辺野古では相変わらず県民の抗議を押し切って、連日、100台以上のダンプトラックが石材を積んでゲートに入っている。
我々は、こうした石材の搬入について、2つの問題点を指摘してきた。①まず、アセスの評価書や埋立承認願書の記載に反して、石材が採石場から出される時に洗浄されていないのではないかということ。②そして、使用されているダンプトラックの多くが道路運送車両法やダンプ規制法に違反した違法ダンプではないかということである。この2点については今後もとことん追求していかなければならない。
(ダンプ規制法違反車両)
陸路による石材の搬入は、実は防衛局にとってきわめて困難な問題である。当面のK9護岸工や工事用仮設道路、辺野古側での傾斜堤護岸、大浦湾での傾斜堤護岸では大量の石材が必要だが、これは全て陸側から搬入することとなっている。
今回、公文書公開請求で入手した設計図書で、これらの護岸工事でどれだけの石材が必要になるかを調べてみた。計算してみて驚いた。基礎捨石、割栗石、根固用袋材、目潰し砕石、基礎砕石、腹づけ材、砕石舗装等で、実に750,000トン(28万㎥)もの石材が必要になるのだ。大型ダンプトラックにしてなんと75,000台。1日に100台のダンプトラックを入れたとしても、750日、すなわち丸2年以上もかかるのだ。実際には日曜日、荒天等の作業休止日や、ゲート前の座り込み等のため週に3~4日の搬入がやっとだろう。そうすると、石材の搬入だけで4年もかかってしまうことになる。また石材だけではなく、他の資材の搬入も必要だからさらに時間がかかるのは必至だ。
これらの護岸工事は、今回の事業の中では比較的容易な工事だ。大浦湾の深場での鋼管矢板打設、海上ヤード造成や大型ケーソン設置のための大量の基礎捨石投下やケーソン据え付け、そして2,100万㎥もの大量の土砂による埋立など、技術的にも難しく、時間のかかる工事が控えている。陸路からの石材の搬入に4年もかけていては、護岸工、埋立工の完成はそれこそ何時になるか分からない。
この点からも、ゲート前での座り込み行動の重要性は明らかである。
(注)ここで述べた数字は、あくまでも陸路、搬入される石材を積んだダンプトラックの数に限られる。海上ヤードやケーソン護岸の基礎工のために、海路、船で搬入される石材量は、まだケーソン護岸の半分以上の工事契約が終っておらず、設計書も公開されていないので詳細は不明だ。しかし、新基地建設事業で必要とされる石材の総量は150万㎥と言われているので、海路、船で搬入される石材の量は120万㎥以上にもなる。