
光泉寺をあとにして おばあちゃんが近くの妹の家に寄るので私もついていきました。
なにやらお寺下の家に目に痛いオレンジ色のチョッキを着た人が数人、ガヤガヤしていま
す。玄関先の軽トラックの荷台には猟犬が乗せられ、出発を待っています。私はこの犬の
写真を撮ろうと立ち止った時物陰からいきなり飼い主なのか男性が出てきたので「勝手に
写さんといて」とか言われるかと思ったので先に「これから猟ですか?」ときくと
「はい」と静かにうなずきます。あまりに静かだったのでこれで山の中で大丈夫なのかな
と、私が心配になりました。この犬は耳が三時の形に折れています。戦いの結果なんでし
ょうか・・・。軽くお辞儀をして隣の家の前に来るとそこの玄関先にも軽トラに猟犬が。

この二頭は体が小さいのにへんに落ち着いています。猟師よりも猟犬のほうが落ち着いて
いるみたい。おばあちゃんは「子供の頃 父親がシシ(イノシシ)撃ちに行くのに、朝か
ら猟師仲間が家にやって来るんやけど、ゴチャゴチャ話ばっかりしてなかなか出発せんし
登校中に猟師の人と道で出会ったりした。あれは山の中での持ち場の確認やら作戦みたい
なことやってんな」と言っていました。三尾川のおじさんはもう猟師をやめたような話を
聞いたけど、人に向けての発砲事故や猟犬がイノシシに襲われたりしないことを思うわ。
頑張って働いても、年をとったら山において(捨てて)いかれる。いつからそんな薄情な
猟師、これはハンターと呼ぶべき人たちでしょうね。趣味で銃の免許をとる、そんな人た
ちばかりなのか、自分の飼っている犬の最後までみる事ができないハンターは猟師ではな
いです。余生をのんびり過ごさせる、そんな資格試験もやればいいのに。プンプン!
我が家の近くでも猟犬が山に入ってワンワン吠えていることがあり、早く猟師が助けにい
ってあげないと、獲物について走るばっかりで疲れるやん・・と心配します。その声に
反応するわけではないけど、こげが遠吠えをはじめました。最初は夕方五時の『串本節』
のチャイムに合わせて、最近は終わるまでの間息継ぎをしながらワォ~ンを五回。おかし
なことに役場からの町内放送で、一人の男性の声に遠吠え、あれは仲間とみなしてるのか
嫌いな声なのか・・・。この二日間、朝の暗がり、5時過ぎに少し遠慮しながらワォ~ン
道を人が歩くのでも、犬が散歩してるわけでもないのに・・・。こっちの姿が闇の中で
見えないから、もっと力強く遠吠えしたら映画や動物番組のオオカミのように聞こえて
かっこいいんだけど。