今日(5月9日・金)、うるま市島ぐるみ会議と沖縄平和市民連絡会は、知事充てに、平安座島の埋立地の民間桟橋からの辺野古埋立土砂搬送についての要請書を提出し(下記に添付)、土建部海岸防災課と港湾課との意見交換を行いました。
なお、この日、沖縄平和市民連絡会は海砂採取の規制を求める要請書も提出しましたが、それについては後日、掲載します。
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沖縄県知事 玉城デニー様 2025年5月9日
平安座島の埋立地の民間桟橋からの辺野古埋立土砂搬送についての要請
うるま市島ぐるみ会議
共同代表:山内末子、照屋大河、仲宗根勇
照屋寛之、伊波義安、平安山英盛
沖縄平和市民連絡会
共同世話人:高里鈴代、真喜志好一、松田寛
宮城恵美子、城間勝
辺野古新基地建設反対を県政の柱として、日々の業務にあたっておられることに敬意を表します。
沖縄防衛局は、本年3月から、うるま市与那城の平安座島・宮城島間の埋立地(以下、「沖縄石油基地」)の民間桟橋から、宮城島の鉱山の土砂を大浦湾に海上搬送を始めました。
この埋立地は、1975年に竣工した「平安座島及び宮城島間公有水面埋立事業」により造成されたものですが、今回、土砂の海上搬送に使用されている桟橋は、埋立竣工後、知事が港湾法第37条第1項の規定に基づき、沖縄石油基地㈱に対して、水域占用許可を出したものです。この占用許可は3年毎に更新されており、直近では、本年3月27日、3年間の占用期間更新許可が出されました。
この桟橋からの土砂海上搬送は下記のとおり認められないものであり、知事として毅然とした対応をとられるよう要請します。
記
1.辺野古新基地建設事業の設計変更申請書に添付された「埋立に用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書」(以下、「土砂に関する図書」)の「採取場所及び搬入経路図」では、宮城島の土砂は中城湾港まで陸上搬送し、同港から大浦湾に海上搬送すると図示されています。
宮城島の土砂も、当初は中城湾港から海上搬送されていましたが、防衛局は、本年3月から沖縄石油基地内の民間桟橋からの搬送に変更しました。埋立承認の際の留意事項では、「『土砂に関する図書』の変更は知事の承認を得ること」とされていますが、防衛局はその手続きを行っていません。
知事は、本年3月6日、「知事の承認が必要であり、それまでは搬出を中止すること」との行政指導を行いました。しかし中谷防衛大臣は、「『土砂に関する図書』」の記載は、『概ねの経路』だ」として、「知事の承認を得る必要はない」と開き直り、作業を続けています。「概ね」で済まされるのであれば、承認申請の意味はありません。
公的機関が知事の行政指導に従わないことなど許されず、知事として毅然とした対応を取るべきです(この行政指導は、辺野古新基地建設事業関連で53回目のものですが、防衛局は、全て指導には応じていません)。
今後、今回の留意事項違反行為に対して、どのように対応されるのかご説明ください。
2.今回、土砂を積みだしている沖縄石油基地内の民間桟橋は、前述のように、知事が港湾法第37条第1項の規定に基づき、沖縄石油基地㈱に対して、水域占用許可を出したものです。公共の海の占用許可ですから、許可条件や占用の目的に従って使用しなければならないことはいうまでもありません。
知事は、この桟橋の水域占用許可にあたって、下記のような許可条件を付しています。
「1.許可を受けた者は、この許可に基づく権利を譲渡し、転貸し、又は担保に供してはならない。
11.許可条件に違反したときは、本許可を取り消し、変更し、又は原状回復を命じることがある。」
また、沖縄県港湾管理条例第11条でも同様の規定が定められています。
今回の辺野古への土砂海上搬送のための桟橋使用は、水域占用許可を受けた沖縄石油基地㈱自身が行っているのではなく、辺野古新基地建設事業の埋立工事を受注した業者が行っているのですから、まさに「許可条件1」が禁止する「転貸」に該当することは明らかです(注1)。
また、この桟橋を、石油基地と関係のない鉱山からの土砂搬送に使用することは、水域占用許可の目的外使用でもあります。
知事として、この桟橋からの埋立土砂搬送作業を中止するよう指示し、従わない場合は、許可条件違反として、水域占用許可を取り消されるよう要請します。
(以上)
(注1)
2018年当時、名護市安和桟橋からの辺野古への土砂海上搬送が始まった際も、同桟橋の「転貸」が問題となった。その際、沖縄県は、「安和桟橋の設置許可は琉球セメントが受けているので、安和桟橋を沖縄防衛局が使用した場合には、『転貸』に抵触する可能性がある」という見解を文書で示した。