雲のむこうはいつも青空

まったりもったり~自閉症息子のいる暮らし@ちびくまママ

第2のトイレ記念日

2006年05月14日 | Wonder of Autism
タイトルからわかるように、今日はビロウな話ですので、
お食事時に読まないように気をつけてくださいね。

ちびくまと私は、月に1回、動作法の学習会に出ています。
学習会では年に一度、ボランティアの先生方の協力で
1泊2日集中学習のキャンプをしています。

今年も昨日今日とがキャンプ。ちびくまの参加も4回目になりました。
毎年同じ時期に同じ施設に泊まり、来てくださる先生方の
顔ぶれも概ね同じ、子どもたちのほとんどが自閉っ子、ということで
息子にもリラックスできる環境です。

担当のトレーナーの先生についてもらって、ちびくまの体に
ちびくまと共に向き合う体験をします。
自分の体を認識し、思い通りに動かすことに大きな困難を抱えた
ちびくまですが、一生懸命頑張っています。セッションを重ねるごとに
進歩が見えてくるようでした。

さて、キャンプ後半になった今日のお昼のこと。
昼食を食べた後、ちびくまがあわてて私の手をひっぱって、
「おかあさん、おかあさん、たいへん、たいへん、でちゃう」
どうやら、トイレを我慢していたようです。

2人で障害者用トイレに駆け込んで、ふと見ると、
息子、なんだかいきんでいるようなのです。
え?これは?と思って静かに見守っていたら、「ポッチャン」と水音。

や・っ・た・~

慌てて自分の足の間を覗いて、顔を上げて私を見た息子に、
「すご~い!トイレでうんちできたね~!やった~!」と声をかけると、
息子もにっこり。もう少し頑張って、きちんと最後まで排便できたようです。
紙で拭くのはまだ自分では難しいようで、私が手伝いました。

初めて自宅以外の場所で排尿できたのが、去年の5月のこと。
(→トイレ記念日
おかげで5泊6日の自然学校の間、「小」の問題はクリアできたのだけど
とうとう「大」は一度もしないで我慢して帰ってきました。
家でもどうしても「大」だけはトイレでなくオムツをはいてでしか
できないままでした。

そこからもう一歩、「トイレで大も」へ進ませたいという障担と
自分の気持ちを抑え、ただひたすら息子が自分からその気になるのを
辛抱強く待ち続けたこの1年が報われました。

誰に言われたからでもなく、自分からハードルを越えた息子は
自分でもすっかり誇らしい気持ちになったようで、ニコニコ笑顔。
「ちびくまくん、しあわせ~

(ちなみにこれは、N○K教育の「パンツぱん○ろう」に
「きょ~うもあ~さからりっぱなうんち~
 で~たからい~ちにちしあわせよ~、はい、しあわせよ」
という歌があるので、
「うんちがでた」ときにすっきりした気分は「しあわせ」と
いうのだと学習したようです。)

せっかくなので、キャンプ最後の集会のときに皆さんの前で
報告して、拍手していただきました。
そこでも息子は「ちびくまくん、しあわせだから~」


養護学校に転勤した前障担にもメールで報告。息子宛には
「おめでとう!先生はきっとちびくまくんにならできると
 思っていたよ!」との返事をもらいました。
それを見て、また息子はにっこり。
私宛には、「あの時焦ってせかさなくて正解でしたね」

息子の成長には、どんなに手を尽くして教えようとするよりも、
ただ信じて時期を待つことが大きな力を発揮することがあります。
どんなに肥料を多くやっても水をやっても、植物そのものの
根や葉を引っ張って伸ばしたり、無理やり花を咲かせることは
できないように、手をかけ、心をかけながらも、あとは子どもの
育ちを尊重し見守るゆとりを持つことも大切なのだということを、
また私は息子に再確認させられました。

「たとえば 花を 育てるように
      いとしい わが子を 育てよう」

それぞれの賢さ

2006年04月22日 | Wonder of Autism
アスペルガー症候群当事者で翻訳家・著作家としても有名な
ニキ・リンコさんが訳された「私の障害、私の個性。」(花風社)という本の
前書きに、リンコさんがこんな一節を書かれています。

「自閉者だけではありません。知的障害者にも、精神障害者にも、
 幼い子どもたちにも、『健常者』と呼ばれる人たちにも、
 その人らしい賢さの『かたち』があり、それが一人ずつ
 ちがっているのだと思います。」(花風社HPより)

これを読んだとき、私は本文そのものより強い感銘を受けたのです。
(原著者さん、訳者としてのリンコさん、ごめんなさい)

それぞれの賢さ。それぞれの無限の可能性。
「息子には知的障碍がある」というたびに
「どうして親の癖に子どもの可能性を信じないのか」
「どうして障碍を克服させる努力をさせないのか」と
言われては傷つき揺れた、私の迷いを吹き飛ばしてくれる
言葉でした。

息子には知的障碍がありますが、彼は馬鹿でも愚かでもありません。
障碍があるらしく見えないようになることは、
私と彼の目標ではありません。
訓練を受けることは息子の息子らしい賢さを伸ばし、息子が
生き生きと暮らしていけるように援助することで
知能検査や評価を受けることは、息子の認知にはどんな特徴があるのか、
それぞれの分野でいまどのあたりから手をつけるのが
息子にとって最良なのか、「息子らしい賢さのスタイル」を
考えるための手段にすぎません。

IQというのは、「その人がその時に、標準化された知能検査に
応える能力の高さ」を数値化したものです。
IQでは計れない「我が子の賢さ」と「その子にとっての幸せの形」を
見つけていくことは、障碍のある子をもった親にとって
とても大切な仕事であるとともに、ひょっとしたら
障碍のある子を授からなければ知ることのなかった喜びなのかも
しれないと思っています。

IQも高く、進学校・一流校というところを出ていても
結婚していてもお勤めをこなしていても、
自閉ゆえの不全感や生きづらさに苦しんでいる人が多くいることや
なまじ勉強ができ、「目だった障碍らしさ」がなかったために
成人になるまでなんの援助も得られなくて、人知れず苦しんできた人が
沢山いることを、私たちは知っています。
自らの傷口を開くような思いで成人自閉者の人たちが語ってくれる
経験から、貴重な教えを受ける幸運に、私たち世代は恵まれました。

そこから何を学び、子どもに何を与えていくかは
親である私たちの「賢さ」にもかかっているような気がします。

歯医者その後。

2006年04月13日 | Wonder of Autism
しばらくネタにしていませんでしたが、ちびくまの歯医者通いは
まだ続いております。

乳歯の最後の2本の抜歯、奥歯のシーラントを経て、
ドクターの提案は
「ここまでできるんだったら、歯石とりに挑戦してみない?」

実は、口内過敏のため、長い間あまり十分にはみがきが
できていなかったため、ちびくまの歯にはびっしりと
歯石がついているのだそう。

とくに下の前歯の裏は、歯そのものが見えないくらい
歯石がついているのだとか。鏡で見せてもらったら、
実に「タバコすってんのか?」と思うくらい
茶色いというか黄ばんでいるというか。

「取れるもんなら、取っておいたほうがいいんだよね。
 でも、音が結構すごいからね、それに耐えられないのに
 押さえつけて無理やりすることはないとは思うんだけど」

確かにあの歯石取りの音と歯にきーんとくる感覚は
息子にとってはかなりの難関かも。
それに、かなり長い間口をあけてじっとしておかないと
いけないし。

それで、息子に一度確かめてみました。
「ちびくまくん、ちびくまくんの歯の裏に、ばい菌の塊が
 ぎゅーってくっついてるんだって。それを取るのに、キーンの
 機械なんだけど、どうしよう。頑張って、先生にばい菌を
 取ってもらう?それともこのまま置いておこうか」

すると、息子は
「キーンがんばれる。ばいきんとってもらう」

え?ドクターと母のほうがびっくり。
「本人がその気になってくれたんだったらやってみようか。
 一番ひどいところだけでもいいし、長い間が無理なら
 ちょっとずつやっていってもいいし」

・・・というわけで、初めて歯石とりに挑戦したのが先週。
ちびくまは診察台の上で手を握り締めて硬直していましたが
休憩を二度入れながらも、一番ひどい部分の歯石を
無事とってもらうことができました。

今日はその続きで、残りの部分の歯石をとってもらいました。
2回目なので、少し緊張はゆるみ、でも、やっぱり音と感覚は
嫌なのか、指先まで硬直したままでの治療でした。

でも、これで無事に歯石とりも完了。
「いやあ。びっくりした。ここまでできると思わなかった。
 あと、来週、もう一度全体を磨いて、フッ素塗布したら
 完了かなあ」
とドクター。

ちびくまは終わるとすぐ「ありがとうございました~」と叫んで
待合室のトイレに逃げ込みました。

受付の奥さんも
「ちびくまくん、がんばってくれてますね~。
 全然問題なかったですね~」

ドクターがいちいち器具の説明をしたり
処置の説明をしてくれたりと手間をかけてくれたおかげで
ちびくま自身も頑張る力が発揮できたわけで

これはやはり本人の頑張りだけでも周りの人の
支援だけでもだめなんだろうな、と思います。

もっと早く歯医者にかかっていたらよかったのかもしれないですが
これが1年前だったら無理だったかも知れないですし
一度押さえつける経験をさせてしまっていたら
こうはスムーズにいかなかったかもしれません。

ちょっとしたタイミングで、それまで無理だったことが
すごくうまくいくことがある。

「啐啄同時」という言葉がありますが、自閉っ子と付き合うにも
それは大事なことかもしれない、と思ったりします。

世間は狭い。

2006年04月11日 | Wonder of Autism
唯一通園施設時代からお付き合いが続いているママさんから
久しぶりにメールが届きました。

なんとちびくまの担任だったK先生がその方の
お嬢さんの担任になったとのこと。

まあ、その地区の養護へ変わられたので、誰か知人の
お子さんの担任になるかもしれないなあ、とは思っていたのですが
その中で1人だけ親しくしている人とつながるとは。

でも偶然はそれだけではなくて、K先生が赴任先で
同じクラスを担当することになった先生が
ちびくまのことを知っている、と、これはK先生から
教えてもらいました。

最初お名前を聞いてもぴんとこなかったんですが、
よーく考えてみると、今もお世話になっている教育大に
6年前初めてお世話になりはじめたころ、その研究室に
おられた院生の方でした。
ちびくまがまだ日本語が話せなくて、訓練室にもすんなりとは
はいれなくて、課題もほとんどこなせなかった時代を知る
いまや貴重な人かも。

でも、なんか、私、こういう偶然にであいやすいような
気がするんですよね~。

たとえば。

○就職して最初に配属された部署の直接の上司は
10年以上前に転居していった幼馴染のお父さんだった。
(私は小学生のとき「○○くんのおじちゃん」と読んでいた。)

○次に配属された部署の部長は、高校の同級生のお父さんだった。

○息子がお腹にできて、産婦人科に行ったら、20年以上
 あっていなかった従姉に会った。

○産婦人科のマタニティビクスで仲良くなった人の
 だんなさんを紹介してもらったら大学時代のクラスメートだった。

○息子を産んだとき同室で仲良くなったママは、同じマンションで
 仲良くなったママと職場の同期だった。

○アメリカに住んで仲良くしていたお宅のご主人の
 取引先の人が私と同じ大学出身だというので、よくきいてみたら 
 これも大学時代のクラスメートだった。

○ダンナがアメリカでの確定申告を会計士さんに依頼したら、
 いきなり私の出身大学を言い当てられてびっくりしたが、実は
 その人の部下が私の大学時代のゼミの同級生だった。

ああ、世間は狭い。悪いことはできないわ~。

そわそわそわ。

2006年04月02日 | Wonder of Autism
うちの県でも4月1日に先生の異動が発令されましたが
地元の新聞には管理職の異動しか載らないので
担任を持っている先生たちがどう動くのか、全くわからないんです。

例年は発令日に連絡網が回ってきて、障級関係の先生の
異動だけは教えてもらえるんですが(離任式の日に
希望の保護者が学校に行けるように)今年は土日だったせいか、
それもまだ~。ああ、落ち着かない。


もっとも、先生の異動がわかっても、子どもの担任が誰になるかは
新1年生を除いて始業式まで教えてもらえないんですけどね。

息子は1・2年をM先生、3・4・5年をK先生に担任してもらって
来ました。小学校最後の1年、どの先生のクラスになるのかは
もう大問題。このままK先生が卒業まで持ってくれたら、それが
一番安心なんだけど~。

そんなそわそわした気分のところへ、息子は今朝から体調不良。
この期に及んで、どうやら吐き下しの風邪にやられた模様。
明日は一緒に神戸へ行くつもりだったんですが、どうやら
行き先は小児科に変更になりそう。

今回はウイルス性のものではないかと思うのですが
息子は環境の変化などで強いストレスがかかると、熱が出たり
食べ物を受け付けなくなったり、と自分の体を痛めつけるほうに
反応が出るタイプです。
朝から、何度も吐いてぐったりしている息子を介抱しながら、
余計に新学期のことが気になったのでした。



ミャンマー語

2006年03月15日 | Wonder of Autism
「おかあさん、ミャンマー語で『ありがとう』は
 なんていうの?」
突然息子に訊かれました。

「ミャンマー語…?ごめん、おかあさんわかんない。」
「あれ~、おかあさん、☆●×△#@¢っていうんだよ」
…息子よ、母は君のような器用なのーみそを持ってはいないのだ

米国から帰国して6年が経っても、いまだに「なんちゃって
バイリンガル」状態の息子、
「これは英語でなんていうの?」と訊いてくるのは日常的ですが
最近はそれに「ドイツ語で○○は?」「フランス語で△△は?」
「スペイン語では?」「イタリア語では?」「ハングルは?」
とバリエーションが増えてきました。

そのほかにも
「おかあさん、ガーナではなに語をしゃべってるの?」
「スワジランドは?」
「シンガポールは?」
…この子に付き合っている限りぼけないような気がする…。

日本語も年齢相応にしゃべれない(はっきり言っちゃうと幼稚園児にも
負けている)うえに概念理解の極端に弱い知的障碍を持つ息子が、
これほど世界には様々な国があることと多言語の存在を
すんなりと理解し、興味を持っているというのは不思議な感じがするのですが

「この世」の存在に気がついた頃に2重の文化に接し、
「ことば」を使うようになったときに2つの言語に接していた、という
彼の生い立ちが関係しているのでしょうか。
それとも、自閉っ子のもつカタログ的知識への興味の強さから
きているのかしら。

ちなみに、息子が「ミャンマー語」を仕入れたのは
どうもこのCMからのようです。
やっぱり、耳はいいのね。

タミフル効きました。

2006年03月05日 | Wonder of Autism
インフルエンザにかかったちびくま、金曜土曜は
熱でぐったりして眠ってばかりでしたが、
今朝はほとんど平熱に近いところまで熱も下がり、
食欲も出てきました。
まだ少し咳が残っていて、咳き込んだ拍子に
吐いてしまったりしていますが(昔から吐きやすい)
峠は完全に越した、という感じです。

少し頑張れば火曜から登校できないこともないようですが
本人は「かようびまでおやすみする~」と言っているので
本人の自己モニターを尊重して学校復帰は水曜になりそうです。

ところで、今回もやはり薬がネックになりました。
インフルエンザといえば、タミフルですが
タミフルはドライシロップかカプセルしかないとのこと。

前回溶連菌のとき、薬を飲むのに苦労したので
直ったあと、小さなビタミン剤で練習させていたのですが
いまだに糖衣錠の糖衣がとけてしまうほど
何度も繰り返してやっとのことで飲み込むといった
感じなのです。(それでも、飲み損なって
嘔吐すること多数…)

11才になった今も、まだ時々食事が飲み込めなくて
出してしまうことがある(嫌いだからではなく)くらいなので
嚥下に少し問題があるのかもしれません。
(だからこそ、幼児期の異食最盛期に、誤嚥しそうな小さなものを
口に入れていても飲み込まずにすんでいたのかも)

ともあれ、この調子では錠剤ならなんとかなっても、
カプセルは難しいかも・・・ということで、
今回もドライシロップを処方してもらいました。

医院では投薬のときに、「チョコレートアイスとか
ヨーグルトに混ぜるといいみたいですよ」と
親切に教えてくれたのですが、いかんせん、息子は
どちらも嫌い…。
「ゼリー状のオブラートもありますよ」とアドバイスして
もらっても、息子はゼリーが嫌い、そういうゼリーについてる
人工的な果物の味も大嫌い…。
無理に口に入れると嘔吐してしまったりするし…

しかたなく、少量のオレンジジュースに溶いて飲んでもらい、
そのあと「頑張ったご褒美」に口直しのりんごジュースを
渡すことでしのぎました。

昔と違って、本人も薬を飲まねばならないことは
理解しているし、頑張る気持ちはあると思うんですが…
まだまだ苦難の道は続きそうです。


なんで今ごろ・・・。

2006年03月03日 | Wonder of Autism
昨夜、ふと息子の顔を見ると、ほっぺが真っ赤。
おでこに手を当ててみると、熱い。
さっきまでファンヒーターの前に座ってTVを見ていたので
そのせいかと思ったけど、念のため体温を測ってみると
8度1分。

ただ、まだ季節の変わり目などに体温調節がうまく
いかないことは時々あるので、とにかく一晩様子を見ることに
しました。

で、今朝。起き抜けに体温を測ると、やはり8度1分。
「お熱があるから、今日は学校はお休みしようね」と息子に
話して、送迎バスと障担に連絡。
そうこうするうちに、みるみる熱が上がって、9度を超え、
本人もぐったりしはじめました。

かかりつけ医はネットで受付ができるので、調べてみると
今日の午前中は代診とのこと。
息子に、「今日の朝はH先生じゃないんだけど、お医者さん行こうか?」
と言うと、
「ううん。おいしゃさん、いかない」
いや、そういうわけには行かないんですってば。

「じゃあ、夕方行こうか。夕方だったらH先生だよ」
「ゆうがたいきます」

実はHドクターは、自閉っ子の扱いがとてもうまいのです。
ちょっとした偶然でここに初めてお世話になったとき、
玄関で耳ふさぎをして中に入れなくなった息子を見て
受付の人が「個室がよければありますよ」と声をかけてくれたり
診察室からドクターが玄関まで出てきて子どもに
話しかけてくれたり、と対応があまりに良いのでびっくりしたのですが
それもそのはず、このドクター、以前自閉症の専門病院に
2年勤めておられたとのこと。

「自閉の子は歩けるんだから良いじゃないかとか、しゃべれるから
 良いじゃないかという人がいるけど、歩けて走れるから却って
 大変、しゃべれるから却って本人も回りも大変ってことが
 あるからねえ」
と言われたときには、不覚にも涙が出そうになりました。
だって、お医者さんにそんなこと言ってもらったことなかったから。

それまでは、別のお医者さんにかかっていたのですが、このときから
息子は「びょうきになったらHせんせいにみてもらう」と
言い始めました。
自分のことをわかってくれるひとは、彼にもちゃんとわかるらしいです。

結局夕方診療の時間まで待って、Hクリニックに行きました。
「インフルの可能性、強いねえ」ということで検査をすると、
ばっちりA型。

今年は、障級も交流級もインフルエンザで学級閉鎖になったけれど、
そのときには全く感染らなかったのに、なんで今頃になって
インフルをやるかなあ。


とりあえず、タミフルをいただいて帰ってきました。
学校復帰は来週の火曜以降になりそうです。やれやれ…。

5回目の歯医者。

2006年02月27日 | Wonder of Autism
ちびくまは、まだ歯医者への通院を続けています。

右上下、左上、と順調に臼歯へのシーラントが済んだのですが、
ここで問題が持ち上がりました。

左下の奥歯2本だけ、まだ乳歯が残っているのです。
しかも、下からは永久歯が顔を出している。
その状態だからなのかどうか、歯磨きもほとんど
できていなくて、歯垢がひどく、
このまま自然に乳歯が抜けるまで
待っていては、永久歯のほうも生えてくるまでに
虫歯になってしまうかも、ということでした。

ドクターのお勧めは、ここで2本とも乳歯を抜歯して
永久歯にシーラントをすること。
「でも、無理に押さえつけてやるわけにはいかないからね。
 できないならできないで、他の方法を考えないと。
 そんなに無茶苦茶急がなくていいので、お子さんと相談してみてください」

…というのが先週の話。

そこで、息子に話をしてみることにしました。
「ちびくまくんのお口の中は、もうほとんど大人の歯に
 なっていて、その大人の歯が虫歯にならないように
 お薬を塗ってもらったんだけど、左の下だけ
 赤ちゃんの歯が残っていて、それをとらないと
 いけないんだって。」

案の定、息子の顔色がさっと変わります。
「しない!ちびくまくん、はをとらない!」

「でもね、それは病気の歯なんだよ。だから
 とらないでおいとくと、歯磨きもちゃんとできなくて
 歯が痛くなっちゃうの。」

すると息子が
「…とげがささった、みたい?」

実は息子の大好きなアメリカの"Dragontales"というアニメのビデオに
足にとげがささった子が、お医者さんに行くのが怖いのを我慢して
頑張って、無事にとげを抜いてもらえる、というストーリーがあるのです。
息子はそれを連想したのでしょう。

「そう。赤ちゃんの歯がとげになってるの。
 とげをとってもらったら、元気な大人の歯になるんだって。
 どうかな、ちびくまくんもザックみたいに頑張れるかな?」

大好きなキャラクターの名前を聞いて、息子はにっこり。
「ちびくまくん、がんばれる。ザックみたいに、とげのはを
 とってもらう」
やったっ

抜かなければいけない歯は2本あるのだけど、「1回1本だったら
頑張れる」という話になりました。

そして、今日。
歯医者に着くとすぐ、受付の奥さんが
「寒いといけないからトイレに暖房を入れました。」
「診察までトイレに避難」は息子のスタイルとして、
すっかり認知してもらえたみたい。(うれしー)

診察室に呼ばれ、固い表情で椅子に座った息子、
ドクターの顔を見るなり、
「きょうは、はをとってもらいます!」
ドクターはびっくり。
「ほんとに取っていいの?」
「はい!」

「本人と話し合って、1回1本なら頑張るということです」
と説明すると
「へえ~、すごいな。じゃ、ちょっとお口の中見せて。
 今日はどっちを取るか決めよう」

結局、奥のほうの歯を取ることになりました。
注射をすることは説明していなかったので、表面麻酔だけで
取れそうなほうを、ということで。

「じゃあね、果物の味のお薬を塗るよ」
「じゃあ、歯をとるからね」
と丁寧に説明してもらったおかげもあって、
息子は全く暴れることも泣くこともなく、
抜歯をしてもらうことができました。

抜いた歯を本人が見たいかどうかはわからなかったので
その場では本人に見せないで欲しいことを伝えておくと
ちゃんと小さなケースに入れてから渡してくれました。

息子はドクターが「はい、今日はこれでおしまい」と
言った途端に、「がんばりました!」と叫んで
待合室のトイレに一目散。

でも、ほんとに頑張ったと思います。
帰りにスーパーでご褒美に彼にジュースを選ばせて買い、
夕食は彼のリクエストにしたがってカレーライスにすることになりました。

家に帰ってから見てみると、抜歯した歯はもう根がすっかり
吸収されてなくなっていましたが、虫歯で大きな穴が
空いて(進行止めのみ処置)いました。すごく汚れてるし。
ちゃんと抜歯できてよかった~。

それにしても、普通の歯医者で抜歯できる日がくるなんて。
さすがの母も、ちょっとびっくりです。