるための
名誉争いをしている場合ではないことに、
なぜ気が付かないのかな?

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