・・・あ、セナがしんだ
ガンちゃんが電話口でそう呟いた。
ちょうど、おじゃ丸が「新バンド結成」の話を
している時だった。
世界的に有名なレーサーが一人
この世からいなくなったその時に
世界的に有名な(?)あのバンドが
この世に生まれたのである。
それから25年。
ガンちゃんは特注の牛柄ギターを携え
特注かもしれない牛柄のショーパンを履いて
ステージ上手で爆音を轟かせ
おじゃ丸、今はアカザワサトルは
ピンクの怪しいつり革を持って
ステージ中央で踊り歌い
後方ではカワイさんが
ドラムスティックを縦横無尽に走らせ
割れよとばかりにベードラを踏み続け
中央下手寄りには
ギラギラしたサックスをパワフルに鳴らしまくるミヤサカ
下手に真っ赤なベースを
妖しく光らせるラバンバ
そして両国サンライズを埋め尽くすオーディエンス。
それが今日の
コブラツイストアンドシャウト
25周年記念ワンマン。
オープニングアクトの
激辛キヌガサンドパーティは
見てるだけで先日の
地獄のカレーパンが
舌の上に蘇り
幕開け、「たんぽぽ」で
いきなり心を鷲掴みにされた
かと思えば
いまだかつてライブで
たった一度披露しただけという 「感情標識」で
客大半はおいてけぼり。
受けを狙うんじゃなく
25周年の歴史のなかで
自分達がこれぞと思う
楽曲で構成された
「攻めのライブ」は
もうどうしようもなく
潔く清々しくカッコいい。
最高傑作のひとつと呼び名の高いものの、世の中の情勢に鑑みてこれまで自粛していた
「このメガネは俺のじゃない」
まさかの視力調整用「博士みたいなメガネ」を着用してのステージングにファン熱狂。
えっと、一言でいえば
「ファンクロックコミックバンド」です
と、ライブ前々日の弾きかたりの夜に、にこやかに説明していた赤澤マスター。
その時は少しだけ、なんだそりゃ、と思ったんだけど
ライブにダイブしたらもう
それ以外のなにものでもない
ということがよーくわかる。
怪しげなエスニックテイストの
曲紹介とか
約一年かけて全力でラバンバをハメる策略を練るとか
激辛なんかはいわずもがな
お客さんを楽しませたいのはもちろんなんだけど、
そのまえに自分らがめちゃめちゃ楽しんじゃってる五人衆。
25周年記念ソング
「僥倖」。
赤澤さんの日記
「メジャーからの生還」
を読んでるひとにとっては
あれだけのボリュームを
よくぞこの曲ひとつに
満載させたなぁと
感心せずにはいられない歌。
ifはナンセンス、と
いつも思ってるのだけど
もしあの音楽事務所の社長が
とんでもなく善い人で
そのまんまスルスルと
デビューして売れてたら
わたしは珈琲文明で
美味しい珈琲を飲むことも
えー、学校同期だったんですか?なんて懐かしい話をすることもなく
カフェ開業ラボでレポート書かせてもらうことも
25周年ライブに行くことも
なかったのだ。
「タイミングにありがとう」
そう、ほんとうに
ありがとう。
有ることが難しいと書いて
有難う。
。。。
あああっ
「ゼットン」
やらへんかったやないか
もう
今夜は寝られん
しかたないから
ユーチューブ
見よっと