買物おばさん

　今日の女性のお客さんは大阪市内の商店街の中の靴屋さんに勤めているが、その商店街に毎日3、4回は自転車に乗って買い物に来るおばさんがいるとか。
　彼女は買い物依存症で毎回自転車の前後のカゴ一杯に色々な物を買うので、どれだけ家族が多いのかと尋ねると旦那さんと二人暮らしで商売もしてないらしい。

　お客「二人暮らしやのに、隣の八百屋さんで盛りの方が割安やからと、なんでも盛りで買うんやで」
　私　「どうせ食べきられんと腐らせて捨てるんやから、バラで買う方が安いのになあ」
　お客「靴も1日に2、3足買う時もあるねんで。なんぼほど家に靴があるねんて思うわ」
　私　「百足ぐらいあるのんと違うか？」
　お客「あら、どうして？」
　私　「その人、ひっとしたらムカデやで。漢字で百足て書くやろ」
　お客「とにかく商店街はそのおばさんで持ってるみたいなもんやわ」
　私　「ほんだら、そのおばさんが来(コ)ん様になったら商店街が潰れるなあ」
　お客「ほんまや。よその商店街ではシャッター通り言うて、閉まってる所が多いからね」
　私　「シャッター通り商店街へ、そのおばさんに行ってもろたらエエのになあ」
　お客「そんなん、いくら買い物おばさんでも、あっちこっち行かれへんわ」
　私　「そうやなあ、お金も身体も持たんなあ」
　お客「しやけどいっぺん、そのおばさんの家の中、どんなんか見てみたいわ」
　私　「関西テレビの『よ〜いドン!』でしてる『となりの人間国宝さん』に出させたら？」
　お客「ホンマやねえ、家の中を見たら要らんもんが一杯でゴミ屋敷みたいでビックリするやろねえ」
　私　「国宝さんを報道するつもりが酷報(酷い報道)になるなあ」

　一句：店の維持　買物おばさんの　お陰です　　　
　謎かけ：買物おばさんとかけて、除夜を迎えるお寺と解く。どちらも(金・鐘)が無いと困ります