まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

なりたい人になれるんだ

2016-03-29 19:14:46 | 日記
はじめて会ったmちゃんは
中学一年生でした。
背がすらりと高く
賢そうな顔立ちで
はにかむような笑顔は
なんだかもっとお姉さんに見えました。

お菓子教室ではセンバイでも
二歳年上のmちゃんは
ムスメにとってはまさに
憧れてたお姉さんの到来です。
毎月のレッスンが
ますます楽しみになりました。

お教室の周年祭では
一緒にキッズカフェの企画をしました。
後輩のこどもたちに指示しながら
お菓子を作ったり
注文をとったり、配膳したり
片付けから会計の締めまで
試行錯誤、一生懸命。
お客さんにたくさん来ていただけて
嬉しい体験ができました。

キッズカフェはその後
スクールカフェという名前に変わりましたが
周年祭の恒例行事になり
mちゃんが選んだ
可愛らしい表紙のカフェノートは
毎年の幹事さんに脈々と
受け継がれています。

内申点がそれだけあれば
もっと偏差値の高いところへ
行けるでしょう?と
周りに言われても
行きたい高校を自分で選び
食の仕事に就きたいと考えて
遠距離通学ものともせずに
専門的な勉強のできる大学へ
進みました。
お菓子教室には途中から
生徒だけではなくスタッフとしても
関わるようになり
優しい笑顔で励ましてくれる
「mちゃんせんせい」は
小さな子たちの憧れです。

いつも穏やかな表情のしたに
しっかりとした芯を持ち
真面目に努力するmちゃんは
この春から地元老舗のケーキ屋さんで
働くことになりました。
お菓子教室から初のパティシエが
誕生します。

毎朝7時に出勤、朝ごはんや昼ごはんの
休憩はさんで夜7時閉店まで。
ハードなお仕事です。
ミサリングファクトリー仕込みの
お菓子をつくる技術の高さはあっても
新しい環境に馴れるまでは
色々大変なことでしょう。
それでも、好きなことを仕事にできるのは幸せだし
それをかなえられるのは、これまでの
努力の積み重ねあればこそ。


いつかmちゃんの職場見学に
お教室の子たちが行く日も来るかもしれません。
かっこいい先輩の姿を見て、あんなふうになりたいなぁと思う子が
mちゃんの後に続くかもしれません。
それはたぶん、パティシエに限ったことじゃなくて
目標を持ってそこに向かって動くことが
どういうものなのかを知るきっかけに
なると思うのです。

目標を持ってそこに向かって動く、
というのは
ミサリングファクトリーのDNA
でもあります。
例えば5歳の生徒でも
このゴムべらをどうやって動かせば
クリームがきれいに取れるか?とか
小学生になれば、
このお菓子をふたりで作るには
どうやって作業分担したらいいか?とか
そういう小さな思考と判断と行動を
繰り返すことで
美味しいお菓子にたどり着けるわけです。
そうして出来たお菓子を家族にふるまって、喜んでもらえれば
それがまた次への原動力になります。

去年卒業して日本料理店で働いてるmちゃんも(どっちもmだ)そうですが
社会にどんどんDNAを広げていくんだなぁ、と思うと
うちの師匠の言う「世界征服」もとい「世界平和」はダテじゃないのです。
再来年、ムスメはどんな道をゆくのかな。
そして何年後かの私はあの道を行けているのかな(笑)

mちゃん、長い間ムスメの面倒をたくさん見てくれて、ありがとう。
ケーキ買いに、会いにいくよ。