今日(6月21日・火)は、午前中、名護市で本部塩川港の辺野古埋立土砂搬送問題について沖縄県北部土木事務所交渉(本部町島ぐるみ会議主催)、午後は、嘉手納町で大浦湾の赤土汚濁問題等についての沖縄防衛局交渉(ヘリ基地反対協主催)に参加した。
しかし、朝の沖縄タイムス紙が、糸満市熊野鉱山の開発問題について公害等調整委員会が示している和解案に、「県が合意を検討している」と大きく報道したため、交渉の前後、電話やメールでその対応に追われた。和解案への回答期限が23日という急な話なので、北部土木事務所、防衛局交渉の報告は後日とし、この問題について説明したい。
ともかく和解案の内容は全くひどいものである。沖縄タイムス紙によると、「遺骨が発見された場合、業者は周辺半径5mで工事を2週間中止し、県などに調査や収集を依頼する」というだけで、当初の措置命令にあった「事前の報告や協議」は無くなっている。さらに、「近くにある慰霊碑の区域の風景への影響にも触れていない」という。
要するに、業者が「遺骨が発見されなかった」といえば、そのまま掘採を続けることができるというものであり、とても認めることができない。
さらに、回答期限は23日だという。この件については、一昨年からあれだけ大きな問題となったが、県は、ハンストを重ねた具志堅さんや県民に何の説明もせずに公害等調整委員会に受諾の回答をすることなどあり得ないだろう。
とりあえず、明日22日(水)午前9時から具志堅さんたちと一緒に、所管の沖縄県環境部に説明を求めることとなった。さらに、開催中の県議会の陳情提出期限が今日までだったので、具志堅さんから県議会に「このような和解案に応じないこと」という陳情書を提出した(末尾参照)。
今年も、明日22日から慰霊の日の23日にかけて、具志堅隆松さんや宗教者グループが、遺骨混りの土砂を埋立てに使わないよう求めるハンストに入る。22日午前11時からは、「平和の礎」に刻まれている戦没者名の読上げも予定されている。是非、多くの方が平和祈念公園に集まっていただきたい。
(2022.6.21 QABテレビニュース)
2022.6.21 沖縄タイムス
沖縄県議会議長 赤嶺 昇 様 2022年6月21日
公害等調整委員会の和解案に応じないよう求める陳情
陳情者 具志堅 隆松
<陳情の理由>
2021年5月県が熊野鉱山に対して出した措置命令に関して、熊野鉱山は同年9月公害等調整員会に措置命令を不服として取り消し請求を行っている。6月21日の沖縄タイムスは公害等調整員会が提示した熊野鉱山と県との和解案を報じた。
この和解案は遺族、県民の願いを全く無視するものである。
措置命令1について、「遺骨が発見されたときは周辺5mの範囲で2週間工事を止め、戦没者遺骨収集情報センターなどに調査と遺骨収集を同期間内で終えるよう伝えるよう、業者に求めている」と報道されている。これでは5mを超える範囲で遺骨の保全、調査、収集が行われないことになり、遺骨の尊厳を守ることにはつながらない。
措置命令2について、「風景に影響を与えないよう必要に応じて植栽等を行う」という戦跡国定公園内の風景を保全するという目的は反故にされている。
措置命令3について、「原状回復」がなされなくなり、原風景を損なうことになる。
措置命令4について、業者の乱開発を予防することができない内容になっている。
そもそも、戦跡国定公園の原風景を保存し、土の中に眠っている戦没者遺骨の尊厳を守ることが本来の目的であるはずである。これらすべてを反故にしようとする和解案は認められない。
また、遺族の意見や気持ちを県及び公害等調整委員会はこれまで一度も聞き取りをしていない。遺族の意見を聞くことから始めるべきではなかったのか。
こうしたことから、私たちは今回の公害等調整委員会の和解案について反対である。沖縄県がこの和解案に応じないよう求める。
<陳情の内容>
・戦没者遺骨の尊厳を守るために、沖縄県が公害等調整員会の和解案に対して拒否するよう県議会の働きかけを求める。