土曜日は猛烈な吹雪で町を歩くことが悲しくなるほど辛い一日でした。そんな中でのロータリーの大会が開かれ出席してきました。ゲストはノーベル物理学賞受賞の小柴昌俊先生。飛行機が着くのか案じてお待ちしていた最中、ゆっくりとして足取りで会場にお入りになりました。早速例の「ニュートリノ」のお話をポインターを使って私たちにも分かるように心くばりをしてお話くださったのです。それでもよく理解できなかったのは凡人の知識の低さゆえでしょうか。
講演テーマは「心に夢のたまごをもとう」といういたって優しいテーマでしたが、その話でとても大切な話をされました。先生は2003年「平成基礎科学財団」の創設されました。理科嫌いな子どもたちが少しでも好きになり興味を持ってもらいたいと財団を立ち上げられたのです。でもそのためになんと1億円が必要だという。多くの周囲の人は「そんなことはやめたほうがよい」とそっけない返答。だから応援にならないわけです。でも先生は一計を按じて国民一人1円、団体1年10円という会員制度をしかれたのです。そうしたら何とある自治体はその人口分の会費を送ってきたそうです。それから続々と支援の輪が広がったというお話を伺いました。
先生が受賞後天皇・皇后様の前でご進講された中に財団の話をされたら、黙ってお聞きになっていた両陛下が後日宮内庁を通して「ご下賜金」として二人で金2円があったそうです。なるほど国民として会員になられたから2円が正解です。そしてプラスすること20年分の個人会費を含め、合計「20,002円」が送られてきたそうです。なんとユーモアのある両陛下でしょう。小柴先生は周囲の心配をよそに、時間をオーバーし、お帰りの飛行機の事も気になさらず、静かに話のまとめをされました。「人はやろうと思ったことはやめようとしないことだ」「将来自分のやりたいことを心に卵として抱いていなさい。そうしたらいつか卵から還る日がある」とのメッセージをくださいました。とても感動的でした。先生は今76歳だそうです。若者と同じように心に卵を抱いておられると思うと、聴き手の僕たちも大きな勇気を与えられました。
やさしいタイガー
小柴先生のHP http://www.hfbs.or.jp
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます