チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

10月、11月で10万㎥の土砂を搬送したのに、「辺野古側埋立の進捗はゼロ」とは? 工期も来年2月末まで再々延期。あまりにふざけた防衛省の対応

2023年12月07日 | 辺野古/ 本部塩川港・安和桟橋

 この間、辺野古側の埋立が完了したにもかかわらず、防衛局は、本部塩川港・安和桟橋から埋立土砂の海上搬送を続けていることを指摘してきた(たとえば、11月22日のブログ参照)。現在、行われているのは、設計変更申請の内容である大浦湾の埋立土砂を辺野古側に仮置きするための土砂搬送である。設計変更申請が承認されていないにもかかわらず先取りして実施するのは、公有水面埋立法に違反する。

 特に許されないのは、防衛局は、沖縄県に対して、埋立土砂量について虚偽の報告を続けていることだ。

 たとえば、辺野古側の埋立に必要な土砂は、319万㎥だが、防衛局は、「本年9月末時点で318万㎥の土砂投入が終り、残りは1万㎥」と回答していた。すなわち、9月末で99.7%の埋立が完了していたのだ。今までの実績で見ると、1万㎥の土砂搬送には1週間も要しない。

 ところがその後、防衛局は、「10月末時点もやはり318万㎥」と回答したのだ。本部町島ぐるみ会議は連日、午前7時から午後8時過ぎまで、本部塩川港、安和桟橋で、辺野古に土砂を搬送するためのダンプトラックの台数をカウントしている。10月の1ケ月間でダンプ20,532台(約6万㎥以上)の土砂を搬送したにもかかわらず、10月中はいっさい埋立は行っていないというのだ。

 防衛局は県に、「赤土流出防止対策のための土砂で、埋立には使用していない」と説明したというが、赤土対策のために大量の土砂を使うというようなふざけた弁明は通用しない。

 今の辺野古側の埋立工事(「シュワブ(R4)追加埋立工事」)は、当初、本年6月末までの工期だった。私たちは7月の時点で「埋立は完了した」と指摘していたが、その後、8月末まで延長され、さらに11月末まで再延長されていた。私は、「9月末で残りわずか1万㎥となったのだから、当然、11月末で工事は完了しているはずだ。工期延期したのか」と防衛局に照会していた

 防衛局の回答は遅れたが、やっと12月4日になって、「この工事は来年2月末まで工期延期した」という回答が来た(この日、報道機関に対しても同様の回答があり、5日付の琉球新報で報じられた)。9月末に残り1万㎥になったにもかかわらず、さらに5ケ月もかかるというのだ。

 これは、さすがに設計変更申請が承認されていない現状では、「土砂の仮置き工事に着手した」と言うと違法になるので、「来年2月までは、今の埋立工事で、赤土対策ための土砂搬送」で押し切ろうとしているのだ(9月末から11月末まででは、ダンプ32,929台(約10万㎥)の土砂が搬送されている。さらに3ケ月も工期延期して、いったいどれほどの土砂を「赤土対策」と称して運ぶのであろうか?)。こんな虚偽説明は通用しない。代執行訴訟が決着し、国が設計変更申請を代執行した時点で、「埋立は完了した」と言うのであろう。

 

 この問題について、伊波洋一議員が、12月5日の参議院外交防衛委員会で、「赤土対策に大量の土砂を必要とすることなど聞いたこともない」と質問した。

 防衛省は、赤土対策の内容について次のように回答した。

・「赤土流出防止対策を行っている。雨水調整池を設けるために必要な土砂を搬入している」、「雨水調整池を埋めるためにも土砂が必要となる」

・「陸との際の部分に土嚢を積むために、必要な土砂を搬入している」

 雨水調整池を設けるためには土砂など必要がないし、雨水調整池を埋める場合の土砂は、埋立に必要な全土量(319万㎥)に含まれている。また、土嚢作成のための土砂量など限られている。

 「赤土対策」の具体的な内容は何もないのだ。

 

 本部町島ぐるみ会議は、12月18日、この問題について、屋良朝博衆議院議員同席のもと、沖縄防衛局長交渉を行う。

 

 

  (12月5日の参議院外交防衛委員会で質問する伊波洋一議員)

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