先日病床でラジオを聴いていて面白い落語家の話に聞き入ってしまった。この噺家は笑福亭學光(がっこ)という上方落語の真打だ。十年ほど前、あるカルチャーセンターからの要請で「お笑いセミナー」という講座を始めた噺家だ。こんなセミナーにいったい人は来るのかと半信半疑だったが、案の定3人程度の受講生しか集まらなかった。しかし不思議なことにこの受講生たちは辞めずに、再受講するようになり、ずっと続いていった。 ではどこかで発表する機会をと思い立ち、病院、学校、福祉施設などに出かけるようになった。今では300人くらいが登録して活躍しているそうだ。
芸名がふるっている。「是巣亭隴瑠(コレス亭ロール)」「夜勤亭ぐうぐう」「千里亭だし吉」「なんちゃってアイドル」など。芸名それ自体が笑いを誘う。思わずニヤニヤしてしまう。
この資格を持っていても、就職先を見つけてもらえるものではなし、もちろん国
家資格ではない。先の落語家による個人的認定資格者ということだ。仕事のスキ
ルアップにはならないかもしれないが、お金より大切な心豊かな生きがいが見つ
かるという。「お笑い福祉士」とは、「笑いを求め、笑いを学び、笑いを生かす」人た
ちのことを指すと笑福亭學光はいう。要は笑うだけ。鏡を見てにっこりほほ笑むだ
けで免疫が上がるそうだ。
一つ練習してみてはいかが? たとえば10円拾った時の笑い。1000円拾った
時の笑い。財布を拾った時の笑い。その財布が空っぽだったときの笑い。くすっと
笑って、くっそーと放り投げるしぐさまで。もっとも人の前では控えたほうがよさそ
うだが。
また子供の反応も面白い。ある芸人さんが落語を始めた時、上手(かみて)に向かって「お~い」と叫ぶと、みていた子供たちは「だれっ」と後ろを振り返る。お猪口を持っておいしそうに飲む仕草をすると、「お酒飲んではるんや~」と合いの手が入ることもあるとか。
世の中にはいろんなことを考え、少しでも社会や人に役立とうと志す人が大勢い
るものだ。プロの人たちの多くがこうして貢献している姿をみると。少し見習わなけ
ればと思ってしまう。
笑福亭學光さんはこんな落ちの付く洒落を紹介してくれた。元銀行員だったこと
もあり、随分苦労されたそうだ。
「落語家と掛けて銀行員ととく。その心はどちらも「コウザ」が大事」う~ん!
やさしいタイガー
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