恐らく映画好きの方なら、もう何年も前にご覧になったかもしれませんね。「巴里のアメリカ人」と「雨に唄えば」この2本観てきました。1951,2年の作品で特に「巴里のアメリカ人」はアカデミー賞をとっている人気の高かった映画です。前者はなかなか売れない画家志望のアメリカ人がエコール・ド・パリを目指すのですが、愛くるしいダンサーに人目惚れ。ジーンケリーの歌とダンスと、そして見事なタップは魅力的でした。後者もよく似たないようですが、ハリウッドのブロードウエイがトーキーの制作やスタジオを見せてくれます。「singing in the rain」が流れ、とても懐かしい曲でしたね。これもジーンケリーの明るいキャラクターが見事に出て本当に楽しい映画でした。
日本はちょうどそのころ、敗戦の痛手の中で今日の食事にも事欠く時代を迎え、娯楽などというものはごく限られたものしかない時代。アメリカは戦勝気分だったかもしれませんが、とにかく戦争が終わったという開放感が環境の違いはあってもどこか人の歩む先に希望を抱かせるような作品です。みんなの表情がどこか明るい。
しかしそれから50年すっかり疲弊した現代社会は、人と社会を結ぶ絆が切れたようです。国会議員や会社の社長の冴えない表情、それでなくても暗い顔をした人たちの多い政界の要人たちの顔を見ていると、希望などという言葉がむなしい死語のように思えてきます。たまにはこんなオールディーズから元気をもらおうなんて、ちょっと寂しい世の中ですね。
やさしいタイガー
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