息子にせがまれて、今日もバスターミナルへ出かけました。
最近の息子はすっかり落ち着いているので、息子がバスを見て楽しんでいる間、
私はベンチでゆっくり読書を楽しむことが出来るようになりました。
今日私が選んだのは、やっと手に入れた「自閉っ子、こういう風にできてます!」(花風社)。
夢中になって読んでいて、ふと顔を上げると、さっきまで目の前で
道行く車を眺めていたはずの息子がいません。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
「向こうのバス乗り場に行ったのかしら?」
見に行ってみても、息子の姿はありません。
「喉が渇いて、売店か自販機のところへ行った?」
でも、普段息子は「お茶買いたい」と私のところへ言いに来るはずです。
1つ先の交差点へ、車を見に行った?
そこに息子の姿はありません。
まさか、駅の中?ああ、でも、息子が1人で電車にのることはないはずです。
私は泣き出しそうになるのを必死に押さえて、あたりを走り回りました。
本屋の中。コンビニの店内。床屋の看板の前。
どこにも息子の姿はありません。
そこで夫に電話しました。「ちびくまがいなくなった!」
「どうして?何があった?」夫の声は怒気を含んでいます。
「わからない。本を読んでいて、顔を上げたらもういなかったの!」
夫もすぐ電車でかけつけると言いました。
息子は、昔の息子ではありません。
何もわからないまま、私の存在を意識しないまま
いなくなったわけではありません。
息子がもし、自分の意志でここを離れたのなら、
息子は「おかあさんはここで僕を待っている」と
思っているはずです。私がここを動くわけにはいきません。
でも、万が一、息子が自分の意志でなく、連れ去られていたら…。
もし、事故にでもあっていたら…。
家を出たまま帰らず、再び親とめぐり合えた時には
冷たくなっていた…。
息子の仲間たちのたどった、最も不幸な結末が
次から次へと私の脳裏を巡って、私をゆさぶります。
「誰か!誰か助けて!息子を助けて!」
徒歩で20分ほどのところにある警察に電話しようか、
障担には電話したほうがいいだろうか、
ああ、そこに派出所がある、駆け込んで息子を探してもらおうか、
さまざまな思いが渦巻いて、圧倒されて倒れそうになりました。
そのまま何分経ったのか…。
私には数時間にも感じられたのですが…。
息子が、紛れも無い息子が、にこにこ笑いながら
パスターミナルへ戻ってきたのです。
「どこへ行ってたの?」
「ニッ*ンのお店」
「1人で行ったの?何を見てきたの?」
「ひとりでいった。ティ*ナをみたよ」
バスターミナルから100Mほど離れた県道沿いにある、
某ディーラーのショールームを、見に行っていたようです。
「ああ、良かった!!」私は息子を抱いてへたりこみました。
息子はそれでやっと、「どうやら自分はまずいことをしたらしい」と
気づいたようです。とりあえず、夫に、息子が無事戻ったことを知らせました。
悲しい事に、こんな時でも、「感情を剥き出しにして叱っても、
息子にはなぜ叱られたのかは理解できない」という知識が頭をもたげるのです。
「ちびくまくん、おかあさんは、ちびくまくんが急にいなくなったので
びっくりしたわ。どうしておかあさんに『あっちへいくよ』って言ってくれなかったの?」
できるだけ穏やかに彼の目を見て言ってきかせます。
「ごめんなさい」息子は殊勝に謝ります。
「ちびくまくんは、おかあさんが、ここで待っているから大丈夫、って
思ってたのかな」
「おかあさん、まってる、おもってた」
「でも、おかあさんは、ちびくまくんがどこにいるのかわからなくて、
とっても心配したのよ。これからはどこか他へ行く時は、ちゃんと
お母さんに教えてね」
「はい。ごめんなさい」
その後、息子は急に不安になったのか、私にべったりと抱きついてきました。
「おかあさん、だっこして」
2人で近くのスーパーの店先に移動して、自販機でジュースを買って
一緒に飲みました。そして、彼の肩を抱きしめました。
「おかあさんのところに戻ってきてくれて、ありがとう」
「おかあさんは、ここで僕を待っていてくれる」
その信頼があればこそ、の彼の小さな冒険だったのかもしれません。
でも・…私の寿命は確実に5年は縮まりましたとも。
最近の息子はすっかり落ち着いているので、息子がバスを見て楽しんでいる間、
私はベンチでゆっくり読書を楽しむことが出来るようになりました。
今日私が選んだのは、やっと手に入れた「自閉っ子、こういう風にできてます!」(花風社)。
夢中になって読んでいて、ふと顔を上げると、さっきまで目の前で
道行く車を眺めていたはずの息子がいません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/kaeru_shock2.gif)
「向こうのバス乗り場に行ったのかしら?」
見に行ってみても、息子の姿はありません。
「喉が渇いて、売店か自販機のところへ行った?」
でも、普段息子は「お茶買いたい」と私のところへ言いに来るはずです。
1つ先の交差点へ、車を見に行った?
そこに息子の姿はありません。
まさか、駅の中?ああ、でも、息子が1人で電車にのることはないはずです。
私は泣き出しそうになるのを必死に押さえて、あたりを走り回りました。
本屋の中。コンビニの店内。床屋の看板の前。
どこにも息子の姿はありません。
そこで夫に電話しました。「ちびくまがいなくなった!」
「どうして?何があった?」夫の声は怒気を含んでいます。
「わからない。本を読んでいて、顔を上げたらもういなかったの!」
夫もすぐ電車でかけつけると言いました。
息子は、昔の息子ではありません。
何もわからないまま、私の存在を意識しないまま
いなくなったわけではありません。
息子がもし、自分の意志でここを離れたのなら、
息子は「おかあさんはここで僕を待っている」と
思っているはずです。私がここを動くわけにはいきません。
でも、万が一、息子が自分の意志でなく、連れ去られていたら…。
もし、事故にでもあっていたら…。
家を出たまま帰らず、再び親とめぐり合えた時には
冷たくなっていた…。
息子の仲間たちのたどった、最も不幸な結末が
次から次へと私の脳裏を巡って、私をゆさぶります。
「誰か!誰か助けて!息子を助けて!」
徒歩で20分ほどのところにある警察に電話しようか、
障担には電話したほうがいいだろうか、
ああ、そこに派出所がある、駆け込んで息子を探してもらおうか、
さまざまな思いが渦巻いて、圧倒されて倒れそうになりました。
そのまま何分経ったのか…。
私には数時間にも感じられたのですが…。
息子が、紛れも無い息子が、にこにこ笑いながら
パスターミナルへ戻ってきたのです。
「どこへ行ってたの?」
「ニッ*ンのお店」
「1人で行ったの?何を見てきたの?」
「ひとりでいった。ティ*ナをみたよ」
バスターミナルから100Mほど離れた県道沿いにある、
某ディーラーのショールームを、見に行っていたようです。
「ああ、良かった!!」私は息子を抱いてへたりこみました。
息子はそれでやっと、「どうやら自分はまずいことをしたらしい」と
気づいたようです。とりあえず、夫に、息子が無事戻ったことを知らせました。
悲しい事に、こんな時でも、「感情を剥き出しにして叱っても、
息子にはなぜ叱られたのかは理解できない」という知識が頭をもたげるのです。
「ちびくまくん、おかあさんは、ちびくまくんが急にいなくなったので
びっくりしたわ。どうしておかあさんに『あっちへいくよ』って言ってくれなかったの?」
できるだけ穏やかに彼の目を見て言ってきかせます。
「ごめんなさい」息子は殊勝に謝ります。
「ちびくまくんは、おかあさんが、ここで待っているから大丈夫、って
思ってたのかな」
「おかあさん、まってる、おもってた」
「でも、おかあさんは、ちびくまくんがどこにいるのかわからなくて、
とっても心配したのよ。これからはどこか他へ行く時は、ちゃんと
お母さんに教えてね」
「はい。ごめんなさい」
その後、息子は急に不安になったのか、私にべったりと抱きついてきました。
「おかあさん、だっこして」
2人で近くのスーパーの店先に移動して、自販機でジュースを買って
一緒に飲みました。そして、彼の肩を抱きしめました。
「おかあさんのところに戻ってきてくれて、ありがとう」
「おかあさんは、ここで僕を待っていてくれる」
その信頼があればこそ、の彼の小さな冒険だったのかもしれません。
でも・…私の寿命は確実に5年は縮まりましたとも。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/namida.gif)
担当の先生と話をしていたちょっとの間に
昇平の姿が見えなくなりました。
学童に隣接している保育園では改築工事の真っ最中だし
道路は近いし
歩いて家に帰れる距離じゃないし・・・
車を停めた駐車場と学童の建物の間を3往復もして探し回ってしまいました。(工事中の迂回路になっているから、けっこう距離があった)
正直、怖かった。マジ怖かった。
ちびくまママさんの気持ちが、切実に分かりました。
結局、本人は駐車場に停めた車のすぐわき出待っていて、
それが車の陰になっていたものだから、
私が気がつかなかっただけなのだけれど、
今までだったら勝手に車に行ってしまうこともなかったし
母がなかなか来なければ必ず探しに来ていたので
状況が読めなくて真っ青でした。
今までの彼とは違う。突然変わっていく。
何だか、私も改めてその意味を噛みしめてしまいましたわ。
ホント、寿命が縮んだわ・・・。