チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

防衛局の「護岸工事打切り」とは、決して護岸工事をあきらめたわけではない! --- あらためて入札される

2020年04月06日 | 沖縄日記・辺野古

 4月5日付の赤旗日曜版が、2014年度に契約した辺野古護岸工事の6件の契約が、最近になって打ち切られていることを大きく報じた。軟弱地盤のために工事の目途が立たなくなってしまったため、本来の護岸工事には全く着手できないまま、契約を終了せざるを得なくなったのだ。防衛局の杜撰な当初契約締結の責任を問われる事態である。辺野古新基地建設事業を丹念に追い続けてきた赤旗・藤川記者のスクープ記事といえよう。

 その後、琉球新報が同様の「辺野古6工事打切り」という記事を掲載した。ところが、防衛局が同紙に回答した金額が間違っていたというので、防衛局から訂正の連絡があったという。私も、いったんこの問題についてブログに掲載したのだが、防衛局の回答が訂正されたというので、いったんそのブログを削除した。

 この赤旗や琉球新報の報道を受けて、私のところにも問い合わせが相次いでいる。「辺野古の工事は中止されるの?」といった受け取り方をされている人が多い。なかには、「やった! やった!」と喜んでいる方もいる。

 しかし、これは早合点と言わざるをえない。防衛局は、契約後6年も経過したため、これ以上、繰越しができないので、いったん契約を終了せざるを得なくなったものである。設計概要変更申請が承認されれば、再度、護岸工事の入札が行われる(しかし、全く実施の目途もないまま業者との契約を行った防衛局の責任が問われる)。

 私も、2014年度に契約された護岸工事等の当初契約・変更契約の契約書、特記仕様書、支出負担行為書等を公文書公開請求で入手し、検討を進めてきた。今回の報道を受けて護岸工事の一覧をまとめたものが下の表である。

 この表から次の事実が分かる。

1.ほとんどの護岸工事(工事③、⑦を除いて)は、最終変更契約額が当初契約額よりも減ってしまっている。特に工事④は、当初契約額79億円に対して、4億円しか執行できなかった(国の工事では、設計変更により当初契約額が3分の2以上、減少したときは、受注業者や契約を解除することができるとされており、業者が被った損害額を国に請求することができるとされている)

2.契約後、受注業者に対して前払金が支払われる。④の工事は6.8億円の前払金が支払われたが(増額変更の際にも前払金が支払われるから実施にはこれ以上と思われる)、最終変更契約額は4.6億円にすぎない。前払金の差額は返還されたのであろうか?

3.③の中仕切岸壁新設工事は、当初契約の主な工事内容であった中仕切岸壁A・Bが全く施工できないまま契約は打切となった。ところが当初契約157.6億円が最終的には224.7億円にも増額された。当初契約になかった内容を大幅に追加したようだが、こんな変更契約は認められない。増額分の工事は、本来ならそれだけで一般競争入札を発注して業者を決めなければならない。

4.ほとんどの工事が減額となっている中で、工事③「中仕切岸壁新設工事」と、「汚濁防止膜等工事」、「仮設工事」だけが大幅に増額となっている。これらは全て、大成建設の工事であるというのも、不可解なことだ。同社だけが別扱いになっているのではないか?

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