請求書

　接客中、たまたまカウンターの上にあった封筒が目に入ったので手に取った。おしぼり屋の請求書だった。
　「請求書を俺に見せつけて、当てつけかい」とお客のDさんが言うので、私は「そんな、つもりはない」と言いながらバック棚の引き出しをあけて、「あ、こんなとこに酒屋の請求書があるわ」と言った。
　客D「わざとらしいなあ。俺がツケをちょっとしか払えへんかったから当てつけやろ」
　私 「当てつけと違うけど、Dさんのツケの入金が少なかったから酒屋に払われへんねん」
　客D「ヒトのせいにして。払われへんのは俺のツケのせいだけと違うやろ」
　私 「アテにしてるのんが入れへんかったら予定が狂う。払われへんのはDさんのせいや」
　客D「腹立つなあもう。次、来るまでは絶対に来(ケ)－へんからな！」
　私 「次て、明日来てたりして」
　客D「わかるぅ？」
　私 「Dさんは(お金が無いから)他に行くとこ無いやん」

　一句：不景気で　溜まるばかりの　請求書
　謎かけ：請求書とかけて、軍服と解く。どちらも(明細・迷彩)がある