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まくとぅーぷ

作ったお菓子のこと、読んだ本のこと、寄り道したカフェのこと。

カフェ アンセーニュダングル

2016-03-12 16:15:02 | カフェ


カフェノワール
750円

青山にもあるこのお店
前にブレンド頼んだら
作りおき暖めて出されて
凹んだ

ノワールは
びしっ!とネルで
都度淹れてる

地獄のように熱く
絶望のように黒い
珈琲ください

って
子供の頃読んだ漫画の台詞

どんな漫画だよ

どんな子供だよ

さっきまであたたかな店で
まどろんでたんだけど
飲んだら、肩つかんで
ぐわんぐわんされて
起きろーー!!って
やられた

よいもの
いただきました

猿のおやじは機嫌がいい。

2016-03-08 21:07:14 | カフェ
気合を入れないと降りられない駅
代官山

なにしろそこいら歩いてる
犬までお洒落なんだもん
なあに?フェラーリのベビーカーて


うちの師匠の師匠である
とおるちゃんの店がある街でもあるし

なんだかとても変わったおやじの
カフェがある街でもある

カフェの名前は
猿楽珈琲という
地名をそのままつけるという
素直なネーミング

入り口のちいさな木製の看板には
出すまで時間がかかることと
ミルクと砂糖はないことが
そっけなく書かれてる

細い階段を降りると引き戸の入り口
中は薄暗くいくつもの間仕切りがあり
店の全貌はよくわからない

お水を運んできた
強面のおやじが
「ふつう、にがい、濃いのどれ?」
と聞く
メニューはほかに
チーズケーキ200円とか

注文を受けるとおやじは
ネルでゆっくり落としてくれる
運んできたおやじに
珈琲と引き換えに現金を支払う
おやじはそそくさ帰っていく

お菓子はどれも小さいけれど
ちゃんとおやじが作ってる
ふつうの材料を使い
へんな添加物などがないから
ちゃんと美味しく食べられる

薄暗く静かな店のなかは
落ち着けるっちゃ落ち着けるけど
とにかくあんまり歓迎されてる気分がしない



って
いうのが
以前の猿楽珈琲なのね


江戸の一等地を離れ
横浜は弘明寺に移転した
猿楽珈琲に行ってきた

バス通りに面した
引き戸の入り口
脇にあの木製の看板

がらがらがら

「いらっしゃーーい」

え?

え??

猿のおやじ
笑ってる?

細くて急な階段をのぼって
2階席へ

なんだか明るい客席
調度品は以前の店から持ってきてるけど
明るいところだとこの壁掛け時計
シックで素敵ね
前はおどろおどろしく時を刻んでいたのに

「ふつう、にがい、濃いのどれ?」
そのへんは変わらない
あ、チーズケーキは300円になってる
でも珈琲は安くなってる
キャッシュオンも変わらない
でもなんだか
なんだか

おやじすこぶるにこにこしてる

代官山
そんなに辛かったんだろうか

久しぶりにいただくネル
とろりとすっきりと甘くて美味しい珈琲

ついでに
久しぶりにおやじのブログを読む

大岡川の桜を眺めたり
お客さんと喋ったり
焙煎がうまくいかなくてへこんだり
相変わらず文体は超面白いし
イルガチェフェに襲いかかる獣のなにやら
とか、ちょっと何言ってるかわかんないけど
向上心に満ちたエントリーなのは
わかる

今度は話しかけてみようかなあ


ぐっと素敵になった猿楽珈琲
ちょっと嬉しい
やっぱりどうせなら
にこにこしていかないとね
わたしもね

がんじつびー

2016-01-05 19:36:40 | カフェ


小町通をちょいと脇に入り
玉砂利の小路をつきあたると
そこにあるのは瀟洒な建物

CAFE BEE
蜜蜂が集う(に決まってる)
花溢れるお庭

オーナーは写真家さん(アーティストでもある)
真っ白な髪に黒縁めがね
たいそうお洒落なおじさまで
よく、お客さんらと
へんてこなポーズで
記念写真に収まっている



元日の鶴岡八幡様詣での帰りに寄った
オーナーはいなかったけど
感じのよい女性スタッフ3人が
忙しそうにしてた

おめあてのモカはなく、グアテマラとオリジナルブレンドのみ
それぞれひとつずつオーダー
まことにコーヒーらしい風味のコーヒー
どこにもひっかからず、するっと飲める

そう、オーナーが手回しロースターで焼く
モカは本当に絶品で
我が家では彼を「モカの神様」と呼んでいる

ただ、おそらく気が向いたときにしか
彼はモカを焼かないし
ましてや大晦日だの元旦だのには
焼くわけない



デザートプレート、この際だから
3種全部頼んでみた
小鳥のクッキーにはレモングラスが
たっぷりかかっていてしゃりしゃり
ガトーショコラはクラシカルなスタイル
チーズケーキはニューヨーク風
生姜パウンドは見た目によらず繊細な風味



この店のしつらえでどこが一番好きっていったら
この角のガラス窓
活けてある花に陽射しがふりそそぎ
このうえなく美しい景色となっている
露出をうんと下げて光を際立たせる写真が撮りたくなる

オーナーがいるときにモカを注文し
美味しさにむせび泣きながら
「ほんとにおいしいです、しあわせです」
と伝えたときの
目尻のうんとさがった笑顔が
めちゃくちゃキュートなんだよね

またそれを見に行きたいな


白楽ベーグル

2014-09-07 11:10:47 | カフェ


昨日、おいしいジャム買ったから
今日はおいしいパンを買わなきゃ。

隣町、白楽の
心あたたまる
ベーグル屋さん。
若いご夫婦でやっているお店。

扉をあけたら、奥さまが。
あ、おひさしぶりです!って
いってくださった。

ごくたまにしか行かないのに
ちゃんと覚えててくださるのは
ありがたい。

お子さんは二歳半になったとか。
追いかけるのが大変です、と
笑う奥さま。

以前はここにはカフェスペースもあって
シンプルな木の作りがとても好きだった。
奥さまご懐妊で、人手がなくなり、
販売のみとなったのだが

今日、あの笑顔を拝見して
復活も近いかな?と
ひそかに期待。

日曜とはいえ雨のおかげか
ベーグルの種類がたくさんあって
迷ったあげく
プレーン、全粒粉、オレンジクリームチーズ、マカダミアペッパー、くるみいちじく。

さらに、ショーケースのなかにあった
あんこバターサンドと
サーモンクリチーサンドも。

カフェがあった頃に頼んでいた
メープルロールにも惹かれたけど
昨日はタルト二切れたべたし
ホールの半分まだ残ってるし
ジャムもたくさんあるし
ここはがまん。

それだけ好き勝手しておいて
がまんってこともないけど。

横浜に引っ越してきて
12年経ち
近所のお店にもなじみができて
お互いのこどもの誕生や成長を
喜んで見守るような繋がりが
とても嬉しい。

ひとつきばかり先取るような
冷たい雨の朝だけど
キモチとおなかは
ほかほかしてる。





珈琲文明ライヴ

2012-11-24 11:44:39 | カフェ
シックなしつらえのカウンター
目の前に並ぶサイフォンの丸いシルエット
レトロなガス灯 重厚なチェロの調べ
青空と星空を交互に映す天井

の、均衡を破るかのように響く
熱いアコースティックギターと歌

それが、毎月第4金曜日の
珈琲文明ライブである

今回のテーマは
「セルフプロデュース能力に長けた歌手ベスト7」

なぜ10でなく7か、は、尺のモンダイ?笑

栄えある受賞者と楽曲は

奥田民生 イージュー☆ライダー

沢田研二 サムライ

YUI  東京

椎名林檎 歌舞伎町の女王

斉藤和義 歌うたいのバラッド

スガシカオ/SMAP 夜空ノムコウ


まったく想定外だったのだけど
沢田研二で全身鳥肌がたち
YUIで泣けた 笑


ジュリー全盛期、こどもだったわたしは
奴が嫌いだった
たぶん、エキセントリックなところが
受け付けられなかったんだとおもう
歌も、歌詞のイミわかんないしきもちわるい、くらいに
思っていた

マスターのMCによると
あの時代突出してたのは
ヤザワとジュリーだけれど
ヤザワは自分で曲も作っていたわけで
そういうイミじゃ完璧すぎるのだそう
ヒトに歌を作らせてじぶんは歌うだけで
あんだけのことをしたのだから
ここはジュリーが勝ち、と 笑

ざざっ とギターが鳴り、たった半拍で
「片手に ピストル・・・」
と歌いだしたマスター
とたんにぞくぞくっと来た

あらためて聞いてると、歌の内容は
眠っているおんなに勝手に別れを告げて
出て行く男の話で
なんで出て行くかっていうと
「男にはそうしなきゃならない時がくる」から 笑

こんな歌を真剣に歌って、聞いているひとのココロを掴むのは
並大抵のことじゃない・・・


YUIの歌は、夢を追ってイナカから都会へ出てくる心境を
素朴でまっすぐなコトバで歌っていて

「なにかをひとつ捨てて 
 なにかを手に入れる
 その繰り返し・・・」

という歌詞が
必死な覚悟をもって健気に響いた

帰宅し、(いつものように)
Youtube検索するだんなさま

モニターに映る華奢な女の子が
やっぱりギターを抱えて歌っている

今度は涙はでなかった
覚悟、健気さは伝わるのだけど
むしろ希望に溢れていて、羨ましくさえ思った

おなじコトバ、おなじメロディなのに
ふたりの歌の印象がこんなに違うのは
たぶん、スタートした「その日」から
経た年月、得た経験の量が違うからなんだろう

あるいは、聞いているわたしが
マスターと同い年で、より共鳴したのかも

マスターは、これらの歌い手の
人気が出ても守りに入らず、むしろ
ファンを置き去りにして常に変化する
というところを尊敬しているのだと

ふだん美味しい珈琲を淹れてくれて
おしゃべりにつきあってくれるマスターは
いつも穏やかでジェントルで
「変革」「破壊」というコトバとは無縁に思えるのだけど

実はそのなかに、ものすごいアグレッシブなものを抱えてる
その一端がかいまみえる、月にいちどのライヴである