初心者のクラシック

有名な曲からおすすめの曲まで、できるだけ初心者にも分かり易く紹介します。

幻想交響曲  (ベルリオーズ作曲)

2006年05月29日 | その他の作曲家
たまには、クラシック音楽を聴いてみてはいかがですか?

今日はベルリオーズ:幻想交響曲です。

これは、交響曲なんですけど・・・、ちょっと変わってますね。交響曲なら普通は全4楽章なんですが、この曲は全5楽章あります。特にこの曲でオススメなのは、2楽章のワルツですね。このワルツがとても豪華絢爛でこれぞワルツ!!って感じがしますが、どうでしょう?まあタイトルがそう思わせるのかも知れませんが、どこを聴いても普通の交響曲とは違った幻想的なムードたっぷりですから、これはこれで楽しめると思います。

作曲家ベルリオーズは、この曲を当時恋していた女優に対する恋心ををイメージして作ったとも言われていますし、各楽章にはそれぞれタイトルもついていますから、交響曲と言うよりは、組曲のイメージの方が強くなっているのかもしれないですね。

 第1楽章(夢、情熱):フルートやオーボエ、クラリネットなどの木管楽器がやわらかく
 リズムを刻むところからはじまりますが、弦楽器が入ってくると、どこと無く切なく
 なるムードが、締め付けられる思いがしてしまいますね。その後は少し楽しい雰囲気
 も見せますが、やはりどこかに影がさしているようなメロディが続きます。
 想いを寄せているような、ぼんやりとした雰囲気は正に幻想的な曲ですね。

 第2楽章(舞踏会):序盤はコントラバスの低音が妖しげに曲を進めていきますが、
 トランペットの明るいファンファーレとともにハープがポロロロロン♪と鳴り響くと
 そこはもう、舞踏会のステージに早変わりですね。魅力的なワルツのメロディが豪華な
 シャンデリアの輝く宮殿の中で華麗に繰り広げられているパーティーはとても楽しそう
 に聴こえますね。このワルツだけでも十分聴いていられる曲だと思いますからとても
 オススメですね。

 第3楽章(野辺の情景):イングリッシュホルンとオーボエの渇いたフレーズがお互い
 を呼び合っているようにも聴こえますが、2楽章での派手なワルツがまるで嘘のように
 聴こえるほど、淋しく音の少ない曲ですね。ただ、音が少ないだけに、その少ない音の
 ひとつずつが、妙にすっきり、透明に聴こえてきます。悲しみのような諦めにも似た
 そのフレーズは脱力感を感じてしまいます。

 第4楽章(死刑台への行進):ティンパニ(大太鼓)の忍び寄るような、そしてだんだん
 大きくなってくるリズムはだんだんと圧迫感を感じてしまいます。そしてその圧迫感を
 一層増すのが、途中にいきなり入ってくるトランペットとトロンボーンのフレーズです
 ね。そしてこの時代に初登場した低音金管楽器チューバの野太い重低音が鋭く響き渡る
 と、死刑台への行進というのもどこかうなずける気がします。

 第5楽章(悪魔の祝日の夜の夢-魔女のロンド):おどろおどろしいフレーズを低音の
 弦楽器が奏でます。そして更にあざけり笑うかのようなヴァイオリン等の弦楽器が、
 けたたましい響きを上げながらつないでいきます。しばらくはどうしていいか分からない
 ような感じになってしまいますが、クラリネットが曲をまとめようと、必死に音を鳴ら
 すと、少し曲は落ち着いてきます。すると今度はチャイムの鐘の音が、また、妖しい
 雰囲気を思い出すかのように単調に音を響かせていきます。
 しかし、また金管楽器が曲を立て直そうと、フレーズを鳴らします。そして、何とか
 エンディングにむけて形を作っていきますが、最後はもうやけっぱちですね。
 これまでのメロディやフレーズを大集合して、みんな好き放題で鳴らしまくって曲を
 終えます。

幻想交響曲とはホントによく名付けたものだと思います。幻を追いかけているような、一見つかみ所が無いような曲にも思えますが、ひとつひとつのフレーズやメロディは何故か美しく聴こえてしまうのが、とても不思議な曲です。滅びの美学とでもいうやつなんでしょうか?それとも「恋は盲目」なんて言葉もありますから、そっちの方がこの場合は当てはまるんでしょうか?

≪オススメCD≫
このジャケットみたいな不思議な世界を聞かせてくれると思いますよ。

ベルリオーズ:幻想交響曲
フィラデルフィア管弦楽団, ベルリオーズ, オーマンディ(ユージン), イベール, フィラデルフィア管弦楽団合唱団, ルジェ=ド=リール
BMG JAPAN

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【コレってどんな曲】
喜:☆☆★★★
怒:☆☆☆★★
哀:☆☆☆★★   →幻☆☆☆☆☆
楽:☆☆★★★

≪おすすめシチュエーション≫
恋をすると、色んな感情が自分の意思とは関係なくあふれ出してくるんですね。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ベルリオーズのもう1つの顔 (eyes_1975)
2006-10-18 18:16:40
けいさんが取り上げていたのでこちらにトラックバックしました。あまり説得力がない記事ですが、ベルリオーズの才人ぶりを皆さんに知っていただきたいです。
返信する
ベルリオーズって (けい)
2006-10-18 21:14:38
「幻想交響曲」しか曲は聴いたこと無いんですけど、調べてみると、いろんな曲を書いてるんですね。(作曲家ですから当然なんですけど…。)

そんなベルリオーズの多彩な仕事ぶりはトラックバックのついてるeyes_1975さんのブログへどうぞ。
返信する

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