11歳のとき、地元の合唱団に入り
素敵な先生に声をうんとほめられたのも
とても嬉しかったのだが
それ以上に嬉しかったのは
優しい面白いお姉さんが
たくさん出来たことだった
三姉妹長女の私にとって
まさに夢のような空間
合宿で寝ずに大騒ぎしてると
先輩がコワイ顔して叱りにくるのだけど
それさえも新鮮で嬉しい事だった
ひとりっこのムスメにとっての
夢の空間はお菓子教室だったのかもしれない
美人で優しくて華麗な手さばき
そんなお姉さんに囲まれて
さぞやしあわせなことだったろう
私も彼女らを小さな頃から知っているので
なんだか身内みたいな気分
mちゃんはそのなかのひとり
お教室に通ううち、お菓子作りを
本格的に勉強したいと
調理学校へ進み、
そこで、日本料理のおもしろさに
夢中になった
卒業間際、念願の日本料理店の
勤め口を学校から打診されたが
勤務地がオランダだという
海外勤務も夢のひとつだったので
mちゃんの決断は早かった
この夏には現地へ、と
前から聞いていたのが
ずいぶん早まってしまい
以前から、日本をたつ前に
連れていきたい、といってた
鎌倉のカフェへのお誘い実行が
慌ただしく決まった
ほかに、我らが釣り部師匠m氏と
お菓子教室のお姉さんmちゃん
(ぜんぶmだ)
総勢6人のぱっと見関係性の謎な集団
お昼前に集合、途中電車のアクシデントもあるなか、どうにか集まって
北鎌倉の古民家カフェへ
そこから八幡様近くのひもの屋、
モカの神様の小町通のカフェ、
ガレットのおいしい店、、、
オランダってどんなところ?
お仕事場には何人くらい人がいるの?
住むのはどんなところ?
たくさん歩き、たくさん食べながら
みんなでいろんなことを
mちゃんにきいて
mちゃん自身もあんまりよく
しらない(教えてもらえない)ことが
あるということや
空港に迎えにさえ来ないという
先方のスパルタぶりに驚いて
あらためて、じゃっかん20歳で
そんな環境に飛び込んでゆこうという
mちゃんの勇気に感動した
大きな瞳と明晰なアタマと
しなやかで強い心とで
たくさんのことを学び
じぶんのものにして
表現できるひとに
なるんだろう
それは確信でもあるけれど
不安や寂しさやつらさを
笑顔でカバーして
ガッツではねのけて
いくんだろうな
と思うと
なんだか胸がいっぱいになる
駅でわかれるとき
がんばって、でも、
がんばらないで、と
わけのわからない挨拶をしてしまったら
やっぱりにこにこ笑ってたmちゃん
次に会うときには
どんな素敵な人に
なってるだろう
そんな楽しみをくれたことに
感謝しながら
いってらっしゃい!