まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

第2回 ミサリングファクトリーお菓子コンテスト お題「あんこ」

2018-10-22 19:27:42 | お菓子作り


我がフランス菓子の師のたまいし
「あたし、和菓子の方が好きなんだよね。」

あら、まあ。

そのせいかどうか知らないけど
去年、初めてのお菓子コンテストのお題は
「和三盆」でしたので
2年続けて和ネタです。
去年はくるみぷりんを出品。
丁寧にごりごり擦った香ばしいくるみと
豆乳、本葛を合わせたふるふる触感のプリンを
和三盆の上品な甘さで仕上げました。
おかげさまで3位入賞。
嬉しかった。
でも、悔しかった・・・何故優勝じゃないのだ・・
そして他の出品を見て学んだのです。
演出、大事。
レシピくださいって言われてその場で
なんかの紙にコリコリ書いてる場合じゃないんです。
お品書きも当日現場で適当に書いちゃったし。
優勝したのは美しい絞りの工房直買い付けの風呂敷に
綺麗にカットしたフルーツなどを盛り付けたお椀を並べた
「あんみつ」でした。
2位はMs.Perfectの異名を持つあのお方。
クオリティがもう半端ない。
そのまんまどこかのお店のショーケースで
一個300円で売れちゃうような「ダックワーズ」。

そこで今年はまず、見せ方の勉強から。
日本橋のデパート催事の「あんこ博覧会」に行ってきました。
希少種のあずきが材料のあんこは
高級な味噌みたいに巨大ジェラート風に樽に盛り上げたり。
どら焼きの片方の生地にあんこを乗せた土台に
その場でソフトクリームを渦巻きにしてくれたり。
福井の冬の名物「水羊羹」は3つのお店の違う味を
一皿で楽しめました。
特に目を引いたのは、細長い七輪の上で炙った皮で
作ってくれる最中と
栗やカシス、オレンジ、抹茶などのフレーバーの
カラフルなあんこ玉を串に刺して寒天液を塗った
「かんざし」というお菓子。

いろんな色、いろんな味のまんまるあんこを
炙りたての皮で挟んだ最中、というのが浮かびました。

色を入れるには白あん。その時点で自作の線は消えました。
白いんげん豆をあんこに仕立てるのはなかなか大変。
美味しくできたことほとんどないし。
幸いにも我が家の隣町には大正時代から続く
あんこの名店があります。最中の皮も売ってます。
難点は営業時間。5時に閉まっちゃうのです。
会社の昼休みに他の用事をくっつけて中抜けし
車を乗り付けました。
白、黒合わせて2500グラム買う奴なんて他にいるかしら。
(ムスメの分もね)

フレーバーをいくつか試作。
夏に作った杏ピュレは水が多くて難しい。
栗の渋皮煮を作って混ぜたら家族の評判いまいち。
柚子の表皮を削って混ぜたのはとてもいい感じ。
苺パウダーは分量が決まるまでちょっと迷走。
抹茶は製菓用じゃなくてちょっと高級なものがいいよ、と
これまた家族のアドバイス。

最終的には、柚子、苺、栗(甘露煮で)、抹茶、こしあんが
選抜メンバーとなりました。

コンテスト前日、先生に、あんこと皮は薩田さんで仕入れたと話すと
それはもう絶対美味しいやつじゃん。と笑ってます。
そう、もう何にもしないでそのまんま出せば確実に美味しい、
けど、あかんあかん、コンテストやし。

作り置きはできないので、当日の朝は5時半起き。
5種のあんこを作り、それぞれ20個ずつ丸めます。
車に積み込み、ドライバーしてくれるだんな様に
「急発進、急ブレーキは無しでお願いします」と。
丸い形が大事なのです。
無事到着してしまえばあとは会場セッティングのみ。
スタジオでは中学生ちゃんたちが作品の仕上げをしています。
生クリーム泡だてたり生地をスライスしたり。
思った以上に時間がかかり、焦る焦る。
間に合ってよかった。
13時には6人の出品者の作品が無事並びました。
お客様がスタジオに入ってきて、お品書きを眺めつつ
お菓子をお皿に乗せていきます。

エントリーは
1番 おまんじゅう
キッズからおやつコースに進級したばかりのAちゃん。
3種の皮とあん、チョコレートとナッツのフレーバーが美味しかった。

2番 和むら
おやつコースのNちゃん。
出典は漫画なのですって。スウェーデンのお菓子をアレンジ。
ブリオッシュから焼いたっていうから驚き。

3番 あんケーキ
Ms.Perfectこと博子さん。
ビスキュイにクレムシャンティショコラ、ババロアズ オ あん。
世界で一番好きな組み合わせがビスキュイとババロアズなのです、私。

4番 米粉のケーキ
おやつコースのMちゃん。
グルテンフリーですって。ふんわりしたスポンジに白玉粉のお餅とあんこ。

5番 練りきり
ムスメ。
5種類の中から好きなものをその場で実演製作。技が光ります。

6番 いろどり最中
私の。
皮はコンロで炙ったものを都度お渡しします。
甘いものばかりではかわいそうなので
「塩こんぶ」をサービス。

そして先生は美味しいオニオンスープを、
だんな様はネルドリップコーヒーを提供してくれました。

審査員の皆さんは楽しく召し上がりつつ
配点に苦しみます。
一方でスタジオでは出品者がワイワイと試食会。
練りきり作ってみたい、という博子さんは
ムスメと一緒にこねこね。

皆さんが作った人の説明を聞きたいというので
サロンに並んで一人ずつプレゼン。
そんなことすると思ってなかったお子さんらは
つっかえたりしながら一生懸命話します。
そしてスタジオに戻って
「あ〜、あのことも言うの忘れた・・・もうだめだ・・・」
だめじゃないってば。

そして結果発表。
3位からいきま〜す、と言われて
いきなり名前を呼ばれました。
うわ、嬉しい、嬉しいけど早いっ

2位は博子さん、1位は米粉のケーキのMちゃん。
「グルテンフリー」という言葉と
完成度の高さが刺さったようです。

寸評を書いてくださったのを
ありがたく読みました。
「皮が自作でないから減点」というのに
うっかり笑ってしまった。
最中の皮か・・・作れるかな・・・

惜しくも入賞逃したお子さんらは、目に見えてがっかりしています。
でもそんな経験、今しておくことはだいじなのではないか、と思うのでした。
いつもいつも手を繋いでみんなでゴールってぇわけにゃいかないのが人生さ。

終わってから先生が
「でも影の優勝は塩こんぶ」ですって。

来年は表で優勝したいです。

楽しい機会をくださった先生、
ご一緒した皆さん、
あんこをたくさん召し上がってくださった皆さん、

ありがとうございました。